昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

少女漫画

紫堂恭子『東カール・シープホーン村』

『東(エド)カール・シープホーン村』(01~)は、シープホーン村を舞台に、主人公の少女メリーアンの成長を描いた、優しく不思議なファンタジー作品です。 同作者の『辺境警備』と世界観はリンクしていますが、知らなければ知らないで楽しめます。 ちな…

紫堂恭子『聖なる花嫁の反乱』その2

いくらエリセが気丈で逞しい子だといっても、何もわからない未知の世界では危なっかしいので ガイド兼相棒の役割に世慣れた曲者の青年・ヴァンが登場します。 ヴァンが誰かに自分を売るつもりでいると分かった上で行動を共にし、様々なことを教わるエリセ。 …

紫堂恭子『聖なる花嫁の反乱』その1

『聖なる花嫁の反乱』(06~)は、主人公のお転婆娘のエリセを中心に、「聖なる花嫁」とそれを巡る人々が織りなす壮大なファンタジー作品です。 反乱というより逃亡だよね……。 あとこれ重要事項。 あちこちでコミックス全5巻と書かれてますが 連載してた…

由貴香織里『ルードヴィッヒ革命』その2

ファンタジー作品では、旅する王子は暗殺者につきまとわれるもの。 (例:『ふしぎの国の千一夜』) 王子や読者に緊張感を与えるためですが、本作序盤の暗殺者は赤頭巾。 第二話で王子に騙されて自ら破滅フラグを立ててしまい、フリーの殺し屋になります。 …

由貴香織里『ルードヴィッヒ革命』その1

『ルードヴィッヒ革命』(99~)は美形なのに変態バカ王子のルードヴィッヒ(通称ルーイ)を主人公にした、おとぎ話モチーフのダークファンタジー。 ルーイ王子は父王の命令で従者と共に花嫁を探す旅に出ますが出会う女性は皆問題が……。 殺人や流血が多い…

友藤結『贄姫と獣の王』

『贄姫(にえひめ)と獣の王』(15~)は、魔族への生贄として育てられ、差し出された娘・サリフィは魔王の妃になる。 皆に怖れられる魔王は実は心優しく、サリフィは彼のために強く成長していく……。優しいファンタジー作品です。 祝!!TVアニメ化!! 冒頭、…

里中満智子『彼方へ!』

『彼方へ!』(75~)は両親の再婚によって水泳部の憧れの先輩・将と兄妹になった少女・真幸(まゆき)の恋と人生を描いた青春ロマンです。 目指してるオリンピックがモントリオール(76年)なのが時代を感じます。 「縦ロールの大人びた先輩兼ライバル…

篠原千絵『天は赤い河のほとり』その1

『天は赤い河のほとり』(95~)は現代日本の女子高生・夕梨がある事情から古代ヒッタイトに飛ばされてしまい、生贄として命を狙われたり、助けてくれた皇子と恋に落ちる歴史ロマンです。 略称は「天河」(てんかわ) 「展開の早い『王家の紋章』」と言わ…

久世番子『パレス・メイヂ』その2

父である先帝が明慈帝(めいぢてい)=明治だから 次代の帝が彰子=大正なんでしょうね。 彰子は自分に与えられた役割を、自分の感情より優先してしまうため なかなか本音が出てきません。 (メタ的に彼女が率直に言葉や行動に出せば話が終わってしまう) だ…

久世番子『パレス・メイヂ』その1

『パレス・メイヂ』(12~)は日本の明治~大正期をモデルにした優しい和風ファンタジー。 帝の住まう城「パレス・メイヂ」を舞台に、主人公の侍従の少年・御園公頼(みその きみより)と一代限りで独身を義務付けられた女帝・彰子との日常と主従愛を描き…

河惣益巳『サラディナーサ』その2

「主役・重要キャラのスペックは盛りに盛るもの」というのが河惣作品の特徴。 主人公のサーラは荒くれ者揃いの傭兵集団「フロンテーラ」一族を率いる若き女惣領。 凛々しく誇り高く、激しい性格の美女で通称が「黄金(きん)のサーラ」 指揮官として、また剣…

河惣益巳『サラディナーサ』その1

『サラディナーサ』(88~)は16世紀スペインを舞台に架空の海の傭兵集団を率いる女惣領・サラディナーサを主人公にした大河ロマン。 河惣作品特有のまつ毛ビシバシ、フリルやレースを多用する古風な絵柄に加え、 スケールの大きさや各エピソードのヒキ…

新井理恵『LOVELESS』(ラブリス)

『LOVELESS』(ラブリス 01~)は恋に恋する薫香、素朴で優しい優希、長身でクールな涼子の女子高生3人組の恋と友情を描いたハイテンションギャグコメディです。 伝説のギャグ漫画『×ーペケー』を知ってる方なら話は早い。 見事なボケツッコミの応酬とシ…

菅野文『薔薇王の葬列』その7(15巻感想)

第15巻、本日発売です!! 表紙はエドワードjrとエリザベス。多分癒しはここだけと思ったら……。 ネタバレが避けられませんので未読の方はご注意ください。 前巻までのあらすじ:薔薇戦争はヨーク家が勝利したはずなのに、延々続く内輪揉め(史実) 兄王エド…

緑川ゆき『夏目友人帳』その5 依島さんについて

2月22日は猫の日です。猫→ニャンコ先生という連想で夏目話を。 25巻で再登場した依島(よりしま)さんが気になるのでちょっと語ります。 初登場は20巻80話。妖のカカシの群れを名取と夏目で祓うエピソードにて登場。 名取が彼を訪ねるのに同行し、…

