昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

谷ゆき子『まりもの星』その2

念のため書いておきますと当時は
山岸凉子の本格的バレエマンガ
アラベスク(71~)も「りぼん」で
連載していました。

バレエに関する知識や資料は
これ一作でも十分得られたはずですが

正しい知識より、読者を驚かせる方を
この作品は選んだのでしょう。

今時はミスや矛盾、強引な展開は
SNSで総ツッコミですから
この頃にしかできないことですね。

さて前回の続きですが

崖から落ちそうになりながらも
「かいてんアラベスク」を成功させた
なでしこに、母は大喜び。

空中でアラベスクを維持しながらの
トンボ返りはバレエの域を超えてますね。

母は話の途中、急にうめきだして崖から
落下、湖に落ちてしまいます。

探しても見つからず、湖のまりもが
きらりと光りました。

「おかあさんのまりもが よるは
お星さまになるのね」

母はまりも兼星になったことにして
強引にタイトル回収。

上京してバレリーナを目指す
第二部が始まります。

(その後もまりもは重要アイテムとして
たびたび登場します)

 バレエ教室では意地悪なライバル
たちの嫌がらせや

なでしこの才能が自分の娘の驚異になる、と
金持ちの母親が異様な執着心で
あらゆる邪魔をしてきます。

母が生きていたことが判明し、
並行して母親探しも行われますが

母は記憶喪失のまま、あっちへこっちへ移動して
なでしこを惑わせるのでした……。

ツッ込んでいくうちにだんだん楽しくなって
最高にハイになれる不思議な漫画です。

こんな書き方をしてますが、この作品は
「困難や意地悪にもめげず、ひたむきに
努力すれば報われる」と子供たちに
伝えるために描かれているのは
わかります。

服装もかなりお洒落に描かれていて、
当時の少女たちは憧れたのではないでしょうか。

なお、昭和のお約束
トウシューズにピンが!」
のシーンも出てきます。

この作品だと「妖精のお昼寝パフェ」とか
「恋のときめきパスタ」などの口に出しにくい
カフェメニューの中に、普通のコーヒーの
表示を見つけたような安心感が……。

まりもの星 [完全復刻・超展開バレエマンガ] (立東舎)

まりもの星 [完全復刻・超展開バレエマンガ] (立東舎)

  • 作者:谷 ゆき子
  • 発売日: 2018/05/18
  • メディア: コミック