昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

那州雪絵『ここはグリーンウッド』その1

ここはグリーンウッド(86~)
現代日本の名門男子校「緑都学園」の寮、
緑林寮=別名グリーンウッドを舞台に
主人公・蓮川一也と個性豊かな寮生たちの
愉快な日常を描いたほのぼの風味の漫画です。

91年にOVA化、93年にラジオ放送、
08年に実写ドラマ化、19年に舞台化した人気作。

昭和の少女漫画で、男子校の寮生活を描いた
作品といえば萩尾望都トーマの心臓
竹宮恵子風と木の詩(うた)』など
ヨーロッパが舞台の浮世離れした作品が多い中

現代日本の、親しみやすいイケメンキャラ達の
わちゃわちゃした明るい日常生活なのが
この作品の最大の特徴です。

主人公の蓮川一也(はすかわ かずや)、
通称すかちゃんは純情でまっすぐな性格の
不幸体質。

※以下「すかちゃん」で語ります。

胃かいようで入院していたため入学が
一か月遅れてしまい、寮に入ったその日に
ルームメイトの瞬は実は女の子だと
3年生の先輩二人に打ち明けられます。

寮長の池田光流(みつる)と
生徒会長の手塚忍は「瞬はとある事情で
男としてこの学校を卒業しなくてはならないんだ」と
すかちゃんに協力を求めます。

素直に信じていたすかちゃんは、三日目にようやく
いつ気づくか賭けの対象にされていたことを
知るのでした……。

瞬から先輩命令だったと聞いて即座に
殴り込みに行き、光流先輩の顔をぶん殴るのが
今思えば昭和らしい展開です。

「気にいっちゃったよ おれは」と
以降、光流先輩は何かとすかちゃんの
面倒を見たりちょっかいを出すようになります。

(次の寮長にするために鍛えている)

何度ダマされても引っかかり、そしてめげずに
反撃する単純さと強さがすかちゃんのいいところ。

登場キャラは多いですが、メインはすかちゃん、
瞬、光流&忍先輩の4人。

ガキ大将気質であけっぴろげな性格の光流先輩と
優等生だけど得体の知れない忍先輩との
不思議な関係性は当時の女子に大人気でした。

 ほんのさわりしか語れませんでしたが、続きはまた後日。

未だ愛され続ける名作です。

ここはグリーン・ウッド Vol.1 [DVD]
 

西修『魔入りました!入間くん』その9

本日8話放送!
再放送もあるのでまめに放送日を
チェックしよう!

というわけで今回はアニメ『入間くん』話です。

原作にないエピソードをちょっと紹介。

クララが売店ブラックリスト入りしてるのが
明らかになる回では、リストの中に
ジャズの名前もありました。

飛行試験(レース)回では「囀り谷」を
飛んだメンバーは

原作ではのんびり遠足気分で、監視中の
カルエゴ先生を呆れさせてましたが

アニメではクララが食虫花に捕まってたり、
ジャズが鳥の卵を盗んで攻撃されたりと
テストらしい試練が付け加えられて
いました。

サブノックくんも原作以上に
追い詰められてます。

スージー先生の授業回では、先生の口癖
「ふいっ」も声がついてより可愛い。

原作ではサブノックくん、クララ、アズくん、
入間くんだけしか課題の花を出すシーンが
なかったのに、アニメでは各自の個性に
合わせた花が登場しました。

氷の花や宝石の花、ルーレットや雲、
モザイクが必要な花と
まだ出番の少ないキャラのパーソナリティを
細かいところで着々と見せてくれます。

謎の生徒ブルソン・ソイは欠席。
というかアニメに出ちゃったよ……。
(※声なし)

そして遂にアメリ会長と
入間くんが運命の出会いを……!

『初恋メモリー』読んできゅんきゅんして
デフォルメになってる会長可愛すぎる!!

早見沙織さんの凛々しい声もいいですね。

入間くんとアメリの初顔合わせはメタ的に
アズくん&クララがいないのが絶対条件なので
原作では二人を早めに帰していますが

アニメでは「後は掃除用具をしまうだけ」の
ところまでちゃんと掃除につきあっていました。

用務員さんたちに掃除を頼まれるシーンも
後々の伏線ですね!

