昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

少女漫画

木原敏江『天まであがれ!』

『天まであがれ!』(75~)は沖田総司とヒロイン・こよりの恋を軸にした、新撰組モノです。 試衛館時代から壊滅までを史実をベースにオリジナルキャラも交えて少女漫画風に描いた名作です。 まず前提として、この当時はベルばらブーム。 その影響で、西欧…

青池保子『Z(ツェット)』

『Z』(79~)は『エロイカより愛をこめて』のスピンオフ。エールバッハ少佐の部下で新人エージェント、Zの命がけの任務を描いたお話です。 「怪盗エロイカ」こと伯爵は登場しません。 そのためコミカルな要素は少なめでNATOと東側の工作員たちとのスパ…

緑川ゆき『夏目友人帳』その3

25巻、本日発売です!! 記念に語ります。祝・連載100回越え!! なるたけボカしますが、ネタバレにはご注意ください。 大雑把なあらすじは田沼くんが拾った「ニャンコ先生の模様に似た陶器のかけら」 ちょうど先生が家に戻ってなかったこともあり、 心…

川原泉『バビロンまで何マイル?』

『バビロンまで何マイル?』(91~)は主人公の現実主義の女子高生・仁希と幼馴染みのハイスペック男子高校生・友理が不思議な指輪でタイムスリップし、ルネサンス期のバチカンで、ボルジア家の兄妹に出会う歴史ファンタジーSF作品です。 あらすじを大雑把…

由羅カイリ『アンジェリーク』その2

女性に受ける最大要素は「個性的なキャラ同士の関係性」と何度も書きましたが、この作品もそう。 9人の守護聖のキャラクターと関係性が実に素晴らしいのです。 漫画版だとアンジェリークと最初に仲良くなるのは弟タイプの美少年、緑と豊かさの守護聖マルセ…

由羅カイリ『アンジェリーク』

『アンジェリーク』は94年に発売された元祖乙女ゲームのコミカライズ版。ゲーム版のキャラデザもこの方の担当です。 90年代の絵は華やかだ……。あとキャストが超豪華!!! ※ゲームまで話を広げると収拾がつかなくなるので、主に漫画の話をします。 この…

青池保子『アルカサルー王城ー』その2

チャンピオン連載中の『逃亡者エリオ』も同時代のお話で、ペドロ王が登場します。 この作品だとエンリケ側が善玉でペドロ側が倒すべき悪として描かれます。 史実のドン・ペドロ(=ペドロ一世)も「残酷王」「審判王」など評価の分かれる人ですし、 フィクシ…

竹本泉『あおいちゃんパニック!』その2

話の発端が「風変りな主人公」である場合、 正体が宇宙人、もしくは人外や忍者でも、必ずそれを追うように似た属性のキャラが登場するのはマンガのお約束です。 この作品でも ・あおいちゃんの幼なじみ美少年のトートが彼女に会いに来る。 ・教師兼植物学者…

谷ゆき子『まりもの星』その2

念のため書いておきますと当時は山岸凉子の本格的バレエマンガ『アラベスク』(71~)も「りぼん」で連載していました。 バレエに関する知識や資料はこれ一作でも十分得られたはずですが 正しい知識より、読者を驚かせる方をこの作品は選んだのでしょう。 …

谷ゆきこ『まりもの星』その1

『まりもの星』(72~)は北海道育ちの少女なでしこが、行方不明の元有名バレリーナの母を探しながら、自分もバレリーナを目指す、伝説の超展開バレエマンガです。 掲載は小学館の児童誌「小学一年生」 つまり6才の子供にもわかりやすく、短いページ数で…

ひかわきょうこ『女の子は余裕!』

『女の子は余裕!』(90~)は高校二年生の女の子・星野友美の恋物語と友人たちとの日常を描いたほんわかラブコメです。 第一話の友美は同級生で中学からの親しいクラスメイト・沢田くんに片思いをしていましたが 沢田くんには好きな人がいると知り、彼の…

高屋奈月『フルーツバスケット』

『フルーツバスケット』(98~)は主人公の女子高生・本田透がひょんなことから学校の「王子様」草摩由希とその従兄弟たちと同居することに。 しかし彼らは異性に抱き着かれると十二支の動物に変身してしまう秘密が……。コメディタッチで癒されるほんわかラ…

青池保子『緋色の誘惑』

『緋色の誘惑』(97~)は世紀末の日本を舞台に、「魂のお医者さん」こと女性霊能者・あんり先生が患者の悩みを悩みを解決するコミカルなオカルトものです。 ノストラダムスの大予言ネタがあるのが90年代後半らしい……。 ヨーロッパを舞台とすることが多…

吟鳥子『アンの世界地図』その2

美少女「秋」に、マイズナーだけでなくプロイセン貴族シュヴァンシュタイガー大尉やアルザス人の海兵フッペなど、他のドイツ兵も思いを寄せていました。 しかしドイツの降伏で微笑ましい日々は終わり、兵士たちには過酷な現実が待っていました。 捕虜生活か…

吟鳥子『アンの世界地図』その1

『アンの世界地図~I's a small world~』(13~)はアル中毒親の母の元を飛び出した金髪ロリータ娘のアンは、ひょんなことから古い一軒家で一人暮らしのアキの家に同居することに。 様々な人との出会いや体験を通じてアキと共に新たな人生へと踏み出して…

