昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

ひかわきょうこ『女の子は余裕!』

『女の子は余裕!』(90~)
高校二年生の女の子・星野友美の
恋物語と友人たちとの日常を描いた
ほんわかラブコメです。

第一話の友美は同級生で中学からの
親しいクラスメイト・沢田くんに
片思いをしていましたが

沢田くんには好きな人がいると知り、
彼の恋を応援して告白することも
ないまま失恋します。

元気をなくした友美をさりげなく
励ます友達の千賀(ちか)ちゃんと
楓ちゃん、無愛想犬のポチが可愛い。

そして次の恋は既にフラグが立って
いました。

放送部の美声の長身イケメン、
優しい男鹿(おじか)先輩。

耳元で囁かれるとぞくぞくする美声で
本人も承知の上で使っているという
リアルだとありえないキャラですが
男鹿先輩なら許される(断言)

当時友人たちと
「声がつくなら速水さんだよねー♪」と
話してました。

高校生らしからぬ落ち着きと気遣い、
どことなく底知れない印象。

(そのためプレイボーイと誤解される)

何事にも動じないようで実は犬が苦手だとか、

両親は海外にいて、先輩は受験のために
残って一人暮らしとか

死んだ兄に代わってテニスやっていたなど
妙に母性をくすぐる設定持ち。

意外とお茶目でもあります。

(先輩のロングコートの中に)
「入らない? 門まで」

照れて拒否したら一旦諦めたように
見せかけて抱きしめて

「つかまえた」

乙女ゲーか!!

特定はされませんでしたが、友美に
好意を抱く男が同学年にいるとわかっても
先輩は先に卒業してしまうわけで。

不安だと言いつつも

「ぼくがきみの目を
他に向けさせない位
いい男になるからね」

言った後「なんちゃって」と照れる。

乙女ゲーか!!!!

この作品は素敵な男鹿先輩に
ひたすら萌え転がるお話なのです。

あと友美の周りのとぼけたやりとりが
ほのぼのしてていい。

これ読んでると、つくづく乙女ゲーって
昭和の少女漫画のエッセンスを受け継いでると
思いますね。(連載は平成初期ですが)

フィクション上でしかありえないお約束も
きゅんきゅんした乙女心のときめきを
楽しみたい時には必要なんですよ。

女の子は余裕! (白泉社文庫)

女の子は余裕! (白泉社文庫)