昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

久米田康治『さよなら絶望先生』その1

さよなら絶望先生(05~)
すぐに絶望する超ネガティブ教師・糸色望
(いとしき のぞむ)、横書きすると
絶望先生と、担当する二年へ組の生徒たちとの
ブラックユーモア溢れるやり取りを描く
ほぼ一話完結の学園コメディです。

07年にアニメ化し、三期まで作られました。

シャフト制作ということもあって
OPEDのシュールなセンスが実に秀逸。

 第一話では何でもポジティブに受け止める少女、
PN:風浦可符香(ふうら かふか)が

首を吊ってる先生を止めようとして
足を引っ張り「死んだらどーする!!」と
キレられます。

可符香は「こんな素晴らしい春の日に
自ら命を絶とうなんて人いるわけありません!」

「身長を伸ばそうとしていたんですね」などと
目の前の現実を否定しても、いい方向へ解釈します。

 対して絶望先生は常にネガティブ思想で動いており

「進路……希望……」

「希望なんてない
世の中にあるのは絶望だけです!」

と、「進路絶望調査」を生徒たちに書かせたりします。

こういった言葉遊びも話の重要な要素で、

 何でも知らされる通知社会に絶望して
黒塗りの「非通知表」

みんなピリピリイライラしている
「臨界学校」など

一つのアイデアで一本話が作れるのが
素晴らしい。

可符香だけでなく他の生徒も個性的で、
絶望先生と生徒とのキレキレの
ボケツッコミからの暴走、
皮肉の利いたオチで〆るのが定番の流れ。

(暴走するのは先生の時も生徒の時もあります)

背景にぎっしり詰め込まれた毒っ気
たっぷりの一行ネタもニヤリとします。
(時事ネタが多いので今見ると懐かしい……)

先生がしょうもないことを拡大解釈して
「絶望したーー!!」と騒ぐことで

かえって読者は「ネガティブに捕らわれるのは
こんなに滑稽なことなんだ」と多少の悩みなら
笑い飛ばせるようになるのでは?

なんて素晴らしい反面教師なのでしょう。

先生が書生のような袴姿だったり、
表紙含め、学校のデザインなどのレトロな
雰囲気も素敵です。

 次回に続きます。