昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

篠原ウミハル『図書館の主』

『図書館の主』(11~)は児童書がメインの
私設図書館「タチアオイ児童図書館」を
舞台に、本と司書と利用者たちを描いた
優しい物語です。

図書館の名物は、ぶっきらぼうで偉そうな
キノコメガネこと男性司書の御子柴さん。

(何故か子供受けはいい)

第一話で借金持ちのサラリーマン、
宮本さんが酔っぱらっての帰りに
公園の近くに図書館があることに
気づきます。

ふらりと入ってみると

キノコ頭の若い男から
「失せろ 酒くさい!」と怒鳴られます。

ムッとして言い返すと更に罵倒が
返ってきますが

ふと手に取った新美南吉の説話集の
「うた時計」に
今の自分を重ねて……。

そんな感じにたまたま手に取ったり
御子柴さんたち司書や誰かに勧められて
読んだ本に救われるエピソードがメインです。

(その後宮本さんは常連になり、
各回の導入部やトラブルに巻き込まれたりと
様々な役割を兼任します)

御子柴さんは厳しくて口は悪いですが
どんな相手に対しても真摯に
「相手が面白いと思う本」を
探してくれます。

※レファレンスというのですが
スマホ一つで検索できるこのご時世、
司書に必要なその能力がどれほど
軽んじられていることか……ッ!!!

オーナーが大企業の元会長なので
司書の自由度の高い
理想の図書館でもあります。

出てくる児童書も宮沢賢治や『宝島』
『星の王子様』などメジャーなものから
マイナーなものまで色々。

取り挙げる本の一説やあらすじが
マンガになってるので、知ってる人は
しみじみと懐かしく、

タイトルだけ知ってるような本は
(そういう話だったのか……)と
なります。

宮本さんが児童書に触れることで
穏やかになっていったように

いじめっ子やストレスを抱える母親、
悩める子供なども変化していきます。

自分のことでいっぱいいっぱいだったキャラが
次は誰かの助けになる展開いいよね……。

このマンガを読んで、既読でも未読でも
読みたくなる本が沢山出てくるはずです。

一話完結なのでどの巻から読んでも
問題ありません。

本や図書館が好きな人にはおススメですよ。

図書館の主 1巻 (芳文社コミックス)

図書館の主 1巻 (芳文社コミックス)