昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

山田芳裕『へうげもの』その2

へうげものには魅力的なキャラが沢山。

いずれも歴史に名を残す武将や芸術家たち
なので、そのまま書いても面白いネタに
濃厚なアレンジが加わっています。

厳しい時は恐ろしいけど、華やかで
スケールの大きなカリスマの信長。

安土城天守閣内のあまりの豪華さに驚く織部
「その顔が見たかった」と言ったり
無邪気に大笑いしたりと憎めない人です。

譲れない自分の美を持つ者同士、織部とは
通じ合うところがありました。

この作品ではむしろ信長より秀吉の方が
冷血で、本能寺の変は秀吉主犯説が
取られています。

秀吉が事前に明智光秀をそそのかした上で
毛利攻めを弟・秀長に任せて抜け出し、
信長を自ら討ったことになっています。

明智軍が来た時には信長は死んでいる)

この時の秀吉と信長とのやり取り、
あえてここでは書きませんが
ぜひ見てほしい!!!

(『ドリフターズ』読んでる人は、
アレの元ネタこれかーー!!となります)

あと織田長益は誰か殴っといて!!

後に秀吉が織部の前で真相を吐露し、
はじめて泣くシーンがまた素晴らしい……。

家康は正しいことに拘り、贅沢を嫌う
堅物として描かれます。

しかし母性に溢れた北政所
一目惚れしてしまい、そこを織部
つけ込まれて借金に応じたことも。

礼状と共にハートマークの中に「北」の一文字を
入れた焼き物を織部に送られ

血税をこんなことに使って民に申し訳ないと
内心謝ってるシーンが好きです。

家康にしても息子・秀忠や石田三成など
生真面目すぎて冷たい印象の堅物たちも

人間くさいエピソードで一気に
好きになってしまう瞬間が来ます。

また悲劇のヒロインとして描かれがちな
お市の方細川ガラシャ

お市の方は自らの計算で柴田勝家につき、
ガラシャは銃を取って石田方と戦って散るなど
この作品の女性たちは皆勇ましくしたたかです。

 

細川と言えば細川藤孝が、子孫である
細川元総理の顔そのままなのはちょっと笑った。

作者と元総理が対談したこともありましたね……。

まだまだ語り足りないので続きは後日。

へうげもの(2) (モーニングコミックス)

へうげもの(2) (モーニングコミックス)

 

 

乙

 

 

 

 

山田芳裕『へうげもの』その1

へうげもの(05~)は戦国~
江戸初期に実在した武将で、芸術家でも
あった古田織部を主人公とする
コミカルな語り口の歴史漫画です。

11年にはアニメ化しました。

芸術家と書きましたが、正確には
この時代では「数寄者」(すきもの)です。

序盤はまだ「古田左介」と名乗っており、
織田信長に使い番として仕えていました。

織部の官名を貰うのはだいぶ後ですが、
ここでは織部で統一します)

第一話で松永久秀への交渉を命じられ、
「平グモの茶釜を俺に渡せば
裏切りを許す」という信長のメッセージを
伝えるため松永に面会します。

そんな大事な場で、平グモを目にした
感動で涙ぐんでしまい、

「聞け きさまぁ!!!」と
松永久秀に怒鳴られる有様。

結局史実通り平グモを抱き、松永久秀
壮絶な爆死を遂げるのですが

飛んできた平グモのフタを懸命に
ダイビングキャッチして手を大やけど、
信長に爆笑されます。

(その後、フタはもらった)

武将として真面目に働く気は
ちゃんとあるのですが
好みの芸術品を前にすると数寄者としての
業を捨てきれず、日々葛藤しています。

(欲しいのはただ武功のみ……)と
心に誓った数ページ後に、

敵将・荒木村重を彼の抱えていた名品一つと
引き換えに逃がしてしまったり。

村重もまた強烈なキャラではありましたが……。

「ゲヒヒヒヒ」という笑い声の主人公も珍しく

秀吉の茶杓を偽物とすり替えたり
徳川家から皿をちょろまかすなど
俗っぽい一面もあれば

 「数寄で天下を取る」と己の美学を
どこまでも追及したりと
芸術家としての一面もあり、

主君や友への情や愛妻・おせんとの
微笑ましい夫婦愛を見せる
多面的で人間くさい人物です。

 比喩表現も独特で
「こ……このゴバアッとした強大さ……
まるで海に浮かぶ竜宮城ではないか……」

千利休の狭い茶室に無限の宇宙のイメージを見るなど

「芸術に感動する」のはマンガでは結構難しい
表現だと思いますが、織部視点で
わかりやすく解説してくれる作品でもあります。

続きます。

へうげもの(1) (モーニングコミックス)

