少尉の戦死が伝えられた後、紅緒は
髪を切り、今後も伊集院夫妻を支えると
決意。
華族でも懐具合は良くない伊集院家のため
紅緒は働きに出ることにし、女嫌いの
(美形)編集長がいる零細出版社
「冗談社」の記者に。
取材に訪れた満州で馬賊の頭=
元部下の鬼島さんと出会い、
少尉の最期を聞きます。
しかし日本に戻った紅緒は、少尉そっくりな
亡命ロシア人サーシャ・ミハイロフ侯爵を
目にして衝撃を受けることに。
ミハイロフ侯爵は一人ではなく、傍らには
妻のラリサもいました。
サーシャは少尉なのか?
別人なようなそうじゃないような描写や
更に編集長も紅緒さんに魅かれはじめたりと
読者はハラハラし通しです。
そんな折、鬼島さんが帰国。
満州でミハイロフ侯爵の母を看取ったこと、
サーシャと少尉が異父兄弟だと
伝えるために来たのでした。
やがて本物のサーシャは死亡していて
少尉はラリサに助けられたのが判明。
ラリサは肺を病んでおり、少尉は記憶が戻った後も
義母と夫を亡くした彼女を見捨てられませんでした。
紅緒もそれを見て少尉を諦めることに。
ところが編集長の実家の銀行が、
伊集院家の屋敷を借金のかたに
差し押さえる予定が発覚。
編集長は待ってくれるよう母親に頼みますが、
実家を継ぐのが交換条件でした。
自分のために編集長が夢を捨てると知った
紅緒は彼に「お嫁さんにしてください」と
プロポーズ。
結婚式は大正12年9月1日、
途中で関東大震災が発生。
ラリサは少尉を庇って死亡、最期に
紅緒のもとに行くよう言い残します。
混乱の中で少尉と紅緒はお互いの本当の
気持ちを貫くのでした……。
本筋だけ抜き出すとすごくシリアスなのに
紅緒のキャラクターと、パロディ含む
ギャグのお陰で明るい印象が強いです。
少尉と紅緒のハッピーエンドもめでたいですが、
個人的に鬼島さん推しなので、彼が環と
結ばれたのも嬉しかったですね。
古き良き少女漫画らしさに満ちた名作です。
それにしても
弟のような美少年の蘭丸、
優しい王子様タイプの少尉、
ワイルドな魅力の鬼島さん、
気難しいツンデレの編集長……
タイプの違う美形に想いを寄せられるって
乙女ゲーのよう(いや乙女ゲーが少女漫画の
フォーマットを取り入れてるんだけど)