萩尾望都『Marginal(マージナル)』その3

この作品には多数の登場人物が出てますが、読者が共感しやすいのはメイヤードとネズでしょう。 ネズは2999年の世界側の人間で、地球では市長の秘書。 ネズ「世界の不条理が肩に重くて 息苦しくなるんです」 センター側と市長側だけでなく我の強い人々の…

萩尾望都『Marginal(マージナル)』その2

この作品は複数のキャラの視点が交錯しますが ・メイヤードの視点 ・キラ、グリンジャ、アシジンの三角関係 この二つを中心に読むとわかりやすいでしょう。 メイヤードの視点は2999年の世界のもの。 彼は「カンパニー」の依頼を受けた、プロジェクトの監…

萩尾望都『Marginal(マージナル)』その1

『Marginal』(85~)は荒廃し、男しか生まれなくなり終焉を迎えつつある地球を舞台に、ある科学者が生み出した希望の子「キラ」を巡るSFファンタジー作品。 ※BLが苦手な人にはおススメしません。 88年、HNK-FMでラジオドラマ化しました。 細野晴臣、福…

緑川ゆき『夏目友人帳』その4

本日、26巻発売です!! そして祝!!劇場アニメ新作『石起こしと怪しき来訪者』1月16日公開です! 前巻は名取さんが正面向いて的場さんが後ろ向きでしたが今回は逆の構図になってます。 今巻は前巻の続きの完結編。(第百三・百四話) ・田沼&夏目&先生…

河惣益巳『火輪(かりん)』その4

この物語は中華ファンタジー(風味)なので、お馴染みの青竜・朱雀・白虎・玄武の四神将が登場します。 玄武は本当に亀のお爺ちゃんでしたが、 後に力の証をリーアンに譲って老衰で亡くなります。 青竜はリーアンの養父にして剣の師匠・敖広(アオコァン) …

河惣益巳『火輪(かりん)』その3

前回はリーアン中心に話をざっと解説しましたが、 話のバックボーンに欠かせないのが、竜王剣の三真珠。 竜王の剣の柄に嵌めこまれていた真珠が長い時を経て妖力を持ち、人型になりました。 本来、性別はありませんが「三姉妹」という扱い。上から 凛々しい…

河惣益巳『火輪(かりん)』その2

このお話はかなり情報量が多いのですが、大まかに3つの骨子があります。 ・リーアンが様々な人と出会い、成長し、そのルーツを知るエピソード。 疑似親子のような竜王・敖広との関係。 助けられてばかりでなく、後半ではリーアンが彼のために戦います。 仙…

河惣益巳『火輪(かりん)』その1

『火輪』(92~)は架空の中国風王朝「華」と仙界、神界を舞台に繰り広げられる動乱と愛憎劇を 主人公の少年、リーアンを中心に描いた中華風ファンタジー作品です。 ※難解な漢字名の多い作品なので時々カタカナで表記します。 リーアンは心優しい白真珠の…

D・キッサン『告別にはまだ早い 遺言執行人リリー』

『告別にはまだ早い』(17~)は、「魂の遺言執行人」を名乗るリリーとエーヴの女性二人組が遺族や友人のもとを訪れ、故人の「魂の想い」を伝える少し切ないファンタジーもの。 1話完結、もしくは前後編の短編構成です。 第一話では、大富豪が正体を隠し…

河惣益巳『風の城砦(カスバ)』その2

舞台がパリへ移ると、ソレイユの呪いを解く方向に話が進みます。 容姿にも才能にも恵まれ、本人も莫大な資産家で、婚約者はイケメンで誠実、権力も持ってる。 そんなハイスペック伯爵令嬢でも 「20歳前後になったら惨たらしい死を迎えるらしい」と 身内に…

河惣益巳『風の城砦(カスバ)』

『風の城砦(カスバ)』(90~)は19世紀末の仏領アルジェリアとパリを主な舞台に、フランスの名門貴族パトウ家の人々を、主人公ソレイユを中心に描いたオカルト風味の歴史ロマンです。 大雑把なあらすじは 仏領アルジェリアで、執事っぽいイケおじのア…

桑田乃梨子『卓球戦隊ぴんぽん5(ファイブ)』

『卓球戦隊ぴんぽん5』(92~)は高校卓球界の制覇を目指す、卓球大好き少年の紅裕次郎(くれない ゆうじろう)とその仲間たちが繰り広げる、ゆるくコミカルな部活ものです。 壮大な夢を抱いて裕次郎が入った高校は卓球部がなかったので、まずは部員の勧…

紫堂恭子『逃げる少女~ルウム復活歴1002年』

『逃げる少女』(18~)は地震を引き起こす正体不明の「何か」から追われる少女ジェスベルを、元兵士の青年・セスがなんとか故郷の親元に戻そうと共に旅をするファンタジー作品です。 『辺境警備』のエピソード「星が生まれる谷」の2年後の話です。 大雑…

椎名橙『それでも世界は美しい』その2

この作品ではニケは人格が完成しているので、リヴィウス1世=通称リビの成長がメインになります。 幼い頃から何度も命を狙われ、唯一の心のよりどころの母を失った天才少年は (恐ろしい速さと冷徹さで昼夜を問わず 仕事をこなしていくだけの“機械”) (世…

椎名橙『それでも世界は美しい』その1

『それでも世界は美しい』(09~)は辺境の小国「雨の公国」の第四公女ニケは、国の自治を認めてもらう代償として「晴れの大国」の王、リヴィウス1世に嫁ぐことに。 即位して3年で周辺国を征服した「太陽王」はまだ少年で、気難しく……。心に大きな傷を持…