那州雪絵『ここはグリーンウッド』その1

『ここはグリーンウッド』(86~)は現代日本の名門男子校「緑都学園」の寮、緑林寮=別名グリーンウッドを舞台に主人公・蓮川一也と個性豊かな寮生たちの愉快な日常を描いたほのぼの風味の漫画です。 91年にOVA化、93年にラジオ放送、08年に実写ド…

青池保子『アルカサルー王城ー』その1

『アルカサルー王城ー』(84~)は実在した14世紀カスティリア(後のスペイン)国王、残酷王ペドロ1世ことドン・ペドロを主人公に、彼の熱く激しい生涯を描いた作品です。 14年に宝塚で舞台化されました。 ※「ドン」はスペインの身分の高い男性の敬称…

山内直実・氷室冴子原作『なんて素敵にジャパネスク』

『なんて素敵にジャパネスク』(88~)は氷室冴子原作の同名小説のコミカライズ版。 平安時代を舞台に、自由闊達なお転婆姫、瑠璃姫が幼なじみ高彬との結婚成就のために駆け廻り、騒動に巻き込まれるラブコメです。 第一話では瑠璃姫は16歳。名門貴族の…

大和和紀『はいからさんが通る』その2

少尉の戦死が伝えられた後、紅緒は髪を切り、今後も伊集院夫妻を支えると決意。 華族でも懐具合は良くない伊集院家のため紅緒は働きに出ることにし、女嫌いの(美形)編集長がいる零細出版社「冗談社」の記者に。 取材に訪れた満州で馬賊の頭=元部下の鬼島…

大和和紀『はいからさんが通る』その1

『はいからさんが通る』(75~)は大正時代の日本を舞台に、主人公・花村紅緒の恋と人生を時にコミカルに時にシリアスに描いたラブコメです。 78年にアニメ化、87年に実写映画化しました。 その後何度かの実写ドラマを経て 17年に劇場アニメが前後編…

あさぎり夕『あこがれ冒険者』

『あこがれ冒険者(アドベンチャー)』(85~)は捨て子だった主人公・小松崎美夜(通称ミィ)が唯一手にしていたグリフィンのメダルを巡る冒険と恋の行方を描いた作品です。 これ以前のあさぎり夕作品の主人公は優しくて大人しいタイプが大半でしたが ミ…

青池保子『エル・アルコンー鷹ー』

『エル・アルコンー鷹ー』(77~)は16世紀末の英国を舞台に、英国とスペインの混血の海軍将校、ティリアン・パーシモンを主人公にしたピカレスクロマンです。 07年に宝塚で舞台化しました。 短編『七つの海七つの空』に敵キャラとして初登場。 『エロ…

菅野文『薔薇王の葬列』その4

最新刊12巻本日発売!!というわけで語ります。 兄王エドワード4世の死により、長男エドワードが次の王に。 リチャードは摂政として支えるはずでしたが、王太后エリザベスはリチャードを除こうとします。 リチャード側はそれを未然に防ぎましたが、次の策…

高階良子『地獄でメスがひかる』

『地獄でメスが光る』(72~)は美形マッドドクター巌敏明(いわおとしあき)が自殺しようとした醜い娘・ひろみを助け、彼女の脳を使って美しい人造人間に生まれ変わらせる物語です。 高階作品の男性キャラはミステリアスで妖しい魅力のあるタイプが多く、…

猫十字社『小さなお茶会』

『小さなお茶会』(78~)は、はなのめ村で暮らす猫の夫婦、職業は詩人(猫)の「もっぷ」と奥さんの「ぷりん」のほんわかメルヘン漫画です。 人間の顔に猫耳がついてるタイプではなく、シンプルな絵の猫なので、今見るともっぷがゆるキャラのようです。 …

(小ネタ)昭和のホラー漫画 人形モノ

昭和の頃、夏になるとりぼんやなかよしでは必ずホラー漫画が載っていたものです。 人形が人を襲う話は結構多く、 個人的に一番怖かったのは美内すずえ『妖鬼妃伝』(ようきひでん 80年)登場するのは日本人形。 この作品における人形は、妖鬼妃とその一門…

池田理代子『ベルサイユのばら』その2

前回はあらすじなどをざっとなぞりましたが『ベルばら』最大の魅力は勿論オスカルです。 そもそも何故男装してるかというと、娘ばかり連続で生まれてしまい どうしても息子が欲しかった父ジャルジェ将軍が生まれたばかりの六番目の娘オスカルを男として育て…

池田理代子『ベルサイユのばら』その1

『ベルサイユのばら』(72~)はマリー・アントワネットとフェルゼン、貴族令嬢でもある男装の麗人オスカルを中心に、革命前後のフランス史を描いた少女漫画界の伝説とも言うべき大河ロマンです。 略称は「ベルばら」74年には宝塚で舞台化し、以降定番に…

曽称(そね)まさこホラー作品

今年の秋に弥生美術館で「なかよし」65周年展が開催されるそうです。 個人的になかよしと聞くと、あさぎり夕さんとこの方が浮かびます。 初めて読んだのがコミカルな中世風ファンタジーの『不思議の国の千一夜』(80~)だったのでホラー作品を目にした…

里中満智子『あすなろ坂』

『あすなろ坂』(77~)は幕末から戦後までの有馬家の人々の4世代に渡る、波乱万丈の恋と人生を描いた大河ロマンです。 有馬邸のあすなろの木を見上げ、「明日なろう」という名前に何を思うかで登場人物の性格の違いが描かれたり この木から作られたお守…