昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

(原作)池田悦子(絵)あしべゆうほ『悪魔の花嫁』その10 ミステリ回2

殺人シーンの多い本作ですが
大半は衝動的なもの。

計画的な殺人は、短編
ミステリとして秀逸な
作りになっています。

15巻「暗闇への二重奏」は
その一つ。

冒頭、アンティークショップで
「まったく同じものが二つ」
欲しいと言う男。

店員姿のデイモスが、男に
黒ミサで使われたという
二対の燭台を売ります。

エプロン姿が妙に可愛い……。

男は人気作曲家で、
週刊誌に「お宅訪問」の
記事が載るほど(伏線)

ある時、彼のもとに田舎から
上京してきた歌手志望の
少女が訪れます。

少女をアリバイ作りに
利用して、男は以前から
独立資金を強請っていた
ゴースト作曲家を殺害します。

計画→

1:自宅Aに少女を招き、
シャワーを浴びて来ると
その場を離れる。

2:近くの公園に被害者を
呼び出して殺害。

3:自宅Aから少女と共に
一度用事で出かけて
自宅Bへ。

4:捜査に来た警察には
殺害現場から遠く離れた
自宅Bにいたと少女に証言
させる。

これで警察を騙すつもり
でしたが、誤算が生じます。

自宅Aからボヤが発生。

捜査で近くにいた警官が
火災現場を見て「雑誌にあった
先生のお宅にそっくり」と気付いて
偽装がバレるオチ。

火事の原因は、待たされてる間
少女がヒマを持て余して
ヘアアイロンで髪を弄ったから。

高熱を発する家電は
使用後にスイッチを切れと
いう教訓ですが

「デビュー前に髪型を
変えた方がいいな」なんて
男が何気なく言ったのが
きっかけというのも皮肉です。

この少女、お土産が実家の
庭のクルミだったり、

クルミを割ろうとして
デイモスが売った不気味な
悪魔像のついた燭台を

机に叩きつけて壊したりと
言動がだいぶアレな子です。

(メタ的に火事になる展開が
必要なのは承知の上で)

「初めて訪問した、自分の将来を
大きく左右する人の自宅を
火事にする」この子の将来が
心配だよ……。

それはともかく

「犯行現場を目撃者に
誤認させるトリック」は
結構ありますよね。

マンションやホテルだと
実は階や部屋が違うとか

同時期に開発された地区なので
どこも外観が似てるとか。

続きはまたそのうちに。