昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

鳥人戦隊ジェットマン47話『帝王トランザの栄光』

気分転換といいつつ、
これも発狂ネタつながりになります。

敵幹部であり皇帝となったトランザが
ジェットマンと決着をつける回。

いいところまで追い詰めたものの、
結局破れてしまうトランザ。

瀕死の彼のもとに同僚のラディゲが
現れ、今までの屈辱を晴らすべく
さんざんに痛めつけます。

2人の確執などの経緯は省きますが
ラストは病院に場面転換。

車椅子に乗った包帯ぐるぐる巻きの
トランザが、うつろな表情でよだれを垂らす
変わり果てた姿が映ります。

医者や看護婦たちが「自分が誰かも
わからない、身寄りのない患者」
「一生このまま」と話していて、

「助けてくれ、許してくれぇぇぇ!」と
叫ぶ中、檻のついた病室へ運び
込まれていく……。

得意の絶頂から、廃人へ。

当時、高校生の私でもかなり
衝撃を受けたシーンです。

「子供番組でこのような展開はいかがな
ものか」という内容の投書が新聞に
載っていたと、アニメ雑誌で見た
記憶があります。

ジェットマンは91年作品ですが、
これ以降、発狂オチを使うのは
ますます困難になっていくのでした。

昭和の漫画表現あるある5 急に発狂する

追い詰められたキャラが急に発狂する、
今ではまず許されない展開が
昭和のマンガにはよくありました。

まずは「きえーー」の奇声が有名な
山岸凉子『天人唐草』(79年)を筆頭に

はいからさんが通る』では
鬼島さんと紅緒に責められた印念大佐が
おかしくなり、

こいわ美穂子『真夜中のシンデレラ』(82年)
第二話で、演劇部所属のお嬢様が
舞台中に「ケーッケッケッケ」笑いで発狂。

巻来巧士『メタルK』(85年)では迫り来る
象皮病の死の恐怖に怯えて
阿摩鬼が発狂。

『悪魔の花嫁』に至っては、
何人おかしくなってんだと
ツッコミたいほど。

ついでにアニメだと
エルガイム』(84年)クワサン・オリビー、
Zガンダム』(85年)カミーユ・ビダン

ダンクーガ』(85年)シャピロ・キーツと
各自事情は違いますが、精神崩壊しています。

劇的な展開やオチが作れるので、当時は
多用されていたのでしょう。

流行りすたりというより、時代の流れで
禁じ手になった印象です。

ところであるある話が連続したので、
次回から話題を変えます。

ネタはまだありますが、
どうしても同じ漫画に偏りがちに
なるので気分転換ってことで。

昭和の漫画表現あるある4 衝撃的な場面で白目

白目で「おそろしい子……!」
といえば『ガラスの仮面』の
お約束ですが、

王家の紋章』『悪魔の花嫁』
エースをねらえ!

一条ゆかりの74年作品、
『わらってクィーンベル』にも、

やはり衝撃を受ける場面で
白目が使われます。

正確には操られたり、無意識状態、
絶望や怒りを通り越した憤怒など、
いろんなニュアンスがありますが

あえて瞳を描き入れないことで、
生気のない表情に見える、
最初に考えた人は天才です。

今は柴田亜美作品や『3月のライオン
銀の匙』などいろんなところで
ギャグ表現として使われていますが、

衝撃を受ける場面に使うというところは
変わってないのがすごい。

これも70年代にお約束が定着し、
80年前半にすたれ、
80年代後半以降、忘れられるORリニューアル
という定義に当てはまりますね。

 

昭和の漫画表現あるある3 よく歌う

当時は著作権などが緩かったのか、
キャラがよく流行歌を歌ってましたね。

リンかけだと
ロクさんがランニング中に
ピンク・レディー『ウォンテッド(指名手配)』

菊姉ちゃんが皿洗い中に
山口百恵『イミテーション・ゴールド』

石松がさだまさし『関白宣言』、

こう書くとリンかけって70年代後半の
漫画なんだな……としみじみ思います。

奇面組』でもしょっちゅう歌ってるし、

キン肉マン』や『聖闘士星矢』では
作中でアニメ主題歌を歌うメタな
シーンがあります。

お父さんは心配症』でパピィが
北野くんを踏みつけながら歌ってた
ちあきなおみの『喝采』、

額にタテ線入れて熱唱してるから
勝手に怖い歌なのかと思ってたら
ものすごく心に沁みる名曲でした。

今は色々権利的に厳しいんでしょうけど、
名曲との思わぬ出会いがあるかも
しれないじゃないか……!!
と主張してみる。

昭和の漫画表現あるある2 シューズにピンが!

