昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

坂本眞一『イノサン』

イノサン(13~)はフランスに実在した
処刑人一族、サンソン家の歴史と家族模様を
18世紀フランス史を交えながら描いた
作品です。
主人公は4代目のシャルル-アンリ・
サンソン。

緻密で耽美な絵柄で、ルイ15世~
革命期までが描かれます。

※斬首や解剖シーンなどグロい描写が
多いので、苦手な人はご注意ください。

原作は安達正勝「死刑執行人サンソン」

物語はシャルルの少年時代から始まります。
処刑人の息子というだけで人々から忌み嫌われ、
パリの学校のどこにも受け入れ先がありません。

ムッシュー・ド・パリ」の称号を持ち、
貧しい人々を無料で診察するなど施しもするのに
サンソン家は常に死神と蔑まれていました。

そんなサンソン家を支配していたのは
厳しいアンヌ-マルトお祖母様。

「私は我が息子バチストに7歳の時から
生皮を剥がせていましたよ」

 しかし優しい家庭教師(病で顔が醜く崩れた神父)の
教えを受けたシャルルはナイーブで理想化肌。

処刑人になんかなりたくないと言って
父親から躾け(拷問)を受けます。

死ぬギリギリで引き戻され、父親の愛を感じた
シャルルは処刑人となることを決意しますが

はじめての友達はシャルルが自我を通した
ことが原因で処刑され、

貧しさから足を悪くした子供を救い
その父親に深く同情した矢先に

父親は国王ルイ15世暗殺を試みて失敗。
見せしめの残酷刑、車裂きを
シャルルが行うことに……。

4巻の処刑シーンは色んな意味で圧巻です。

表現としても凄まじいばかりの
美しさと迫力。

叔父のニコラが途中で心折れ、
シャルルが早く楽にしてやろうとしても
アクシデントが続く中、妹マリーが助け船を出します。

祖母から女が余計な口出しをしたと
サンソン家の紋章を胸に烙印されますが
髪に仕込んだ針で逆襲。

サンソン家の新しい時代の始まりを告げる
重要エピソードでしたが……。

続きはまた後日。

7巻と9巻のミュージカル演出には
度肝を抜かれました。

後日まさか本当にミュージカル化
するなんて……。

イノサン 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

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盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』その4

祝!14巻発売!!

今巻収録の167死でも言われてるように

「吸血鬼と人間がわちゃわちゃと
仲良し」なのがとても楽しい作品です。

※ほっこりさせておいて
オチがつくのがお約束。

熱烈キッス、Y談おじさん、武々男(ぶぶお)
ヨモツザカ所長など
トラブルメーカーなキャラも多いのに
受け入れられてるのがいい。

今巻は吸血鬼熱烈キッスが大活躍。

昼間は会社員しながら
副業持ちとは勤勉だなぁ……。

「構わん 私くらいの美女は
一周してエロさが分かりづらい
ものだからな」

「名乗る必要もあるまい
この美貌を忘れられるか?」

何がすごいって間違ったオバQみたいな
外見の奴がコレ言ってるんですよ?

ポジティブすぎて男前に思えてきた……。

10巻で意外と若いことが判明したり
謎の多いナマモノです。

自分のシュミの世界のみに生きてる奴らもいるけど、
店を経営してたり会社員や市役所勤務だったりと
吸血鬼も色々ですね。

犬仮面ヨモツザカ所長も出番多め。

吸血鬼を収容する研究所の所長なのに
変な実験やっては騒動を起こす
マッドサイエンティスト

でも犬は純粋に好きらしい。

出番は少なくてもオチ担当だったり
今巻も地味に活躍してます。

仮面の下の素顔が見てみたい……。

普段の一人称が「俺様」なのに
素だと「僕」なのがなんか萌えました。

172死の吸血鬼パジャマ・パーティの
能力で、皆のパジャマ姿が見れる回が
個人的に好きです。

半田くんのパジャマ、桃マークついてる……。
あと髪下してるの新鮮。

マリアが普通に可愛いパジャマとか
ショットが裸なのにゼンラニウムが上半身
パジャマ着ている……だと……!!

