昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『仮面ライダー555』 

今日9月13日は、みんな大好きカイザの日!
というわけで555(ファイズ)を語ります。

仮面ライダー555』平成ライダー4作目の
仮面ライダーです。

大雑把に説明すると「オルフェノク」と呼ばれる
普段は人間の姿で世に潜む怪物が人類を滅ぼそうとし、

それを倒せるベルト「ファイズ」「カイザ」
「デルタ」の三つで変身して戦う
仮面ライダーのお話です。

主人公、乾巧はひょんなことから
ヒロイン・真理と出会い、彼女が持っていた
ドライバー(変身ベルト)を手にしてファイズになります。

無愛想でぶっきらぼうで、誰よりも優しいけど
不器用な巧が

「俺には夢がない。でもな、夢を守ることはできる」

次第にヒーローとして成長していくのですが

二号ライダーにあたる「カイザ」のドライバー使用者・
草加雅人が実に曲者。

一見人当りもよく、人類を護ろうとする
強い信念の持ち主で、真理を一途に想っている。

 

ただし裏の顔があって、

「俺を好きにならない奴は邪魔なんだよ!」
の名台詞通り、口下手な巧は陥れられてしまうのでした。

更に、オルフェノクながら分かり合えるかも、と
いう方向になっていた木場勇治をファイズ
なりすまして襲い、巧との絆を壊してしまいます。

ドライバーが奪い奪われ行き来するため、
変身解除を見るまで、中身が誰かわからないという
この作品ならではのエピソードです。


そもそも何故、巧がファイズに変身できたのか?

実は彼がオルフェノクだったからという
衝撃の事実も明かされます。

確かに、自分のことを語りたがらず
どこか投げやりだったのはそういうことか……!
と納得したシーンでもありました。

あと犬科も猫舌だし!

正義のヒーローでありながら化物でもある乾巧。

同じくヒーローでありながら、相反する一面を持ち
それでいてどこか憎めない男・草加雅人。

今なお愛され続ける二人が参戦する
仮面ライダージオウ5・6話が
今から楽しみでなりません。

海堂や木場など、他の魅力的なキャラの
話はまた次回。

 

仮面ライダー555(ファイズ) Blu-ray BOX1

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稲田浩司・三条陸『DRAGON QUEST ダイの大冒険』

DRAGON QUEST ダイの大冒険(89~)は
ドラクエの世界観・設定を基にした別作品です。

簡単に説明すると、12歳の少年勇者ダイが
仲間たちと共に大魔王バーンを倒すお話。

印象深いキャラや名場面が多いため、
未だにネットで語られています。

よく名前が挙がるのはダイの相棒・
魔法使いのポップと
獣王クロコダインでしょうか。

 

序盤、かつて世界を魔王ハドラーから救った
勇者にしてダイとポップの師匠・アバンが
復活したハドラーと相討ちになります。

ハドラーは大魔王バーンによって蘇っていたので
二人はバーンを倒すべく旅に出るのでした。

ダイが子供ながら勇者として覚悟完了してるのに対し、

ポップはお調子者で臆病でスケベで、という実に
人間的なキャラです。

そんなポップが勇気と知恵を振り絞って必死に敵に
挑む姿は数多の名場面を生みました。

最初は対クロコダイン戦。

一度は怖気づいて逃げ出したものの、
「相手によって出したり引っ込めたりするのは
本当の勇気じゃなぁいっ!!!」と叱咤され、
再び戦場に戻ってきます。

命を捨てる気かとクロコダインに問われ、

「仲間を見捨てて自分だけぬくぬくと生きてる
なんて……死ぬよりカッコ悪ィやって……
そう思っただけさ……」

能力は未熟でも、それを最大限生かす策を考える、
ポップの戦闘スタイルの誕生です。

敗れたクロコダインはその後、頼もしい味方と
なるのでした。

この作品の特色として、正義側も悪の側も
成長するということ。

特に「三流魔王」とまで呼ばれたバドラーは
後に別人のように覚醒します。

遂にはポップと敵味方を超えた友情を育んだ
名場面は涙なしでは見られません。

 

原作の三条陸さんは仮面ライダーW』『ドライブ』
キョウリュウジャーなど特撮作品の脚本も
手掛けています。

熱き王道の少年漫画スピリッツはこの当時から
健在なので、上記の作品が好きな人には
特におススメです。

全然語り足りないので続きはまた今度。

特にヒュンケルを……!

 

 

いつから「ナンパ」と言われるようになったの?

