昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

一色まこと『ピアノの森』その2

この作品は二部構成で、一部はカイの
小学生時代、二部は5年後です。

コミックスで言うと全26巻のうち、
小学生編は7巻まで。

アニメ版では小学生時代は一期6話まで。

最低限必要なエピソードは入れてありますが
かなり駆け足です。

まぁNHKでなくても「インバイ」を連呼する
悪ガキだの、

小5のカイに酔客が「はじめての客に
なってやる」と言い出して

周りの大人連中が暴れるカイを押さえつけて
服を脱がすとか放送できないだろうし……。

※危ういところを母の怜子が助けました。

カイの環境は上記の通り荒んだものでした。
それは修平や阿字野先生との関係性に深く影響
してるので、原作未読の方はぜひご覧ください。

この漫画は大きな喪失を抱えたキャラが
大事なものを得る、もしくは失ったものを
取り戻す物語でもあります。

「将来はヤクザかチンピラか男娼」以外の
選択肢がなかったカイはピアノによって
そこから自分と母親を救い、

生きる希望を失っていた阿字野先生もまた
カイと出会って未来を取り戻します。

修平も、「便所姫」こと丸山誉子も
多くの人がカイと関わって変化していきます。

誉子は登場時はコンクール直前、緊張のストレスから
周囲を棘のある言葉で攻撃する性格悪い子という
印象だったのに、

実は極度の上がり症で、リラックスできる場所を
思い浮かべろとカイに言われてトイレと答えたりと
ちょっとしたエピソードですごく可愛く思えてきます。

最初感じが悪いとか、冷たく見えたキャラも
次第に愛おしくてたまらなくなる、
そういう人間味の見せ方がこの作品は絶妙です。

「いい人」と言ってしまうとなんか違う。
「いいキャラ」なんです。

佐賀先生とか顕著ですよね。

個人的に後半登場するツンデレのパン・ウェイが
阿字野先生と直接顔を合わせた時のシーンとか
萌え転がりましたよ!!!!

その後パン・ウェイは才能を更に高みに押し上げ、
キャラもまた可愛さの塊に……!!!
(以下エンドレスなので自粛)

さわりしか語れませんでしたが、続きはまた後日。

「ピアノの森」 一ノ瀬 海 至高の世界

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