涼の新居のアパートは
出版社に近かったので、
そこは自然と若手女性
漫画家の集うサロンに。
夜通し語り明かしたりと
楽しいことも沢山あったの
でしょうが、
人が集まればトラブルも
起こりがち。
悪口大好きな人、お金に
ルーズな人もいるわけで
涼は色々と困らされます。
昔の恨み言を吐き出すためでなく
(この人には何をしてもいい
どんなことをしても
この人は怒らない
そう思わせてしまってる
自分が悪いのだ 腹は立つけど
どこでどう怒っていいのか
わからない)
自分を客観的に分析するのが
高階先生らしい。
また、涼がある時
出版社へ行こうとした際に
大学紛争が原因で電車が
止まったエピソードが
昭和好きとしては
たいそう興味深いです。
睨み合う機動隊とゲバ学生。
※ゲバルト=暴力(ドイツ語)
火炎ビンや石が飛び交う道を
避けて遠回りする涼。
涼(飛んでくるのは
せいぜい催涙ガス
比較的安全なこちらの
道を行くしかない)
いや、せいぜいって……。
ちなみにこの時、
涼も彼らと同年代。
親に大学に行かせて
もらってるという
涼(どんなにか羨ましく
思っても手に入れることが
できない生活を
彼らはやすやすと
手に入れてるのに
やってることはこれ!?
ふざけるな!)
メディアや「知識人」は現在も
ゲバ学生に同調してますが
当時の日本人の大半は
こんな感想だったのでは。
仕事中でも目が離せなかった
らしい……。
この後発覚した連合赤軍山岳ベース
事件=「自称選ばれし人々」が
起こした仲間同士の惨殺事件は
涼を混乱させ、
また苦手なジャンルの
マンガを描いたら散々な
結果だったこともあって
すっかりスランプに陥ります。
編集者たちが集団で
涼一人を吊し上げる姿が
連合赤軍でいう「総括」
そのものなのがまた……。
アレはこの時代、よくあること
だったのでしょうか?
(流石に死に至るまで
暴力を振るうことは稀でも)
続きはまたそのうちに。
なおあさま山荘事件の中継は
ウチの母の職場でも
TVつけっぱ状態だったとか。
最高視聴率89・7%だもんな……。