うる星やつら(78年~)の諸星あたるとか、
有閑倶楽部(81年~)の美童が女の子を口説き
行くのを「ガールハントしてくる」と言ってました。

もはやガールハントなんて言葉は
死語になってしまいましたが、

いったいいつの間に「ナンパする」という
言い方に変わったのでしょうか?素朴な疑問。

さかのぼりますが
一条ゆかり『9月のポピィ』(72年)でも

「ガールハント」「ボーイハント」を
使っているので70年代は間違いなく
「ナンパする」という単語は生まれてないでしょう。

そもそも「ナンパ」=「軟派」という
男らしい硬派とは真逆の、女好きで軽薄な奴
というイメージから来たもの。

近藤真彦「真夏の一秒」(83年)に
「ナンパ野郎の RISING 恋なら転がりな」

という歌詞があり、この時点ではまだ
「ナンパする」という動詞にはなっていません。

超獣機神ダンクーガ(85年)のメインキャラの一人、
式部雅人の趣味が「ガールハント」と
当時の設定資料集に載っており、

ここはグリーンウッド(86年~)では
謎の怪しい女(正体は変装中のアイドル)に声をかけられ
忍が「なんだナンパか」と言ってます。

この辺りでガールハントからナンパに
代わったのかと思いますが

紫堂恭子辺境警備(88年~)だと
まだ「ガールハント」を使っています。

ただし90年代には同作品で「ナンパ」と
言ってるので、80年代後半から少しずつ
変化していったのでしょうね。

何故言葉が変わったのか、やはり「ハント」という
単語が何か引っかかったのでしょうか?

どこかのマンガやドラマなどで「ナンパする」を
使い始めて、皆がそれに乗った?

単語ひとつで、そのマンガの描かれた時代が
わかるのはなかなか興味深いです。

ちなみに「ガールハント」時代の方が、
男女ともに恋愛に積極的だった印象ですが
それはまた後程。

細川智栄子『王家の紋章』

王家の紋章(76年~現在も連載中)は

大雑把に説明すると、現代人のアメリカ娘キャロルが
不思議な力で古代エジプトに連れて行かれ
エジプト王メンフィスと出会い、妃に迎えられます。

金髪に白い肌というだけでも珍しいのに
考古学を専攻する学生だったキャロルの知識は
古代人を圧倒します。

「神の娘」(ナイル川から現れたので)「ナイルの娘」と
古代エジプト人たちから崇拝を受け、

他国の王や王子、さまざまな人間たちが
彼女を狙うのでした……。

こういう風に書くと今時のラノベっぽい。

キャロルを古代に連れ去ったのは
メンフィスの姉、下エジプト女王アイシスです。

ことの起こりは、キャロルの父親であり
資産家のリード卿がスポンサーとなって
エジプトで若き王のミイラを発掘します。

ミイラは若死したメンフィスのものでした。

その際、一緒に埋葬されていたアイシス
ミイラが生身の姿を取り戻し

彼の遺体を晒し者にしようとする者たちに
報いを与えようとします。

しかし途中でアイシスの能力を遮る
呪術版が復元されてしまい、
彼女は力を失ってしまいます。

かくなる上はキャロルだけでもと
アイシスは彼女を拉致して古代に戻るのですが

罰のつもりが、最愛の弟メンフィスを
奪われるという皮肉な結果に。

その後何度もアイシスはキャロルの命を狙いますが
毎回失敗に終わります。

危なくなったらナイル川に落ちて現代へ戻り
手当てされて帰ってくる。

基本このパターンとはいえ、

読者を引き込むパワーに溢れた作品なので
ツッコミを入れつつ楽しく読めます。

そもそもキャロルさらわれすぎ!

 

エジプトの他にもヒッタイトリビア
アッシリアバビロニア・ミノア・
メディア・アビシニア(=エチオピア
更にアマゾネスまで様々な国や文明が登場。

この作品で古代メソポタミア史に興味を
持った人も多いと聞きます。

私のお気に入りはヒッタイトイズミル王子ですが、
報われない恋を40年以上も続けてるかと思うと
不憫でなりません……。

 

『超獣機神ダンクーガ』

超獣機神ダンクーガ(85年)は4体合体の
ロボット「ダンクーガ」を駆る4人のパイロットたちが

宇宙からの侵略者ムゲ・ゾルバドス帝国に
立ち向かう話です。

第一話でいきなりムゲ帝国により地球軍が壊滅、
各国はレジスタンスで抵抗する羽目に。

更に地球軍士官学校の教官・シャピロが敵側に
寝返り、参謀として侵攻を手助けします。

そんな状況の中、地球軍最後の切り札
4体の「獣戦機」とパイロットの「獣戦機隊」です。

 

主人公は「やぁってやるぜ!」が口グセの
ケンカっ早い熱血主人公(意外とナイーブ)
藤原忍。18歳。

搭乗機体はイーグルファイター。

ヒロインは真っ赤な長い髪に大きな緑の瞳、
乗るメカが黒豹という、設定全てが気性の激しさを
物語る結城沙羅。18歳。

搭乗機体はランドクーガー。

シャピロとは恋人同士だったので、時折
憂いに沈むギャップもまた良し。

最年少17歳の陽気なお調子者・式部雅人。
本番に強くてタフな、頼れる童顔少年。
若干ロリコン気味。

搭乗機体はランドライガー

最年長は19歳の司馬亮。

白バラくわえて一番最後にやって来た、
ちょっとキザな拳法の達人。

搭乗機体はビッグモス。

よく「象さんが帽子かぶって下駄履いた」と
言われるのがダンクーガです。

間違ってない……けど……。

 

