昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

佐藤二葉『アンナ・コムネナ』その2(2巻感想)

第二巻、発売中です!!

記念に語ります。

久々なのであらすじ:

ビザンツ帝国皇女にして
中世唯一の女性歴史家、
アンナ・コムネナの物語。

12歳にして政略結婚する
ことになったアンナですが

相手のニケフォロスは好青年で
アンナの良き理解者に
なってくれます。

しかし時代はセルジューク朝
東方からじわじわ勢力を伸ばし、
西方からは十字軍が……という
ビザンツにとっては過酷な時代。

ビザンツ側視点の歴史モノと
いう貴重な物語として
楽しむもよし、

まだ幼いながら聡明で勝気な
皇女様と、優しい年上夫の
恋物語として萌えるもよし。

2巻ではいよいよ二人を
取り巻く情勢にも、筆が
割かれるようになります。

一言でまとめると

愛や善意が裏目に出る
エピソード多め。

微笑ましいで済む話だと

皇女が嫁ということで
軽口を叩かれたニケフォロスは
身分関係なく素晴らしい人だと
マジレス→

相手はますますアンナに
興味を持つように……。

ニケ「置き去りにして
いいですか」

自業自得では?

悲しい話だとアンナの
家庭教師テオドロスの
エピソードがつらい。

優秀な彼が異母兄たちから
邪険にされているのを見て

アンナは彼らの前でテオドロスを
大いに褒めます。

異母兄たちはアンナだけで
なく、皇帝一家の信頼も
得た彼を手駒に使い……。

アンナの嘆きが、
テオドロスの返答が
あまりに切ない……。

アンナ母・皇后エイレーネーが
子供を二人続けて失ったことで
心が折れるシーンも辛い。

夫婦愛で持ち直したのに、
支え合う二人の姿は

「皇后が政治的な
野心を出してきた」と
周囲に受け取られる皮肉。

悲しくなったので萌え
シーンを一つ。

妹の婚約者も名前が
ニケフォロスで、どんな
人かアンナが尋ねる時の

「ニケフォロス界で
何位くらい?」

「今地上にいる
ニケフォロスの中では
あなたが最高でしょう?」

前提が尊すぎてそりゃ
侍女たちも叫ぶ……。

二人の仲だけは……
それだけは裏目に出ません
ように……!!

続きが楽しみです!!

でも史実が史実だけに
恐ろしくもある……。