昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

高階良子『毒とペン』その7(好調の陰で)

先日ZOIDS
Dr.ディーの島と
いう単語が出てきたので

高階良子『ドクター
Gの島』
思い出しました。
(78年作品)

※原作は江戸川乱歩
『孤島の鬼』

なお『パノラマ島
奇譚』のコミカライズは
『血とばらの悪魔』

間違えやすいので
念のため補足。

それはそれとして

間が空いたので
大雑把に作品解説:

長年にわたって妖しく
恐ろしい、耽美な
世界を描いてきた

ベテラン少女漫画家、
高階良子先生の自伝風
マンガ。

作中では「涼」という
主人公の少女が毒母の
虐待を受けながら育ち、

漫画家となってスランプを
乗り越え、遂に独自の作風を
確立して売れっ子に作家に。

しかし好事魔多し、と
いう言葉もあるように
幸運が続けばよくない
ことも起きます。

底意地の悪い同業者が
涼がこんなことを
言ったと嘘を
触れ回り、

嘘を信じた人が
涼の新たな担当に
なったり……。

この11話では涼の
対比として、メンタル
強者の漫画家たちが
描かれます。

相手は悪口のつもりで
言った言葉を、自作品の
中で褒め言葉として
使ったり、

言葉巧みに誘われても、
会話の途中で信用
ならないと気付いたり

ポジティブに生きてる人は
陰湿な何かにまとわり
つかれても、弾き飛ばす
強さがあるのかも……。

自己肯定感の
低い涼は餌食にこそ
ならなかったものの、

去り際の言葉に
深々と心抉られて
後味の悪さが残るの
でした……。

更に12話では
一軒家を買えるほど
稼いでる涼のもとへ
毒母が転がり込みます。

頭金を快く出して
くれた母の罠に嵌り、

涼は主導権を長年に
渡って握られる
ことに……。

作中で高階先生の
ツッコミも入ってる
通り、

当時「毒親」という
言葉はありません
でしたし、

70年代はむしろ
親孝行が大事と
された風潮でしょう。

暴言吐かれても
仕事の邪魔をされても

迷惑がる気持ちが
沸くたびに涼は
罪悪感を覚えます。

遂には一軒家が
あるのに狭いアパートを
借りる羽目に……。

しかし「出る」と
噂のアパートに
入居したことで

「かごめ歌」を
モチーフにした
私に恐怖を刻んだ

ホラーの名作
『赤い沼』が誕生
するのでした。

続きます。