へうげもの(1) (モーニングコミックス)

 

 

『仮面ライダーアマゾンズ』その2

アマゾンが人肉を喰らうのは「覚醒後」で

悠や仁、マモルを含めた覚醒前のアマゾンたちは
スーパーで売ってるような普通の肉や卵を食べて
蛋白質を摂っていました。(それでも可)

仁さんが殻ごとゆで卵を貪り食うシーン、
実にワイルドです……。

しかしマモルが知らずに人肉を口にしてしまい
今まで愛好していたハンバーガーを「おいしくない」と
言うようになります。

遂に駆除班メンバーの三崎を襲ってしまい、
仲間ではいられなくなってしまうのでした……。

シーズン1クライマックス「トラロック作戦」の
際、アマゾンにのみ有効の毒ガスが撒かれ
大半のアマゾンたちが死亡します。

苦しまぎれに暴れるアマゾンたちを前に
仁さんが現れ、共にガスを浴びてしまいます。

この時の言い回しと表情は本当に必見!!

「お前ら作るの大変だったんだよな。
だからさ……可愛いんだよ、ほんとだぞ」

「悪いな。そのかわり……俺が責任持って
地獄へ案内してやる」

お茶目でワイルドで憎めない、可愛いのと同時に
狂気をはらむのが仁さんの素敵なところ。

演じてる谷口賢志さんは超イケメンなのに
笑顔が怖いと思うようになってしまった……。

数が激減したものの、生き残った覚醒前のアマゾンたちは
マモルと悠に率いられ、去っていきます。

ボロボロになってなお、殺る気満々の仁さんに
追われながら……。

マモルに向かって、駆除班が仲間の証を掲げる
シーンは実に泣かせます。

自分の片腕を喰われても、常にマモルを
気に掛ける三崎くんは聖人の域です。

大雑把に解説すると
やっぱり省略してしまいますね
アマゾンシグマって……
(第一シーズン総集編 劇場版『覚醒』を観ながら)

死体にアマゾン細胞を植えつけた「シグマ
シリーズ」が本格的に物語に絡むのは
3年後の設定のシーズン2からです。

新たな主人公、千翼(ちひろ)の失われた
記憶と恋の行方は?

マモル、仁さん、悠、駆除班、七羽たち皆が
善意と愛情を尽くして迎える結末は……

(脚本の)小林靖子にゃんの血は何色なの?

 

 

 

