この作品ではニケは人格が
完成しているので、
リヴィウス1世=通称リビの
成長がメインになります。
幼い頃から何度も命を狙われ、
唯一の心のよりどころの
母を失った天才少年は
(恐ろしい速さと冷徹さで
昼夜を問わず 仕事を
こなしていくだけの“機械”)
(世界を支配している筈なのに
世界に支配されている そう見えた)
※仕えはじめたばかりの頃の
ニールのモノローグ。
そんなリビがニケと出会って
変っていくのが物語の醍醐味です。
とはいえ、スムーズに行かずに
ヤキモキするのも読者の楽しみの一つ。
ニケのことを大国の王妃として
認めないと蔑む連中もいれば、
ニケないし、リビの暗殺を
目論む敵勢力、
ニケに魅かれたり、彼女の能力を
利用しようと攫う勢力……。
また少女漫画らしく、積極的に
迫る第三者の登場など
二人の試練エピソードは様々。
この物語だと一見曲者のように
振る舞うキャラの方が実は善人で
無害っぽい感じに出て来る方が
厄介な奴が多い気がします。
(バルドとかフォルティス公とか、
砂の皇国の皇弟とか……)
宰相 バルド登場のエピソードでは、
ニケに迫る年上の男、という
ラブコメ展開と思いきや
リビの危うい一面と過去、
亡き母シーラを起点に結ばれていた
二人の関係性が描かれました。
序盤は物理的にも精神的にも
ニケがリビを救うことが
多かったのですが、
中盤からはリビがニケを
救う側になっていきます。
死の淵にあるニケを救うため、
カッサンドラの試練を受ける
リビのエピソード大好きです。
(ニケ お前は俺にとって窓だ
暗い部屋から明るい世界を
見せてくれた)
ここから「ただ見ていただけだった」
と受身であったことを認めた上で
(行きたい 同じ世界に
体中で感じて 生きてみたい)
と、行動するようになります。
いや泣いた泣いた……。
緩急の「緩」のシーンになると
年齢相応の少年らしさもあって
それもまた可愛い。
心に深い傷を持つ、俺様気質の
年下ツンデレ天才美少年の王様って
そりゃ人気投票一位でしょうねぇ……。
続きはまたそのうちに。