『天は赤い河のほとり』(95~)は
現代日本の女子高生・夕梨が
ある事情から古代ヒッタイトに
飛ばされてしまい、生贄として
命を狙われたり、助けてくれた
皇子と恋に落ちる歴史ロマンです。
略称は「天河」(てんかわ)
「展開の早い『王家の紋章』」と
言われてますが、だいたい合ってる。
・ある事情で古代世界に送られ、
送った人物から命を狙われる。
・王族に助けられ、恋仲になる。
・自分の能力から皆の
尊敬を集め、神もしくは
同等の二つ名がつけられる。
という部分は共通してますが
『王家の紋章』主人公の
キャロルは考古学者志望だった
ので、その知識を存分に活用して
たのに比べ、
夕梨(以下ユーリ表記)は
歴史がキライということで
自分のいる古代世界の情報を
持っていません。
そのかわり身軽で勇ましい。
戦場を馬で引っ掻き回したり
自分を狙う大男に剣で
立ち向かったりと
タフで男前なキャラです。
馬の助けがあったとはいえ
ライオン退治するのは
本当に普通の女子高生か……?
(このシーンはそれほど勇敢な
少女が、他の男のモノにされたと
いう嘘を恋人が信じてしまうかも、と
弱々しく落ち込むギャップを
描くためのものでもある)
機転も効くし「外交感覚が
優れている」とはミタンニの皇子談。
ユーリを呼んだのはヒッタイトの
現皇妃ナキア。
神官でもある彼女は自分の
息子を王位に就けるため、
上の王子を呪い殺す儀式の
生贄にユーリを召喚したのでした。
逃げ回るうちに第三皇子カイルと
出会い、絶体絶命のところを
救われます。
彼の「側室」となって宮で
匿われることになったものの
皇妃は様々な手を使って
ユーリを取り戻そうとします。
「呪いの水」で人を操れるの
チートすぎない……?
カイルの異母弟ザナンザも
操り、危ういところを
(呪いの水を吐き出させて)
正気に戻したら
今度は他国の侵攻に
巻き込まれ……と
展開が早く、ハラハラドキドキが
続くので、目が離せません。
ちなみにタイトルの
「赤い河」はトルコを
今も流れるクズルウルマク川です。
続きはまたそのうちに。