(小ネタ)ボイン→巨乳→爆乳

平成元年作品の『巨乳ハンター』では
カップ=巨乳でしたが

昭和の頃はCカップあればボイン、
グラマーと呼ばれていたものです。

今やEやFのグラドルも珍しくなく
「爆乳」なんて言葉も出てきました。

現実の女性たちが食生活の変化で
発育が良くなったとか
事情はいろいろあると思いますが

何にせよマンガにおいても、胸に関する
表現や感覚は変わっていくということです。

昭和の頃は、胸が小さければ「ナインペタン」

大きければ「ボイン」で両方ともマンガの中では
からかわれる対象でした。

下着は取られるもの、挨拶がわりに乳や尻を触られる、
のぞきは当たり前と言うとすごく無法地帯のようだ……。

今ならセクハラだと物議を醸しそうですが
シリアスやアクションの合間のギャグ、つまり
緩急の「緩」の役割を果たしてもいたのです。

しかしPTAやフェミ団体にそんな理屈は通用せず

 どんなイタズラをされても「いや~ん
まいっちんぐ♪」ですませるまいっちんぐ
マチコ先生』(80~)は相当攻撃されたようです。

なお『マチコ先生』がだいぶ後に実写化した際、
バストサイズが84→94になってたことに
時代の流れを感じました。

日本で胸の大きさがどうこう言われるように
なったのは、やはり戦後、皆が着物から
体型のはっきり出る洋服にかわったからでしょう。

70年代後半にアグネス・ラムのビキニの
グラビアが話題になるなど
女性が肌を露出する機会も増えました。

そう思うと胸へのこだわりも
以前書いたパンティ幻想同様、
つい最近できたエロスということになります。

昭和の頃から大きな胸こそ素晴らしいという
風潮で、

平成(90年代)に入ると頬や目など一部分を強調する
濃い目の画風が流行り、胸も強調されて
巨乳の女性キャラが増えます。

それを逆手に取って

「貧乳はステータスだ 希少価値だ」
誇ったのがらきすた(04~)でした。

令和ではどういう表現や扱いになるんでしょうね。

ところで乳のことをずっと考えていたせいか、
「チチをもげ!」の脳内再生が止まらなくなった……。

チチをもげ!~モアもげバージョン~

チチをもげ!~モアもげバージョン~

 

 

安永航一郎『巨乳ハンター』

『巨乳ハンター』(89~)は貧乳女子高生・
恭塚まさ子が巨乳の魚拓ならぬパイ拓を
求め、日夜仮面をつけて奮闘する
ギャグ漫画です。

90年に実写ビデオ化されました。

念のため言っておきますが、この当時
セクハラの概念はありません。

序盤、まさ子は片思いの相手・坂東くんに
告白した際「胸の小さい女の人は
キライなんだ!!」とフラれます。

(可愛くて頭もいい、スポーツも料理も
針仕事もできると一応フォローはしている)

気が収まらないまさ子は胸に中華まんを詰め、
仮面の女・巨乳ハンターになります。

「ひゅーほほほほ」と高笑いしながら
巨乳の女性を襲っては

「その乳を武器に男子生徒をたぶらかしたら
パイ拓を晒してやる」と脅すのでした。

(デジカメやケータイのカメラが
普及前なのでパイ拓だったのかも)

しかし話が進むうちに坂東くんの出番はなくなり
単なるコレクターに……。

貧乳はバカにされるのが当たり前で、
男の保険医が女生徒の「巨乳リスト」を
持ってたりと今なら完全にアウトな話です。

しかし女性側も大人しく襲われるばかりでなく、

「ミーはユーをたおすタメに来日した女!!
バストエンペラー!!」

とパイ拓を取る紙に入らない巨乳を
自らほり出してきたり、

「私より乳のでかい女は
この宇宙に存在してはいけないのよ!」

と、巨乳超音波砲(バストガン)を持つ
宇宙巨乳巨ブラ、

巨大な乳は正義のしるし「黄金バスト」だの

迎え撃つ側も奇人変人だらけ。

巨乳の表現で「ぷりんっ」「ぷるん」は
よくある擬音ですが、

「どどどどぷり~んっ」て書かれると
迫力あるな……※ただし色気はない。

本来、安永航一郎マンガで高笑いしながら
奇行に及ぶのは、すね毛むき出しのおっさんですが
本作品では巨乳美女なのが特徴です。

大真面目に馬鹿馬鹿しいギャグ&
とぼけたボケツッコミがたまらない名作です。

サブタイトルの「ボインはV」「大霊パイ」などの
パロディのセンスも大好き。

単行本が1巻2巻でなく
「右乳」「左乳」なのは唯一無二でしょうね。

巨乳ハンター 右乳編

巨乳ハンター 右乳編

 

 

巨乳ハンター 左乳編

巨乳ハンター 左乳編

 

 

 

