『妄想猫観察』(21~)は
『プリンタニア・ニッポン』の
作者によるエッセイ&漫画。
文章1ページにつき、それを
マンガにした2ページという比率。
全てマンガではありません。
基本的にはタイトル通り
飼い猫の観察ですが
そこから派生した妄想や
発想が神がかってる。
例えば
「神は世界を七日で
作ったというが
その後一年くらいかけて
じっくり猫を作ったのでは
なかろうか」
神様が猫をコネコネしながら
(もっとかわいくできる……
もっと……)
→上司神に説教されるオチ。
発想もぶっ飛んでますが
ちゃんとオチもついてるのが
また素晴らしい。
他にも
「猫の鼻はかわいい」
というのは誰もが思うこと。
→こんなに可愛いものを
くっつけていたら
盗まれたりしないだろうか
という発想からの超展開
「オークションサイトで
売りさばかれたり
怪盗に盗まれたりしない
だろうか」(意訳)
とても心配だ
(何かドラマがあったことを
思わせる、猫の鼻が戻された
おばあちゃんと窓辺の怪盗の
コマ)
……そんな心配してるの
あなただけです(大絶賛)
こんな感じで猫萌えの
あまりの脳内暴走が
綴られています。
個人的に一番ツボだったのは
「働く動物はすごい」
→ブレーメンの音楽隊のように
猫が楽団作って演奏してくれる。
猫「お代はこの家です!」
作者「強盗……!」
流れるようなテンポに
リアルに吹き出しました。
また2ページ以上の
短編マンガもあり、
これもまた
不思議な味わい。
「猫が働く猫喫茶」は
わりと誰でも考えつきそう
ですが
客が注文した食べ物を
ウェイターの猫が食べたり
黒猫店長の誘いを受けると
人ならざるモノにされそうな
少し怖い雰囲気に……。
帰って猫の世話を
しなくては、というと
仕方がないと納得されます。
後日訪れると店はどこにも
なかった……というオチ。
ほのぼの、かわいい、不思議、
そしてシュールな怖さもある
なんとも独特な世界が
展開されます。
『プリンタニア~』ファンの人、
猫好きな人、ちょっと不思議な
世界を見たい人にオススメです。