昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

久世番子『パレス・メイヂ』その2

父である先帝が明慈帝
(めいぢてい)=明治だから

次代の帝が彰子=大正
なんでしょうね。

彰子は自分に与えられた
役割を、自分の感情より
優先してしまうため

なかなか本音が
出てきません。

(メタ的に彼女が率直に
言葉や行動に出せば
話が終わってしまう)

だからこそラストで
苗字の「御園」呼びから
変った時は感動に打ち震えます。

作中での大きなエピソード、

来日中の露国王太子
斬りつけ事件、

帝都大震災、

皇族の馬車を狙ったテロなどは
史実が元です。

御園のライバルキャラである
六鹿院宮(ろうおういんのみや)は
口ヒゲが本体特徴のダンディな宮様。

御園・彰子より年上ですが
ヒゲがないと若く見えます。

御園には結構大人げない
こともしますが、非情な
人ではありません。

帝都大震災の際に
屋敷を火事で失った
御園と女中の律を
受け入れてくれます。

(他の焼け出された
一般庶民も)

テロで御園が負傷した時も
役目の方を優先しようとする
御園を叱りつけて治療させます。

体調を崩した彰子の熱が
数日下がらないのに、

医師たちはしきたりだからと
注射の一本すら拒むため
強引に近代医学の医者を呼んだ
こともありました。

(先帝の死因って、適切な治療が
受けられなかったせいなのでは……)

そのため御園とはライバル
関係でありながらも、

彰子を大事に思う同士、友情めいた
ものを感じる時もありました。

(でも油断するとすごく
邪魔してくる)

宮様側の視点だと、皇族の
彼が結婚可能な相手は
かなり限定されてるのに

その条件を満たせる女性が
身近にいて、婚約もしてた
矢先に引き裂かれたわけです。

そんな時に彰子に近づく
青二才がいたら……
そりゃ遠ざけたいでしょうね。

人脈も広い人なので、露国王太子
親王、彰子の英語の家庭教師・
アスター夫人など様々な人と
親交を結んでいます。

あえて誰とは言いませんが
御園を妨害する側にいた人が

御園に絆されていつしか
味方になったりするのも
微笑ましい。

鹿王院宮のその後や
東宮が成長した彼を描いた
スピンオフもありますよ♪

律や御園の友人たち・
城に仕える人々もいい
キャラ揃いなんですよ……。

パレス・メイヂ 7 (花とゆめコミックス)

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