蛇蔵『決してマネしないでください』

『決してマネしないでください』(14~)
理系の大学生・掛田くんが学食のおばさん
(と言っても少し年上くらい)飯島さんに
告白してフラれたのをきっかけに

再チャレンジすべく、ゼミの教授・高科先生と
仲間たちと共に飯島さんを誘って科学実験を
繰り広げる理系雑学ラブコメです。

「何故スタントマンは
炎にまかれても平気なのか?」

「安い食材を高級な風味にするには?」

など、理系に興味がなくても気になるネタが
実験とボケツッコミで繰り広げられます。

飯島さんは学生ではないので、基本的な理系知識がなく
彼女に教えるために解説もわかりやすくなります。

飯島さん「酸素が燃える素(もと)……
なのになんで酸素って言うんです?」
「酸の素でもあるんですか?」

「物理学ってなんですか?」

かなり初歩的な、しかし鋭い角度から
質問を繰り出してくる飯島さん。

優しくてちょっと天然な可愛らしい女性で
掛田くんの気持ちも分かります。

掛田くんは理系らしく(?)全てを理屈や
数式で図ろうとして、飯島さん相手には
うまくいかずに悩みが尽きません。

なお最初の告白は
「僕と貴女の収束性と総和可能性を
iで解析しませんか?」

伝わるかー!!!

他にも歴史に名を残す科学者たちのエピソード
なども紹介されます。

キュリー夫人が意外と肉食系とか
心の狭すぎるニュートンとか

バイタリティのある奇人変人こそが
歴史を動かしてきたんだなぁと
妙に納得できます。

コミカルなノリで大量の理系知識を
披露しつつの軽妙なやり取りは
天地創造デザイン部』に近いです。

(原作者が蛇蔵さんなので
当然ですが)

掛田くんと飯島さんの恋を後押しする風変りな
キャラたちも優しくてほっこりします。

なお「物理学って何ですか?」の掛田くんの
返答は

「物理学は 自然がどんなルールで
できているのか 
数学を使って解き明かす学問です」

「考えるだけで宇宙の果てまで行ける
それが物理学です」

……学生時代に読んでたら、もう少し
楽しく勉強できたかも……(遠い目)

決してマネしないでください。(1) (モーニング KC)

決してマネしないでください。(1) (モーニング KC)

 

 

『東映まんがまつり』の思い出 その2

89年『東映まんがまつり』(春)

・『おそ松くん』
・『ひみつのアッコちゃん
・『高速戦隊ターボレンジャー

そして聖闘士星矢 最終聖戦の戦士たち』

『星矢』の敵でキリスト教関連が出たのはこれが初です。

序盤からいきなり倒されるムウ・アルデバラン
アイオリア・シャカ……。

首を折られたアテナ像の下で泣き崩れる沙織さんと
傍にいる星矢・瞬・氷河の前に
ラスボスのルシファー率いる聖魔天使たちが現れる。

(聖魔天使って響きがなんかビックリマンっぽい)

彼を長い眠りから目覚めさせたのは地獄に落ちた
エリス・アベル・ポセイドンの小宇宙だった……。

ルシファーはエリスたちが世界を破壊するのを
押さえてやるから、自分が復活する生贄になれと命令。

復活しかけてる今でも厄介なのに、完全復活したら
もっとヤバいだろうとは誰も突っ込まない。

生贄に応じたアテナは、ルシファーの神殿の
階段を苦しみながら登って行く……。

後半部分では茨に取り囲まれて傷だらけになりますが
前半では青い光が取り巻いてるだけで
その間を苦しげに呻きながら歩いていきます。

もしかして茨の作画が間に合わなくて
光でごまかしたのかも……。

ポセイドンの魂はアテナの壺に封印されたのでは?
とかは気にしてはいけない。

戦闘シーンは今回も定番のフォーマットです。

やけに氷河氷河と叫ぶ瞬とか、

瞬のピンチに登場した一輝が敵に圧勝、
瞬に説教して先へ進むも

アテナを苦しめる茨に苦戦して、何故か
他の4人と同じくらいにボロボロになったりします。

いつもなら射手座の聖衣が飛んで来てクライマックスですが

今回は最終聖戦っぽく、12体の黄金聖衣が力を
貸してくれます。

今考えると、後のハーデス編や天界編を
思わせるエピソードでしたね。

ラストで瞬の肩を抱いている一輝が
一瞬ウインクする珍しい場面もあります。
これはスタッフの遊び心だったのかも?

この時の自分に「26年後、松野家の6つ子が
成長して大人気になるよ」って言っても絶対に
信じないだろうな……。