昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

高階良子『毒とペン』その5(70年代序盤から)

念のため解説:

ベテラン少女漫画家、
高階良子先生の自伝風
漫画。

先生の分身、主人公「涼」は
あさま山荘事件、山岳
ベースリンチ殺人など

陰鬱なニュースに
メンタルをやられたり

苦手なジャンルである
恋愛モノでの失敗も重なり
スランプに陥ります。

遂にフレンドとなかよし
編集長と担当、ついでに
弱い者いじめが大好きな
無関係な編集者まで参加しての

「恒例となった
描けなくなった漫画家を
囲んで吊し上げのこの行事」

うわぁ……(ドン引き)

当時の告発ではなく

毒母の影響でどれだけ
罵られても自分は人前では
泣けないこと、

吊し上げの場では黙っていた
なかよし編集長がフォローに

お茶に誘ってくれたことも
描いてる高階先生は聖人。

落ち込んだ涼がアパートに
帰って泣いていると
毒母が登場、嬉々として
罵倒します。

これがとどめとなり、
外へ飛び出す涼。

もう死んでしまおうかと
考えるほどの自暴自棄な
気分で新宿へ。

当時は「フーテンのたまり場」
というのがあったそう。

別名はヒッピー。
ホームレスとも少し違い、
居場所のない若者が
群れてる感じですね。

当時の漫画
長島慎二『フーテン』
影響もあって

涼はフーテンを何やら
高尚な意図があっての
行動だと思ってたので

混ざって野垂れ死にしようと
考えたのですが

行ってみたらただただ
無気力なだけ……。

呆れている涼はそこで
声をかけてきた男について
いきます。

しかし彼が語る言葉が空虚に
聞こえ、更にホテルに連れて
行かれそうになります。

男が先にタクシーを下りたので
運転手さんに出発するように
言って、男を置き去りに。

スカッとしたついでに
色々ふっ切れた涼は
本当に描きたかったものは
何かを思い出すのでした。

ヒッピーの群れというと
一条ゆかり先生が
『風の中のクレオ
取材の際に行ってみたら

あまりに無気力なので
腹が立った……と
何かで書いてたような。

実際にヒロインが怒鳴り
つけるシーンもあります。

手塚治虫ばるぼら
ヒッピー娘が意外と
インテリらしいので

拾ってみたら……という
話でしたね。

続きます。