そういえば生徒会での報告の最中に「風紀師団
(バトラ)」の名前が出てました。

その後入間くんたちが所属する師団を決める際にも
顔見せ程度に登場すると予想。

このように、アニメでは原作を補完するオリジナル
エピソードも多く、親切丁寧な仕様です。

両方知れば知るほど楽しめますよ!!

 

山口つばさ『ブルーピリオド』その3

祝!!本日6巻発売!!

遂に試験結果が出ますが、まだ言いません。
とりあえず前回の続きから。

絵を描くのは楽しいことばかりではなく、
本気であるほどに喜びも絶望も深くなります。

「絵を描くのが……怖いんだよ……!」

「楽しんで作って それ否定されたら
立てなくなりそうで怖いんだよ……!」

そう八虎に打ち明けられた恋ヶ窪くんの
返しに涙出ました。

「……なあ八虎 お前は知らねえかも
しれねえが

俺たちはみんな お前の話を
聞くのが好きなんだぜ」

いい友達だなぁ……。

勿論、みんながみんな八虎に優しく
接してくれるわけではありません。

八虎が天才と認める高橋世田介(よたすけ)は
神経質で気難しいタイプ。

目指してる藝大の文化祭の展示物を「こんなもんか」と
切り捨てたり、興味のないものは見向きもしません。

八虎のことは気になっていますが
心を乱す奴=不快と認識しているようで

「なんでも持ってる人が美術(こっち)に
くんなよ」

「美術でなくてもよかったクセに……!」

毎回きつい一撃を八虎に与えます。

嫌味な教師相手にもへらへら笑ってスルー
できる、世渡り上手な八虎が
口下手コミュ障の世田介には悔しくて泣く
のは、それだけ特別な相手ということ。

怒り、悔しさ、悲しさ、何もかもをエンジンに
八虎は絵を描き続けます。

(死ぬほどこわいよ でもそれ以上に)

(ひれ伏させたい)

(俺の絵で全員殺す)

(そのためならなんでもする)

凄まじいエネルギーを感じさせる名シーンです。

読んでいる側も八虎が辛い時は息苦しくなり、

「俺いま 多分
脳みそが手についてる」

そんな風にノリノリで描いてる時は一緒に
テンションが上がります。

 感情移入しすぎて苦しいよ!!

その後、世田介くんは八虎と一緒に初詣に行って

「俺は……基本的に人間に興味がないから」
「でも俺も矢口さん見てるとイライラするよ」

褒めてもいないのに大喜びする八虎にドン引いてましたが
(お前だけは無視できない存在)と
言ったも同然なんだけどね……。

続きはまた後日。

ブルーピリオド(3) (アフタヌーンコミックス)

ブルーピリオド(3) (アフタヌーンコミックス)

 

『仮面ライダージオウ』ウォズ

祝え!!

その一言で見事にキャラ立ちし、
味方にいれば頼もしく、敵に寝返れば盛り上がり

ギャグからナレーションまで何でもこなす
美味しい男、その名も仮面ライダーウォズ役、
渡邊圭祐、まさに誕生の日である!!

ウォズ風に書いてみました。
めでたい!!!

念のため解説しますと、ウォズは主人公・
常盤ソウゴの未来の姿「オーマジオウ」に
仕える従者(自称)

