個人的に好きな回でもあり、
35周年記念の傑作選にも
収録された人気エピソード、
12巻55話
「シェリー トライフル」に
ついて語ります。
このお話は知世ちゃんと
ゲストキャラ視点の
二段構成になっています。
冒頭は
(ひとめ見て
わかったわ
ずっとあなたを
探してたの)
熱烈なモノローグから
はじまります。
知世ちゃんが何かを
見かけて衝撃を受け、
エクレアを貰っても
上の空。
知世ちゃんがお菓子を
前にこの態度、
原因は……。
種明かしの前に
今回のゲストキャラの
デバートの女性店員さんが
登場。
同僚の女性と
社食で会話中に
今してる指輪だって
多くの人の手を経て
自分の元に来ていると
例に出して
「モノにも運命が
あるってことなの」
「ちょっと楽しいじゃない
そういう風に考えると」
とは言ったものの
(こんなにたくさんの
モノに囲まれてるのに
私自身は何も作らない
何も生み出さない)
この時点ではそうでも
考えないと虚しくなる、
とも呟いています。
ここで知世ちゃん視点に。
→知世ちゃんが彼女の
務めるデパートの
子供服売り場に来て
アンティークっぽい
ワンピースを見つめる。
店員さんも気付いて
(あなたなら
似合うと思うわ)と
微笑ましく見守ります。
しかし知世ちゃんが
買おうとすると
お父さんの善意で
貯金が定期に……。
お父さんがすり切れた
セーターを着てるのに
気付いた知世ちゃんは
おねだりも断念。
諦めかけた頃……。
ゆりこ(おや
可愛い服じゃない)
叔母のゆりこちゃんが
見かけて取り置きを
頼みます。
思わぬサプライズに
泣くほど嬉しい
知世ちゃん。
店頭から消えていたので
店員さんも驚きます。
本作の読者は社会人の
女性が大半。
このご時世、何かを
作る仕事より
販売や事務など
「何も生まない」
仕事の方が多いでしょう。
そういう人たちを
「宝石を繋ぐ糸の
役割」に例えて
(でも糸がなければ
完成しないのよ
この小さなきらめく
ネックレスは)
このモノローグも
ワンピースを着て
笑顔の知世ちゃんも
何もかもが素敵。
勿論、製造業に関わる
人たちだって自分たちが
「宝石」の役割とは思って
いないでしょうが
大事なのは繋がりが
奇跡を生むって
ことですからね。
せひ読んでほしい回です。
続きはまた後日。