昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

萩尾望都『Marginal(マージナル)』その1

『Marginal』(85~)
荒廃し、男しか生まれなくなり
終焉を迎えつつある地球を舞台に、
ある科学者が生み出した希望の子
「キラ」を巡るSFファンタジー作品。

 ※BLが苦手な人には
おススメしません。

88年、HNK-FMでラジオ
ドラマ化しました。

細野晴臣、福澤もろ作の
印象的な主題歌が忘れられません。

傑作なのは間違いないのに、
情報量が多く、解説が難しい
ので何を書いても

「群盲、象を撫でる」の
気分になる……。

まず前提として当時のSFには
「この世界は誰かの創作物or
実験場」

もしくは「誰かが見ている夢」

という発想をベースにした
作品が結構ありました。

誰か=神が一番メジャーなオチ。

本作も都市部=中世ヨーロッパ、
辺境の砂漠など=中世ペルシャ
っぽい、男だけの「地球」と

それを管理する側の
西暦2999年を生きる
人々という二重構造です。
(人類の大半は月や火星に移住済み)

その二つの世界の境界
=マージナルで
何かが起こる……と考えると
わかりやすいかも。

※境界の他に限界、不毛の地と
言う意味もある。

 大雑把なあらすじは

奇妙なウィルスのせいで地球は男だけになり、
ただ一人の聖母「ホウリ・マザ」が
子供を産んでは人々に与えていた。

しかし年々それも少なくなり、
金を持ってる都市部ばかりが
優先されます。

子供が得られない辺境の村に住む
グリンジャとその仲間たちは
老いたマザ殺しを計画。

マザは死亡したものの、
都市の市長は咄嗟に

「古い肉体を捨てただけ、
やがて新しいマザが降臨する」と
動揺する人々を宥めます。

市長や「メイヤード」と呼ばれる
青年は新たなマザを作るために
人選を開始。

一方、マザを殺したグリンジャ
たちは、自殺する犯人役の
仲間を残して逃亡。

(犯人死亡という形にして
事件の幕引きを図った)

その途上の砂漠で巻毛の美少年
「キラ」が倒れているのを
保護します。

 徒党を組んで騎馬で市場を荒らす
ならず者や、魔よけのお守りなんて
中世風の世界の上空を

「マシーナ」と呼ばれる、明らかに
飛行機が飛んでるギャップがすごい。

続きます。

マージナル(1) (小学館文庫)

マージナル(1) (小学館文庫)