ソウゴのことを「我が魔王」と呼び、
彼が新たな力を得るたびに
「祝え!!」と芝居がかったポーズと
長セリフで祝福を兼ねた能力の説明をします。

祝うためなら過去でもどこにでも出没し
周りがポカーンとしても気にしません。

その割にソウゴがゲイツと仲良くなろうとすると
敵のタイムジャッカー側について邪魔したりと
本当に忠実な部下なのか疑わしい面も。

ソウゴはウォズが敵に協力してもしれっと戻ってきても
全て受け入れる大物っぷりを見せ、
(やはり王の器……)と視聴者に思わせます。

普段気取ってる割には食いしん坊とか

響鬼編では

「祝福の……鬼だ!!」

と、変なスイッチ入って太鼓を叩き続けたり

轟鬼さんに弟子入りして川で洗濯してる時に
ふんどしを洗ってることに気付いて動揺、
水落ちしたシーンとか大好きです。

「祝え!」の最中にディケイドこと門矢士から

「誰に向かって言ってんだ?」

と、至極尤もなツッコミが来たのは
笑いました。

ゲイツとの関係性も絶妙でしたね。

うさんくさいキャラなのに憎めないところがあるので
「敵対するウォズ」が別の未来から来た白ウォズ
だったのはちょっとほっとしました。

※黒がもう裏切らないとは言ってない。

白ウォズはゲイツを「我が救世主」と呼び
書いた通りのことが実現する未来ノートを保持、

更に仮面ライダーウォズにまで変身するという
チートっぷりでソウゴを苦しめます。

無駄に強いくせに、クイズウォッチで答えが曖昧な
問題を選んでしまい(相手が間違うと攻撃が当たる)
ダメージ喰らうのが白くてもウォズだなって……。

 まだまだ語り足りないので続きはまた後日。

一色まこと『ピアノの森』その2

この作品は二部構成で、一部はカイの
小学生時代、二部は5年後です。

コミックスで言うと全26巻のうち、
小学生編は7巻まで。

アニメ版では小学生時代は一期6話まで。

最低限必要なエピソードは入れてありますが
かなり駆け足です。

まぁNHKでなくても「インバイ」を連呼する
悪ガキだの、

小5のカイに酔客が「はじめての客に
なってやる」と言い出して

周りの大人連中が暴れるカイを押さえつけて
服を脱がすとか放送できないだろうし……。

※危ういところを母の怜子が助けました。

カイの環境は上記の通り荒んだものでした。
それは修平や阿字野先生との関係性に深く影響
してるので、原作未読の方はぜひご覧ください。

この漫画は大きな喪失を抱えたキャラが
大事なものを得る、もしくは失ったものを
取り戻す物語でもあります。

「将来はヤクザかチンピラか男娼」以外の
選択肢がなかったカイはピアノによって
そこから自分と母親を救い、

生きる希望を失っていた阿字野先生もまた
カイと出会って未来を取り戻します。

修平も、「便所姫」こと丸山誉子も
多くの人がカイと関わって変化していきます。

誉子は登場時はコンクール直前、緊張のストレスから
周囲を棘のある言葉で攻撃する性格悪い子という
印象だったのに、

実は極度の上がり症で、リラックスできる場所を
思い浮かべろとカイに言われてトイレと答えたりと
ちょっとしたエピソードですごく可愛く思えてきます。

最初感じが悪いとか、冷たく見えたキャラも
次第に愛おしくてたまらなくなる、
そういう人間味の見せ方がこの作品は絶妙です。

「いい人」と言ってしまうとなんか違う。
「いいキャラ」なんです。

佐賀先生とか顕著ですよね。

個人的に後半登場するツンデレのパン・ウェイが
阿字野先生と直接顔を合わせた時のシーンとか
萌え転がりましたよ!!!!

その後パン・ウェイは才能を更に高みに押し上げ、
キャラもまた可愛さの塊に……!!!
(以下エンドレスなので自粛)

さわりしか語れませんでしたが、続きはまた後日。

「ピアノの森」 一ノ瀬 海 至高の世界

「ピアノの森」 一ノ瀬 海 至高の世界

 

 

 

 

 

一色まこと『ピアノの森』その1

ピアノの森(98~)は森の中に
捨てられていたピアノをオモチャがわりに
育った少年、一ノ瀬海が元の持ち主・
阿字野荘介と出会い、彼の指導によって
才能を開花させていく物語です。

