念のためあらすじ:
主人公・美奈子のもとに
現れた悪魔デイモスは
美奈子を花嫁にすると宣言。
美奈子が人間に絶望するよう
人の闇の部分を見せ続ける……。
という話のため、本作は
殺人シーンがかなり多い。
大半が衝動的なのですが
中には計画殺人も。
結構ミステリとして
秀逸なので語ります。
11巻「殺人痩身術」
美奈子は学園新聞の取材で、
住み込みのお手伝いを
しながら美大へ通う
卒業生を訪ねる。
取材中にもケーキやせんべいを
食べながらダイエット番組を
眺める彼女に困惑する美奈子。
更にふとしたことから、
その家の若い旦那さんを
「奥さんを旅行に行ったと
見せかけて殺したに違いない」と
疑って警察を呼んでしまう。
警察が調べると庭や風呂場に
作りかけの彫刻の手足があった。
奥さんがいい顔をしないので
留守中に作ってると言う旦那。
そこへ奥さんが帰宅して
カン違いが発覚。
旦那「デブ女め
クビにしてやるぞ!」
彫刻やってたのを奥さんに
叱られ、八つ当たりのように
怒鳴る旦那さんに
謝るどころか
むくれるお手伝いさん。
その夜、奥さんは旦那に
殺害され、庭に埋められる
ところにお手伝いさんが来て……。
この二人は最初からグルで
わざと不仲なのを周囲に
強調していたのでした。
お手伝いさんはさっさと
痩せて奥さんになりすます。
美奈子が再び訪れた時も
気付かない。
そして全ての発端は
デイモスだった。
ラストに(台詞は意訳)
デイモス(おまえたちが何を
代償に支払ったのか
気付くのはいつかな)
貧しい美大生(彫刻家&
画家の卵)だった二人が
金で買える贅沢に飽きた時、
もはや一かけらの才能も
残ってないと気付くのは……
殺された奥さんは身寄りが
ない、性格キツそう=
友達もいない感じが
伏線で出てますが
例え犯罪が発覚しなくても
皮肉な結末が待っている
ことを示唆して終わります。
家政婦でなく「お手伝いさん」
という表現や、
サウナやウーロン茶、
レオタード着てエアロビの
ダイエット法に時代を
感じる……。
続きはまたそのうちに。