ラルクのパジャマ姿に
「おまえは普段そんな邪悪な妖精みたいな
服で寝てんのか」はツボでした。

相変わらずの秀逸なツッコミが素敵。

168死で見栄を張っては墓穴を掘る
ドラウス父様を見てたら
昔からおちょくってたらしいY談おじさんの
気持ちがよくわかりました……。

あとこの巻最大の衝撃

キックボードのガキ、初敗北!!

続きはまた後日。

吸血鬼すぐ死ぬ(14) (少年チャンピオン・コミックス)

吸血鬼すぐ死ぬ(14) (少年チャンピオン・コミックス)

 

 

 

西修『魔入りました!入間くん』その10

祝!本日14巻発売!!

入間くんがいっぱいの可愛い表紙が目印です!

この巻から収穫祭二日目。
(以下ネタバレにご注意ください)

アズ&サブロックコンビは
ドロドロ兄弟を負かして和解するも
再びの宣戦布告。

ただし今度は和気藹々としてます。

サブノックくんはまだ疑似悪周期を残してるけど
後日使うことになるのかな?

そしてどんなタイプの悪周期が……?

入間&リードコンビはケロリ&カムイと合流。

一発逆転が狙えるアイテム、
「伝説の(レジェンド)リーフ」の情報を得ます。

バチコの無茶振りが役に立った……!

ずっと女王然とクールにしてた分、
ケロリのはしゃぐ姿が微笑ましいですね。

アメリ会長&生徒会も救護班に参加!

可愛くて頼りになって、過去や現状の
解説までしてくれる万能の萌えキャラです。

ジャズがオロバスの幻覚攻撃で失格!!

とはいえ位階(ランク)3だから今回ダメでも
まだ昇級のチャンスはあります。

シュナイダーは何で一緒にリタイアテント
ラーメン食べてるの……?

入間くん、他のクラスの「口なしナフラ」を
助けてなつかれる。

悪臭を放ってるのも、謎言語を喋るのも
何かの伏線なのかな?

フードの下の姿は?そして性別は……?

魔神トートーの条件をクリアし
入間くん「伝説のリーフの種」ゲット!!

詳しくは言いませんが、アレそんなに
超展開ストーリーだったのか!

そして魔神なのに携帯電話持ってるトートーさん……。

入間くんにもオロバスの幻覚攻撃!!

崖下に落ちた時、お供のオチョは喜んでましたが
オロバスは別にいい気味だとか度を超えた
悪意は感じませんでしたね。

ナフラを放置したのも、彼(?)なら
入間くんを助けに行くと判断したのでは?

入間くんが初めて弱音を吐くシーン、
今まで言えなかった本音が口に出せるのは
成長ですよね。

回想シーンで入間くんにつき合って
疲れ果てて寝転がってる
バチコの笑顔が実にいい……。

次巻から入間くん反撃のターン!!
楽しみです!!

 試験回に続いてエイコちゃんの
有能度が上がっていく……。

魔入りました!入間くん(14) (少年チャンピオン・コミックス)

魔入りました!入間くん(14) (少年チャンピオン・コミックス)

  • 作者:西修
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2019/12/06
  • メディア: コミック
 

(小ネタ)80年代主人公は大人に逆らう風潮

80年代は「権威や権力にはとりあえず
逆らうもの」という風潮が強かったためか
主人公もそういうものに対して反発します。

特に80年代後半の作品。

番長や不良が80年代前半で影を潜めたかと思えば
普通の立場のキャラが反骨心旺盛になりました。

ダンクーガの忍以下、獣戦機隊メンバーは
士官学校出身なのに命令違反は日常茶飯事。

地球が危機的状況にあるのに、
ビンタや営倉入りで済ませてくれる
イゴール長官は優しい……。

ミスター味っ子ではカツ丼を褒めてくれた
老人が料理界の権威、味皇と知った時の
陽一の反応は

「ふーん くーだらない!!」

味皇様なんて関係ないよ!!」

後で布団の中でひそかに喜んでるのが
可愛いところです。

ガンダムZZジュドーは故郷のコロニーが
貧しくて生活にかかる料金が値上がりしたため
両親の仕送りだけでは足りず、子供たちだけで
ジャンク屋で稼いでたので

「だから大人は……!」

反発心や、虚勢を張りたい
気持ちがあるのは理解できます。

美味しんぼ山岡士郎も反骨精神
旺盛な男として描かれていました。

そのわりには大会社のサラリーマンだとか
そんなツッコミはしない方向で。

「嘘つきな大人」と「純粋な若者」の
対立軸があった時代だからこそ

ぼくらの七日間戦争もヒットしたのでしょう。
(原作小説は85年、劇場版一作目が88年)