昭和の少女漫画のヒロインへの嫌がらせの定番、
シューズにピン・もしくは画びょうを入れる。

エースをねらえ!』1巻には既に出てきます。
つまり1973年には使われていたと
いうことです。
(正確には画びょう)

バレエものでも王道なのか、上原きみこ
小学○年生の『まりちゃん』シリーズ、

『悪魔の花嫁』でも「トウシューズ
ピンが!」
別の巻でも「サッカーのスパイクに
カッターの刃が!」というエピソードが
あります。

(スパイクは目撃者に捨てられたので
ケガ人は出ませんでした)

私が小学校1.2年くらいのはずなので
80年代前半まではよくあるパターン
だったのでしょう。

これも70年代にお約束ができる
→80年代前半にすたれる
→80年代後半に忘れられるORリニューアル
説でいいのかな。

例外として。90年代の小学○年生で
やはり上原きみこのバレエ漫画で見かけて
懐かしい気持ちになりました。

でも傷が小さく、靴や靴下で隠れてしまうので
三者が気づきにくいこと、

被害者も周囲に訴えづらいことなどを考えると、
相当に陰湿な悪意ですよねこれ……。

 

昭和の漫画表現あるある1 「美形を見るとヨダレを手の甲で拭く」

先日王様のブランチで女性芸人がイケメンのCMに
ヨダレを手の甲で拭く仕草をしていて、

昭和の漫画表現だ……と思いました。

『イブの息子たち』(75年連載開始)では
美形を見ると「う…うるわし~!」と叫んだり、
ヨダレを手の甲で拭く仕草がありましたが

現実にやってるところを見たのは、
その女性芸人が初めてです。

あさぎり夕短編『ちょっぴり危険なラブ講座
part2』(80年前後のはず)
でも美形を前に目をハートマークにして
「う…うるわし~!」と言ってました。

同作者の『あいつがHERO!』(81年連載開始)
でもヒロインの若菜が気になっている一人(かずと)さんの
シャワーシーンを目撃→
「どうしよう、合わせる顔がないよ」
親友柴ちゃんに相談→

「一人さんのヌードか、たまんねぇな」と
ヨダレを手の甲で拭き
まるで話にならないという場面があります。

つまり70年代後半~80年代前半までは、
『イケメンを前にヨダレを手の甲で拭く表現』が漫画では
お約束だったのでしょう。
(時に「う……うるわし~!」の台詞つきで)

個人的な見解ですが
70年代に「お約束」完成
→80年代前半にすたれる

→80年代後半に
完全に忘れられる OR
ギャグ表現として使われるなど
リニューアルされる

という説を提唱しつつ、今後
幾つか例を挙げてみます。

『聖闘士星矢』廬山の瀑布を望む(李白)

これも漫画に登場する詩ですね。

コミックス2巻、昇龍覇の威力を伝えるための回想
シーンで、老師が口にしています。

アニメ版には出ていません。

後に紫龍と共に扉絵にも載っていますね。

「飛流 直下 三千尺
疑うらくは これ 銀河の九天より落つるかと」

子供には意味が分からなくても「三千尺」の
スケールや、
大瀑布を逆流させるという威力、

中国の雄大な自然や、龍の神秘的イメージとが
合わさって実に美しく、かつド迫力を読者に
与えています。

このハッタリのきいた演出力、
技の解説のために漢詩をひもとく文学性、
素晴らしいの一言につきる!!!

でも話が進むと、流星拳やダイヤモンドダスト
同様、

「とりあえず挨拶代わりに撃っては
止められたり返されたり」の


前座扱いの技になっちゃうのが
ちょっと寂しい。

バトルもののお約束ではありますが……。