昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

桑田乃梨子『卓球戦隊ぴんぽん5(ファイブ)』

 『卓球戦隊ぴんぽん5』(92~)
高校卓球界の制覇を目指す、卓球大好き
少年の紅裕次郎(くれない ゆうじろう)と
その仲間たちが繰り広げる、ゆるく
コミカルな部活ものです。

壮大な夢を抱いて裕次郎が入った高校は
卓球部がなかったので、まずは部員の
勧誘からはじめるお粗末さ……。

集まったメンバーは
中学で県大会優勝の実績を持つ
石黒諒平。

実力はあるが反則大好きな
山吹真理。

無口無表情で大柄、初心者だが
パワーはある水野蒼一。

戦隊モチーフの作品だと、
名字や名前に色が入るのが
お約束ですね。

「部」になるには人数が足りないものの
顧問や監督、マネージャーもついた
卓球同好会ですが、問題は山積み。

まず裕次郎が超絶ノーコン。

「先天性卓球センス欠乏症」と
断言されるほど、ボールやラケットが
明後日の方向へ飛びます。

(力み過ぎが原因だったので
後に「試合中に他のことを考える」という
斜め上の方法で乗り切ります)

諒平は勧誘された際に裕次郎
腹を立てていて、裏切る気でいる。

それでも親身に面倒を見ちゃう
律儀な性分の諒ちゃんだった……。

蒼一は評判のワルだという噂が。

一見怖いので誤解されてるだけで
本当は優しい人でした。

個性豊かなキャラポンコツ揃いの上に、
ヒロインの白井さんは大の
卓球嫌いという前途多難さ。

しかし何を言われても何があっても

「だからって卓球を
やめられるわけでもないし
よーし、がんばるぞ!」

で済ませる裕次郎のメンタル、
見習いたい……。

白井さんの卓球嫌いの原因は
他校の卓球部員で彼女の幼馴染み、
金髪碧眼のアメリカ人・
アンソニーエヴァグリーン。

白井さんは彼が好きなのに、
アンソニーは下手な卓球に夢中……
という逆恨み。

裕次郎も交えてゆるい三角関係が
描かれたり、

諒ちゃんが同じ中学出身で
マネージャーの鹿内桃子ちゃんと
つきあったりしますが

ブコメがメインでは
ありません。

アンソニーも後に転入してきて
同好会は部活に昇格、
無事「ぴんぽん5」になります。

明るく楽しい作品は
読んでて元気が出ますね……。

卓球戦隊ぴんぽん5(ファイブ) (白泉社文庫)