07年に劇場アニメ化、
18年にTVアニメ一期、19年に二期が
NHKで放映されました。

※以下、原作どおりカタカナで表記します。

序盤の海(カイ)は小学5年生。
女の子に間違われるほどの美少年ですが
口は悪くて気も強い。

そんなカイのクラスにピアニストを
目指す、気弱な優等生タイプのお坊ちゃん・
雨宮修平が転入してきたところから話が始まります。

修平の視点で、カイと彼を取り巻く
周囲の環境が描かれます。

カイは森の端(はた)と呼ばれるガラの悪い
色街で、若いシングルマザーの怜子と
暮らしていました。

そのためガキ大将の金平(通称キンピラ)から
「インバイの子は人間じゃない」と
いじめられていますが

カイは決して負けずに、何か言われるたびに
手厳しくやり返していました。

金平の数人の取り巻きを除いて
大多数のクラスメイトや先生は同情的で、

音楽の「阿字野(あじの)先生」は気難しく
子供嫌いの怖い先生として。

ある日修平は金平から、度胸試しに
学校の傍の森の中に置かれた「夜ひとりでに
鳴るオバケピアノ」を弾いてこいと
脅されます。

カイは修平に学校をサボらせて森へ
連れて行きますが、修平の手では何故か
ピアノは鳴りません。

しかしカイが弾くと、確かに音が出ました。
それも阿字野先生がアレンジした曲が……。

この時の「茶色の小瓶」が後々
世界を感動で満たすことになります。

その後、修平がカイを自宅に呼んだ際、
修平母から阿字野先生がかつて有名な
天才ピアニストだったと聞きます。

20年前の事故で婚約者を失い、
左手を上手く動かせなくなったことも……。

実は森のピアノは現役時代の彼のものでしたが
失意のうちに捨てられていたのでした。

その後修平や修平母の言動によって、
阿字野先生の関心はカイに向けられ
二人の運命が大きく動き始めます……。

続きます。

「ピアノの森」Piano Best Collection I

「ピアノの森」Piano Best Collection I

 

雷句誠『金色のガッシュ!!』その2

この作品はガッシュと清磨だけでなく、
強烈な個性のコンビが次々に登場し

友情、恋愛、疑似家族のような
様々な関係性が描かれました。

ガッシュと清磨は友情だけでなく、
ボケとツッコミの間柄でもあります。

というか清磨がいないとボケっぱなしの
連中が多すぎて収集がつかなくなる……!

また、最初に戦った魔物とパートナー、
氷使いのレイコムと細川のコンビのように

細川が欲望を満たすために一方的に
レイコムを酷使している印象だったのに

実はレイコムの方も細川が悪に染まるほど
強くなるという、共存関係にあったことが
判明します。

こんな風に「一見、こう思わせておいて……」と
読者を驚かせる展開が次々に起きます。

特に3巻登場、キャンチョメとフォルゴレの
コンビにはいい意味で裏切られました。

アホで弱くて口ばかりの
しょうもないギャグキャラ

という第一印象で出てきたのに
(詳細は今は書きませんが)

大泣きしながら
(フォルゴレ……!!カッコよすぎる……!!!)
って心から思うようになるなんて……。

だいたいあの「チチをもげ!」にしても
「無敵フォルゴレ」にしても
一回聴いたら二度と忘れられない曲も反則です。

順番が前後しますが、2巻登場の
しおり&コルルのコンビも印象的でした。

どちらも心優しく、仲のいい姉妹のようだったのに
戦う意思の弱いコルルを強制参加させるため
凶暴な人格が与えられていて……。

コルルは別人格が人を傷つけるのを嫌い、
清磨に本を焼いてくれるよう頼んで
魔界へ帰っていきます。

「魔界に優しい王様がいてくれたら……」

別れ際のコルルの言葉は、ガッシュ
戦う目的となるのでした。

 コミカルなシーンも多いですが
切ない別れも結構あります……。

この戦いは100人の魔物が戦い、
最後の一人になるまで勝ち残る
バトルロイヤル方式。

映画バトル・ロワイヤル(00年)や
仮面ライダー龍騎(02)といい、
デスゲーム流行ってましたね。

続きはまた後日。本当に名作です。

金色のガッシュ!! 完全版(3)

金色のガッシュ!! 完全版(3)

 

 

チチをもげ!~モアもげバージョン~

チチをもげ!~モアもげバージョン~