昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

D・キッサン『告別にはまだ早い 遺言執行人リリー』

『告別にはまだ早い』(17~)
は、「魂の遺言執行人」を名乗る
リリーとエーヴの女性二人組が
遺族や友人のもとを訪れ、
故人の「魂の想い」を伝える
少し切ないファンタジーもの。

1話完結、もしくは前後編の
短編構成です。

第一話では、大富豪が正体を隠して
常連客として通っていたカフェの
マスターに遺したものは……。

というエピソードを通じてリリーと
エーヴのキャラと仕事の様子が
描かれます。

突然黒服の女性二人がやって来て
「魂の遺言」を伝えに来たとか

方陣を書いたり呪文を
唱えてからの受理とか
魔法使いっぽい。

※リリーが本当は何者かは
後半ふんわりと明かされます。

受遺者たちは伝えられた言葉を、
あるいは「してほしい」という
要望を通じて、故人の気持ちを
受け取ります。

内容はそれぞれで
「え?そんなこと……?」と
いうものが結構あります。

でも自分が死んだ後、他者に依頼して
伝えようとするほどなのだから

他人がどう思おうと
本人にとっては重要事項です。

受遺者は遺族や友人が多いですが、
ほとんど交流がなかった人も。

想いを受け取った人々が、その後
どう変わっていくかも見所です。

ラストの話は愛が重すぎる……。
というか愛の証明は他のことで
やってくれ!

人の死にまつわる話なので
『轟け!轟高校図書委員会』
千歳ヲチコチの時ほど振り切った
ギャグはありませんが、

この方の持ち味であるほのぼの&
コミカルな要素はちゃんとあります。

オカルト好きのクラブの前に現れ
写真を撮っていいかと尋ねられた時の

「いいけど写らないわよ 私たち」

(試してみて)「マジだー!!」

「フフ……インスタ映えさせないわよ」

がツボでした。

個人的にはこの4・5話が好きです。

彼女たちの身の周りや食事の
世話をする少年「ルシャ」も
可愛い。

(猫と言われてるけど結局
何なのだろう……?)

全二巻。話の性質上、長編には
ならないタイプですがもう少し
読みたかったな……。

自分なら誰に何を遺言とするのか?
考えさせられるお話です。