念のためあらすじ:
ベテラン少女漫画家・
高階良子先生の自伝風
マンガ。
本人がモデルの少女「涼」の
生い立ちからはじまり、
2巻からは貸本漫画でデビュー、
大手雑誌からも依頼が来ます。
驚く涼に編集者の説明が
「これまで少女雑誌は
男性作家と数少ない存在の
女性漫画家に頼ってるだけの
ものだった」
「そんな形を一新させよう
できるだけ多くの若い
女性漫画家を集めて育てよう」
そんな流れが出来ていて、
涼にも声がかかったという話。
この「育てよう」が講談社
だけでなく、業界全体の
流れだったとすると
『ポーの一族』
『トーマの心臓』
『王家の紋章』
『ベルサイユのばら』
『ガラスの仮面』
『スケバン刑事』
『はいからさんが通る』
『悪魔の花嫁』
『エロイカより愛をこめて』
70年代、これだけの名作が
出てるんだから
新人を育てる気概があれば
業界全体も栄えるのでは!?
人を使い捨てるばかりの
業界は滅ぶよ(遠い目)
しかし、この時代でなくても
漫画家を目指すような人は
良くも悪くも個性的。
その上若く社会経験も
ない人がチヤホヤされた
挙句に天狗になってしまい、
態度の悪さで嫌われて
依頼がなくなる……
(少なくない新人が
そんなバカな理由で
せっかくの才能を開花
させることなく消えていった)
若いうちから思いあがったら
大成するはずないとか
一刀両断せず
才能を育てる難しさとして
描いてるのが、高階先生らしい
公平さです。
また、本作は毒母との
長きに渡る確執も話の
特徴。
涼が漫画家になって順調に
稼いでいることを知った母は
態度を改めます。
それに喜んだ涼は
母と同居を始めますが
妹が住み込みのバイトで
家を出てしまうと
昔通りの母に……。
(もはや涼は母親にとって
お金を稼ぐ家畜でしかない!)
追い詰められる涼でしたが
長い間ファンだった
望月三起也先生のアシを
した際、
先生に励まされた言葉が
原動力となり、家を出ます。
続きます。
涼が出版社のパーティで
わたなべまさこ先生と
お話できて感激する
シーンがありますが
90代で未だ現役なのがすごい……。