昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

高階良子『70年目の告白~毒とペン~』その2

「涼」の受けた虐待に
ついて詳細は書きませんが

(長年あそこまでされたのに、
母にはこういう事情も
あって……)と

客観的な視点をちゃんと
入れてる高階さんは
本当にいい人だ……。

また、愛情をかけてくれた
早死にした父に対しても

「自営にこだわって人に
使われるのを嫌がったため、
生活は苦しかった」と冷静に
指摘してます。

お父さんを早くに亡くした
エピソードを知ると
高階作品に繰り返し出てくる

ヒロインと彼女を導く
保護者のような
ヒーローとの関係性は
そういうことかと……。

例:『マジシャン』
葵昌吾と由貴。

あと孤児だったり、家族にも
疎外されてる描写が多いですね。

例:『赤い沼』『化石の島』
『はるかなるレムリアより』
『交換日記殺人事件』
『鬼あざみ』……。

戦後のことですから、虐待、
ネグレクト、パワハラなんて
言葉もありません。

母親のサンドバッグ扱いの
子が、周囲からどんな目に
遭うかはお察しください。

70年代頃のフィクション
作品のいじめ描写のえげつなさは
当時リアルでもアレだったから
なんだろうな……。

教師の言いつけでクラス
全員から殴られてる時に

涼(でも殴られてる時に
面白いことに気づいた)

思いきり殴ったり
殴るふりだけの子がいたと
冷静に観察している……。

この精神的タフさと観察眼が
彼女を漫画家として大成
させたのでしょう。

コレで思ったけど
連合赤軍の総括って
日教組方式だったんだな……。

その後、段ボール工場で
就職してからも、色んな人の
話を聞いたり観察してます。

工場で働きながら
(時に嫌がらせも受けつつ)
漫画を描いてデビューする……
本当にすごいことです。

当時の漫画は「貸本」が主で
漫画雑誌はまだ少ない頃。

同人会に送った作品が
出版社に転送されて
そのままデビューとか

担当などはつかず、
完成原稿を送って
本と原稿料が送られるとか

貸本時代のマンガ家の
創作状況ってめちゃくちゃ
貴重な証言ですよ!!

涼は貸本出版社の
雰囲気も気に入ってましたが
やがて講談社の雑誌「Kフレンド」
から話が来ます。

続きはまた後日。