『あこがれ冒険者(アドベンチャー)』
(85~)は捨て子だった主人公・
小松崎美夜(通称ミィ)が唯一手に
していたグリフィンのメダルを巡る
冒険と恋の行方を描いた作品です。
これ以前のあさぎり夕作品の主人公は
優しくて大人しいタイプが大半でしたが
ミィは気も腕っぷしも強い
真逆なキャラなのが特徴です。
序盤、ミィはメダルの謎解きが高じて
考古学者を目指してアメリカ留学中の
幼なじみの一馬に憧れていました。
ある日突然、アメリカから派手な
留学生、光児=スペングラーが
ミィの元に現れます。
スペングラー財閥の
御曹司にしてスポーツ万能、
普段はチャラくても戦う時は
野獣の瞳というワイルドな一面も。
光児は影のように寄り添う謎の少年、
シンと共にミィに近づき
メダルを手に入れようとします。
実はメダルは古代インカの財宝の
手がかりで、一馬がそのために
危険な目に遭っていることを知った
ミィは光児に協力、共にアメリカへ。
そこでもう一つのメダルの持ち主、
褐色の肌の青年、キングと出会います。
代々宝を守ってきた神官の一族の
末裔で、風の吹くままに生きる
神秘的なキャラ。
当時、私は小学生でクラスの女子の
中では光児、シン、キングの
誰が好きか?で盛り上がったものです。
ちなみに私はキング推し。
彼が死んだ時はショックでした……。
その後もう一人、女顔の優しげな美少年
ニールが登場します。
ニールなんて名前に碌な奴はいない!
(キャンディ・キャンディ脳)
と思ってたらそれで正解でした。
この物語はメダルの争奪戦や、ミィの
周辺の恋模様がメインで
謎解きや宝探し要素はありません。
しかし「二つのメダルは引かれ合う」の
伏線は見事なミスリードで
ミィの肉親捜しと恋の結末を導きます。
光児の「運命は自分で切り拓く」
スタンスなど、実に80年代っぽい
エネルギッシュさに溢れた作品です。
あと光児くんの髪型が当時大人気
だったチェッカーズのフミヤカットと
言ってわかる人はアラフォー以上ですね……。