昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

池田理代子『ベルサイユのばら』その2

前回はあらすじなどをざっとなぞりましたが
『ベルばら』最大の魅力は勿論オスカルです。

そもそも何故男装してるかというと、
娘ばかり連続で生まれてしまい

どうしても息子が欲しかった父ジャルジェ将軍が
生まれたばかりの六番目の娘オスカルを
男として育てると断言したからです。

そのため性格もかなり男寄り。

もしもオスカルがただの「お転婆な貴族令嬢」
くらいの設定のキャラだったら、
あれほど強く凛々しく描かれたでしょうか?

 従者のアンドレがついているとはいえ
ベルサイユから貧民街まで行き来し、
庶民と貴族両方の生活を知ることができたでしょうか?

男装の近衛隊長という本来ありえない
存在だからこそ

オスカルの視点はどこにも属さず、むしろ
現代人に近くても読者は自然に受け入れます。

アントワネットからの誘いを断ったのを
アンドレに「出世間違いなしだってのに!」
と言われて

「きさまも宮廷のだらくした貴族どもと
おなじ考えか!?」と怒鳴るのも
名家の貴族とは思えぬ発言です。

デュ・バリー夫人とアントワネットの対立の際も
他の貴族がどちらにつくか右往左往する中、

「このおもしろい女の一騎うちを
ゆっくりと観戦させていただくさ」
などと面白がっています。

ところがオスカルの母ジャルジェ伯爵夫人までが
騒動に巻き込まれる羽目になり、苦悩します。

遂にルイ15世がキレてしまい、オーストリア
フランスの国際問題にまで発展。

最終的に屈する形になったアントワネットが
「フランス宮廷は敗北しました。王位継承者の妃が
娼婦に敗北したのです!!」と泣く姿を前にした
オスカルは彼女の誇り高さに敬服します。

小中学生の読者にとっては(アントワネットが
デュ・バリー夫人に声をかけないのがどうしてそんなに
大問題に……?)と今一つ納得できなくても

オスカルが困ったり、陰謀に巻き込まれた母を庇い
デュ・バリー夫人に剣を突きつけて厳しい一言を
放つことで物語に引き込まれます。

さわりしか語れませんでしたが、続きはまた後日。

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