劇場アニメの予告で
「大人は嘘つきだ!」と叫んでるのが
何か懐かしい……。(遠い目)

当時は大人(親、学校教師など)が子供に
暴力を振るうのは当たり前でした。

昭和の子供たちは大した理由でもなく
拳骨やビンタをくらったものです。

現在は体罰には厳しくなってますし、不景気が
続いて(大人って大変だな……)と感じる
話題には事欠きません。

銀の匙での八軒くんと大川さんの

(気は合わなくても親からは)

「知恵と金は頂こう!」(意訳)

発言がすごく今時の子らしくていいですね。

拒絶や罵倒より、そっちの方が
お互いにとって幸せじゃないかな……。

『超獣機神ダンクーガ』その2

11月2日が亮の誕生日だからとメイン回を
見直そうとして、何故か一話から見ていた……。

前回は大雑把にあらすじを説明しただけなので
折角だから順を追ってじっくり語ります。

第一話でムゲ・ゾルバドス帝国の
侵攻により地球軍が壊滅。

地球軍本拠地はオーストラリア。

シャピロはかつて「宇宙に目を向けるべき」と
進言していたので予想はしていたよう。

(そして受け入れられなかったことを根に持ってる)

隣の施設である地球軍士官学校も狙われ、
校長は訓練生たちを立ち向かわせます。

このエピソードは

・訓練生たちがなす術なく撃墜される中、
忍だけが敵を撃ち落とし、味方の指揮を上げる。

(ただし普段から無茶な乗り方をするため
整備が間に合わず、遅れて登場)

・混乱に紛れてシャピロと沙羅が
敵側に投降しようとする。

・忍がそれを見つけて沙羅の機体を撃墜する。
(敵前逃亡が発覚したら重罪になるから)

と、忍・沙羅・シャピロのキャラと関係性を
見せるためにあるので、今更ツッコむのも
野暮なのですが

正規軍を壊滅させた未知の敵の前に
ひよっこの訓練兵を出すって
的になれって言ってるようなもんじゃないか……。

あと序盤の忍VSシャピロはあっさりシャピロの勝ち。
ケンカっ早いわりに弱い……。

ぶん投げられて沙羅に「いい気味」とか言われてるし。

シャピロは沙羅が撃墜されたことに気づかず
捕虜になった先で「何故ついてこなかった」
と呟いています。

まだビストールが名前がなくて参謀Aに
なってますね。

第二話ではイーグルファイター登場。

一話見ても思ったけど

カニックには優しくしよう!!

忍の無鉄砲さと度胸の良さを現すために
無茶な乗り方や着地をするのはいい。

でもメカニックを危ない目に遭わせちゃだめ!

イゴール長官と葉月博士はその件で
小一時間説教するべき。

この時代は「権威や権力には反発するもの」という
考え方が強かったため、忍にしても沙羅にしても
上官に対する態度がすごくアレです。

きみら士官学校出だよね……?

続きはまたそのうちに。

超獣機神ダンクーガ Blu-ray BOX(初回限定版)

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秋乃茉莉『PetShop of Horros』

『PetShop of Horros』(ペットショプ
オブ ホラーズ 95~)
現代アメリカの大都市のチャイナタウンにある
謎のペットショップを舞台にした
ホラーテイストのある一話完結の
ファンタジー漫画です。

