昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

河惣益巳『サラディナーサ』その2

「主役・重要キャラのスペックは
盛りに盛るもの」というのが
河惣作品の特徴。

主人公のサーラは荒くれ者揃いの
傭兵集団「フロンテーラ」一族を
率いる若き女惣領。

凛々しく誇り高く、激しい性格の美女で
通称が「黄金(きん)のサーラ」

指揮官として、また剣士としても
優れた才能を発揮します。

亡き母からはハプスブルク家の血と
美しい容姿を受け継いでいるという……。

母マリア・ルイーサは
フェリペ2世のいとこで元愛人。
ドン・ファンの初恋の人でもある)

しかしフランス王女を王妃に
迎える際、厄介払いも兼ねて

当時少年だったレオンに
払い下げるように彼女を
与えます。

(子供が生まれれば
フロンテーラごとスペインの
ものにするという算段もあった)

しかしマリア・ルイ―サと
レオンは真実、愛し合うようになり
仲睦まじい姿に嫉妬した
フェリペ2世は……。

結局サーラの父親はどちらかと
いうのは作中では明確にされません。

フェリペ二世の目的が
人一倍家族愛が強いのに
妻や息子や愛する人たちを
次々に失ったため、

娘と思い込んでるサーラに
執着するというのは絶妙な
理由づけだったと思います。

個人的にはレオンが好きなので
レオンが実の父に一票。

黒い眼帯の隻眼の海賊にして
公爵ってカッコよすぎる。

ドン・ファンも王の異母弟で
美形で温和で優れた武人なのに

兄に認めてもらえないどころか
邪険に扱われたり、
挙句に命を狙われる
その薄幸さもまた魅力。

この作品ではフロンテーラと
英国、ネーデルランド
自由に行き来できる存在
でもあり、

ドン・ファンと熱い友情で
結ばれながらもサーラとの
恋のライバルでもある

英国海賊ドレイクの息子、
マシューも超重要なキャラでした。

サーラの伯母・ソラヤ
伯母様はマシュー推し。

ドン・ファンに遠慮がちになる
マシューの背中を押します。

フェリペ2世の愛妾・
エボリの姫や

史実の画家エル・グレコ

ドン・ファンを慕うマウリッツ少年
(後のネーデルランド独立の指導者)

など、どのキャラも魅力的。

 続きはまたそのうちに。