昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

本田『ほしとんで』

『ほしとんで』(18~)
八島大学芸術部(通称やし芸)を
舞台に、俳句ゼミに入ることになった
主人公・尾崎流星が個性的な学生たちと
共に、俳句の楽しさに目覚めていく
コミカルな物語です。

アニメ化もした『ガイコツ書店員
本田さん』の作者による、
世にも珍しい俳句マンガ。

流星が自発的に俳句ゼミを
選んだわけではなく、学校側が
勝手に振り分けるシステム。

第一話で講師の坂本先生から、
申請すれば希望のゼミに行ける
可能性もあると説明されましたが
流星以下、5人が残ります。

流星の専攻は文芸学で、元々
小説も書いているので俳句は
初心者でも、素養はありました。

(他のメンバーも、赤ちゃん連れの
井上さん以外はだいたいそんな感じ)

最初に流星と教室で出会った
オタクのヒゲメガネ、春信くんと

ネットに小説を投稿している
こじらせ女子の薺(なずな)
さんとはわりと似た者同士。

チェコと日本のハーフ、レンカ
さんが美女じゃないのが
妙にリアル。

みんな素人なので、切れ字や
季語の扱い方もよくわかりません。

 更に出来た句を批判されるのが
怖くて、緊張したり怯えたり……。

先生「あなたが心から
いいと思ったものを

俺が否定したりバカに
することは絶対ないって
約束する」

……こんな先生と出会いたかったな……。

個人的には春の季語「山笑う」の
話をしてる時に(春が笑顔なら)

レンカ「そう言われると
冬山って真顔感ありますね」

がツボでした。

出来上がった句を添削して、
本人の発想や制作過程を聞いた上で
先生が改良してくれたり

みんなで鎌倉に吟行に行った際は
(お寺の階段が辛いだろうと)
井上さんの赤ちゃんを、ゼミの先輩で
普段はツン多めの隼さんが運んで
くれます。優しい世界……。

流星は人生何回目?ってくらい
落ち着いた性格ですが、文章が
原因のトラウマを抱えてたり、

友人の航太郎がモデルだったり、
叔父が有名イケオジ教授だったりと
色々謎の多い主人公です。

濃いキャラたちの愉快なやり取りや
関係性を楽しみつつ、
俳句の素晴らしさにも触れられる
マンガです。

ほしとんで01 (ジーンLINEコミックス)

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  • 作者:本田
  • 発売日: 2018/10/15
  • メディア: Kindle