昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

河惣益巳(短編)「ミストラル」「DOOL」

(『マリン・ブルー・マリン』収録)

ミストラル mistral」
(92年)はパリで名高い
ジゴロ、アランの復讐劇。

ジゴロの響きがもう懐かしい……。

掲載誌が「セリエミステリー」
なので、アランの生い立ちの謎
=復讐の理由を追いかけていく
形になります。

簡単なあらすじは

有閑マダム相手に金を
稼いでいたアランはある時、
まだ若い女性・アニエス
恋を仕掛けて夢中にさせる。

アニエスは大手広告代理店の
社長の娘で、手切れ金代わりに
自分を売り込んでほしいと頼む。

メディアに露出したアランは
たちまち大スターになるが
彼の態度は冷めていた。

しかし大女優ジュヌヴィエーヴ・
ルドー(通称ジュジュ)が
彼に共演を持ちかけると
アランは明らかに違う反応を示す。

娘を傷つけた復讐をしたい
広告代理店社長は、アランの
弱みを握るべく、二人の
過去を探るよう探偵に依頼。

実はジュジュは彼の母親で
彼女が夫と子供を捨てて
出て行ったことで、

父はおかしくなり、双子の
兄も死ぬことに。

やっと母親を見つけた
アランは……。

詳細は書きませんが
この話の核は二人が
ジプシー(現在の呼称は
ロマ)出身ということ。

それにより、早すぎる結婚、
国籍不明のエキゾチックな
美貌などに説得力があります。

ジプシーといえばツーリングの
スペイン編「サンタ・マリア・
エクスプレス」

世界各国に散らばるジプシーの
情報網を一手に握る占い師
「シーラ・ゼナ」が登場します。

こちらは80年代の作品で
当時のジプシーのイメージ。

音楽やダンス、占いをしながら
旅をする神秘的な民族という
ポジティブな印象で描かれたのに

平成になると差別対象として
描かれているのが興味深い。

簡単に発狂する展開も
昭和にはよくあること……。

「DOLL ドール」
(91)は幼い頃から
工作員として育てられた
主人公ドミニクが、

恋人だと信じていた上司・
ジリーに捨てられてしまい……。

河惣ヒロインを絶対服従
人形にできるわけないだろ!
という話。

バイタリティ溢れる
素敵な女傑揃いですよね。

続きはまたそのうちに。