99年に深夜番組「ワンダフル」内で
アニメ化しました。
『すごいよ!マサルさんと同じ枠というと
何か不思議……。

一言で説明すると
「笑うせぇるすまん・ペットショップ編」

人の心のスキマを埋めるペットを美形の
店主「D伯爵」(カウント・ディー)が
売ってくれます。

特別な客(その回の重要ゲストキャラ)には
何故か人間の姿に見えますが、他者からは
普通の動物にしか見えません。

契約を守っている間は幸せに過ごせても
破ってしまうと破滅が……。

D伯爵はいつもチャイナ服で、にこやかな
微笑みを浮かべるミステリアスな美青年です。

彼は留守番で、本当の店主=爵位を持ってる祖父
(若い頃の写真がそっくり)は旅行中って
絶対同一人物だと思ってました……。

甘いものが大好物で、捜査に来た刑事を
お菓子に釣られて通す人間味があるかと
思えば、

契約違反で悲惨な目に遭った客を
冷たく突き放す非情さも持っています。

アニメの関俊彦さんの妖しいD伯爵、
最高でした!

扱う動物は極楽鳥、バシリスク
人魚、饕餮(とうてつ)、麒麟から
犬やネコ、ウサギまで何でも。

愛情が毒となって死に至るなど
皮肉なオチのエピソードもありますが
健気な犬の話にはよく泣かされました。

第二話から登場する若き熱血刑事
レオン・オルコットとはボケとツッコミ、
価値観の違いが対照的ないいキャラでした。

(事件の解説や結末を説明する役割もある)

彼の弟、クリスも重要キャラです。

D伯爵が夜の博物館で地球の記憶と触れ合う際に
レオンが乱入して台無しにしたエピソードは

(人間のエゴが地球を滅ぼすという)
環境問題が重要視された90年代の作品らしいですね。

少女漫画的な繊細なタッチで描かれる、時に残酷、
時に優しい、美しい夢の世界をお楽しみください。

Petshop of Horrors 1 (ミッシィ)

Petshop of Horrors 1 (ミッシィ)

 

荒川弘『百姓貴族』

百姓貴族(06~)は『銀の匙』や
鋼の錬金術師』でおなじみ、荒川弘さんの
コメディタッチなエッセイマンガです。

一言でいうと
「農家は大変だ」

荒川作品の読者なら作者が農家出身なこと、
自画像がホルスタインなのはご存知だと思います。

この漫画でも作者と実家のご家族は牛で、
人間として描かれる担当の女性イシイさんとの
ボケとツッコミのやり取りから始まります。

(旦那さんとお子さんは人間キャラ)

考えさせられるシビアな内容もあれば、

ジャガイモ畑からポテトチップスの袋が
掘り出されて皆で食べたとか冗談のような話も。

※キツネの仕業らしい。

テラフォーミング済みの火星で農業やったらどうなる?
北海道がソ連領になっていたら?個人宅で牛を飼ったら?など
仮定の話も興味深いです。

最強キャラは荒川父で、言動も育児も
失敗も何もかもが豪快。

そんな親父様が機械の操作をミスって
堆肥を幼い牛先生に頭からぶっかけてしまい

怒りたくても口が開けられない娘牛を前に
「……ごめん」がちょっと萌えました。

親父様が死にかけるたびに牛が身代わりになるとは
一体どんなシステム……?

 動物ネタも多いですが、可愛いだけでは
すまさないのが農家視点です。

どんな状況下でも牛同士のいじめは発生するんだ……。

シカをうっかり車で轢いて、解体された足だけ
もらう話は銀の匙にもありましたね。

一日中重労働してるのに、部活や卓球は
別腹とかも。

荒川作品の根底にある、タフで前向きで
健全な思想を育んだルーツがよくわかる漫画です。

個人的には妄想オチ話の、ふれあい牧場で
一般客に混じって牛先生が搾乳して
あっという間に空にしてしまう→

牧場の人「きっ……貴様 プロ農民だな!!!」

「家畜とヌルいふれあいをしていれば
私はまたあらわれるぞ!! ははははは!!」

(高笑いしながらヘリで去る仮面のプロ農民牛)

これと2巻で機械に巻き込まれまいと踏ん張った人が
服だけ持っていかれて、下半身マッパで仁王立ちのオチは
何度読んでも笑えます。大好き。

百姓貴族 (6) 通常版 (ウィングス・コミックス)

百姓貴族 (6) 通常版 (ウィングス・コミックス)