『うる星やつら』(78年~)の諸星あたるとか、
『有閑倶楽部』(81年~)の美童が女の子を口説きに
行くのを「ガールハントしてくる」と言ってました。
もはやガールハントなんて言葉は
死語になってしまいましたが、
いったいいつの間に「ナンパする」という
言い方に変わったのでしょうか?素朴な疑問。
さかのぼりますが
一条ゆかり『9月のポピィ』(72年)でも
「ガールハント」「ボーイハント」を
使っているので70年代は間違いなく
「ナンパする」という単語は生まれてないでしょう。
そもそも「ナンパ」=「軟派」という
男らしい硬派とは真逆の、女好きで軽薄な奴
というイメージから来たもの。
近藤真彦「真夏の一秒」(83年)に
「ナンパ野郎の RISING 恋なら転がりな」
という歌詞があり、この時点ではまだ
「ナンパする」という動詞にはなっていません。
『超獣機神ダンクーガ』(85年)のメインキャラの一人、
式部雅人の趣味が「ガールハント」と
当時の設定資料集に載っており、
『ここはグリーンウッド』(86年~)では
謎の怪しい女(正体は変装中のアイドル)に声をかけられ
忍が「なんだナンパか」と言ってます。
この辺りでガールハントからナンパに
代わったのかと思いますが
紫堂恭子『辺境警備』(88年~)だと
まだ「ガールハント」を使っています。
ただし90年代には同作品で「ナンパ」と
言ってるので、80年代後半から少しずつ
変化していったのでしょうね。
何故言葉が変わったのか、やはり「ハント」という
単語が何か引っかかったのでしょうか?
どこかのマンガやドラマなどで「ナンパする」を
使い始めて、皆がそれに乗った?
単語ひとつで、そのマンガの描かれた時代が
わかるのはなかなか興味深いです。
ちなみに「ガールハント」時代の方が、
男女ともに恋愛に積極的だった印象ですが
それはまた後程。