昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

河惣益巳『サラディナーサ』その1

『サラディナーサ』(88~)
16世紀スペインを舞台に
架空の海の傭兵集団を率いる
女惣領・サラディナーサを
主人公にした大河ロマン。

河惣作品特有のまつ毛ビシバシ、
フリルやレースを多用する
古風な絵柄に加え、

スケールの大きさや各エピソードの
ヒキの強さ、豊富な知識と語彙など
何もかもがハマって、実に華やかで
ドラマティック。

全盛期のスペインを支え、
海軍の役割を果たす傭兵団
「フロンテーラ一族」

架空の設定なのに、実在を
信じてしまいそうなリアリティが
素晴らしい。

大雑把なあらすじは

サーラの父・レオンと雇い主
であるスペイン王フェリペ
二世とは折り合いが悪く、
その原因は娘サーラに
あるようだった。

ある時、レオンと共に
レパントの海戦を戦った若き
英雄でフェリペ2世の異母弟、

ドン・ファン・デ・アウストリアが
サーラを見初め、結婚を申し込む。

レオンとサーラはドン・ファン
好意的で、彼女がまだ幼かった
こともあり、仮の婚約者となる。

しかしフェリペ二世は大反対。
ドン・ファンを遠い異国へ
追いやり、レオンにも無理な
命令を強いる。

遂に二人の間は決裂し、
レオンはフェリペ二世によって
命を落とすことに。

それは同時に、ドン・ファン
父の仇の弟=敵となった
ことを意味していた。

サーラは英国女王エリザベス1世と
手を組み、仇を討とうとするが

途中で全面戦争に臆した女王は
サーラをスペインに引き渡してしまう。

フロンテーラ一族とドン・ファン
サーラを救い出せるか……!?

世界史の知識がある人なら
サーラが英国に来た時点で

後の(スペイン艦隊が敗北する)
アルマダ海戦に繋がると予想
しますが、見事に裏切られます。

スペイン、英国だけでなく
ドン・ファンが総督を務めていた
スペイン統治下のネーデルランドなど
様々な国の事情が交錯します。

相当な情報量のある作品なのに、
キャラがオリジナル・実在の人物
共々強烈な個性を放っているのが
素晴らしい。

ドン・ファン萩尾望都
王妃マルゴにも
登場してますね。

あと青池保子『エル・
アルコン ー鷹ー』
同時代です。

 

続きます。