『なんて素敵にジャパネスク』(88~)は
氷室冴子原作の同名小説のコミカライズ版。
平安時代を舞台に、自由闊達なお転婆姫、
瑠璃姫が幼なじみ高彬との結婚成就のために
駆け廻り、騒動に巻き込まれるラブコメです。
第一話では瑠璃姫は16歳。
名門貴族の姫なのに「結婚しない」と
言い張って父の大納言を困らせていました。
詳細は省きますが最大の理由は
子供の頃、母方の祖母と吉野で暮らしていた際
幼なじみの「吉野君」(よしののきみ)を
亡くし、初恋を引きずっていることでした。
ところがある日、屋敷の宴席で若い公達が
自分が吉野君だと匂わせる発言をします。
心が動く瑠璃姫ですが、もう一人の幼なじみ
高彬(たかあきら)から、瑠璃姫の父と
その公達が仕組んだウソなのが明かされます。
嫌がる瑠璃姫を庇って、高彬は
「ずっと前から結婚の約束をしていた」と
宣言し、相手を追い払ってくれます。
約束は本当で、母、祖母、吉野君と
大事な人を次々に亡くした彼女を
慰める時に言ってくれたものでした。
年下だけど誠実な高彬ならと、瑠璃姫は
結婚を承諾しますが、いざ床入りとなると
お約束のように外部から邪魔が入って……。
この時代の姫は屋敷の中で
男の訪れをじっと待つもの。
しかし田舎育ちの瑠璃姫は常識に囚われず
外へ出てアクティブに行動します。
おつきの小萩の苦労がしのばれます……。
そのうちひょんなことから、高彬の主君である
東宮を排除し、弟君を帝位につけたい勢力の
陰謀に巻き込まれることに。
瑠璃姫は高彬のため協力者・鷹男(たかお)と共に
その企みを暴くのですが、実は鷹男は東宮本人でした。
更にその陰謀には死んだはずの吉野君が
僧の唯恵(ゆいけい)として加担していて……。
真面目な高彬、男前の鷹男、
美形の唯恵とイケメンが揃って
瑠璃姫に想いを寄せるのが少女漫画らしい。
高彬の忠臣、守弥(もりや)との
エピソードも好きです。
原作が少女小説なので、平安文化の
入門編には最適です。
先日の即位の儀で「十二単いいよね……」と
思った方におススメです。
なんて素敵にジャパネスク―愛蔵版 (7) (ジェッツコミックス)
- 作者: 山内直実
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2004/11/29
- メディア: コミック
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