昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

紫堂恭子『東カール・シープホーン村』

『東(エド)カール・シープホーン村』
(01~)は、シープホーン村を
舞台に、主人公の少女メリーアンの
成長を描いた、優しく不思議な
ファンタジー作品です。

同作者の辺境警備と世界観は
リンクしていますが、知らなければ
知らないで楽しめます。

ちなみにあちらは西(ルーマ)
カールが主な舞台。

大雑把なあらすじは

主人公の10歳の少女
マリーアンはある日突然、
縁もゆかりもない田舎の村へ
一人置き去りにされてしまう。

目が覚めると羊や猫などが
人間のように服を着て喋る
不思議な世界が広がっていた。

自分の他にも人間の少年・
エディを見つけて話しかけるが
ヘンなヤツ呼ばわりされた
だけ。

マリーアンの世話をしてくれる
のは、羊のデール夫妻。

二人はマリーアンの両親が
亡くなっていると
知ってはいるものの

詳細がわからないことには
説明もできないと
手紙で問い合わせ中。

そのためマリーアンは
両親の死も知らないまま
迎えを待ち続けます。

甘やかされ、世間知らずの
わがまま娘だったマリーアンは

デール夫妻やエディ、
他の村人たちと関わることで
精神的に成長していきます。

実は「マリーアンには
動物に見えている」だけ。

原因が魔法とかでなく
物理的に説明がつくのが
紫堂さん作品らしい……。

マリーアンが「人間」に
見えている人はエディの
他にもいました。

狩人のヒルランドは
一見、人間ですが実は
オオカミかも?と思い込んだり。

また、彼が狙う白い鹿の
水に映る姿は人間の女性。

(女性はエディやヒルランド
にも見えていて、話もできる)

このお話は辺境警備
にも登場する、千年前の
冥王と英雄の話にも触れており、

冥王に呪いをかけられ、
鹿の姿でさまよい続ける
女性が、遂に呪いから
解放される物語でもあります。

疲れ果て、楽になりたいと
願っていた女性は
マリーアンのために
ある覚悟を決めるのでした。

あちこちのエピソードで
涙腺が緩み、とどめのように
ラストでボロボロ泣きます。

 いい話なんですよ!
もっと世に知られてほしい!!