全員揃うのは第5話、全員のメカが人型に
変形するのが11話、ダンクーガへの合体が
16話と、今では考えられないほど展開が
ゆっくりです。

何しろ強烈な個性の持ち主ばかり揃ってるので、
ケンカ、まとまらない、命令無視は日常茶飯事。

そんな危なっかしい彼らの成長が
じっくりと描かれています。

 

また、この物語は裏切り者シャピロの
野望と愛と挫折を描いたピカレスクロマンの
一面もあります。

だから獣戦機隊とシャピロを好きに
なれるかで「ダンクーガ」への
評価は大きく変わると思います。

私は大っっっ~~~好きです!!!

長くなりますので詳細はまたいずれ。
あと黒騎士アラン・イゴールについても(以下略)

 

超獣機神ダンクーガ Blu-ray Disc BOX 1

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昭和の学園マンガあるある5 ラブレター騒動

『聖アリス帝国』で変化薫がくつ箱を開けた途端、
雪崩のように落ちてくるラブレターの山に
猛烈に懐かしい気分になりました。

くつ箱にラブレターは昭和の定番のようですが、
シブガキ隊の「NAI NAI 16(シックスティーン)」
の歌詞で

「笑わせるぜくつ箱にラブレターなんて
乙女チックなマンガでもまず見当たらないね」
とあるので、

少なくともこの歌が発表された82年には
古い表現とみなされていたことになります。

とはいえ『あいつがHERO!』(82年~)で
ヒロイン・若菜のくつ箱にラブレターが入って
ましたけども。

このラブレターは竜の印象を良くしようと
ジョーが書いたもので、結果は逆効果に。

原ちえ子『くせっ毛ララバイ』(83年~)では
ぽっちゃり少女のかな子が、親友に頼まれて
モテ男の石倉くんにラブレターを渡そうとしますが

彼が好きなのはかな子だと分かり
親友との仲が危うくなる話があります。

やじきた学園道中記でも、かつ姫こと桂丸
(美少年)を「姫御前」と勘違いした小次郎の
ラブレターが本物の姫御前に届いてしまい、

姫御前に桂丸共々イタズラをしかけられることに。

『悪魔は眠らない』でもいじめられっ子が
持っていたラブレターを人前に晒され、
逃げ出した先で悪魔マリアに遭遇。

マリアの力で怪物になった少年は、
いじめっ子たちに復讐を始めるのでした。

たかが一通の手紙があらゆるトラブルや
死亡フラグまで招くという恐ろしさ。

しかしラブレターを貰う=「そのキャラは
モテる」という描写になるので
創作には非常に便利な代物とも言えます。

電磁戦隊メガレンジャー(97年~)OPで
メガブルーがラブレターを貰っています。

この辺りからメールやSNSに手紙文化
そのものが取って替わられた印象ですね。

 

さすがに最近は見ないと思ってたら

あだち充『MIX』でヒロインのモテ描写として
登場。

個人的にはこのご時世に手書きの手紙は
粋だと思うので、なくなってほしくないなー。

昭和の学園マンガあるある4  憧れの君の二つ名

昭和のマンガ、特に学園モノでは憧れの対象に
格調高い二つ名がついてるのがお約束です。

『聖アリス帝国』では演劇部の美人部長・変化薫が
「薫の君」と呼ばれていました。

おにいさまへ……』でも
ボーイッシュな折原薫が「薫の君」で、

ミステリアスな朝霞れいが「サン・ジュストさま」

やじきた学園道中記でも
ハーディがごく一部から「風使いの君」と
呼ばれています。

初登場はホモの変態暴走族の頭だったのに、
再登場のたびに大物設定がついていく男……。

川原泉笑う大天使(ミカエル)』でも
名門女子高、聖ミカエル学園の三年生が

「紫の上」「白薔薇の君」「桔梗の宮」
ほっこりいい人のお嬢様方です。

主人公たちにも
「コロボックルちゃん」「オスカル様」
ケンシロウ様」という
あだ名がついています。

これも80年代後半から、特殊な設定の作品を除いては
あまり見かけなくなりました。

キューティハニーリメイク版
キューティハニーF(フラッシュ)』(97~)では

ハニーが速水奨さんボイスの憧れの君を
「黄昏のプリンス様」と呼んでおり
懐かしい感じがしたものです。

マリア様が見てる(小説は98~、アニメは04)
舞台の名門女子高、私立リリアン女学園高等部」
には姉妹(スール)制度があり

紅薔薇」(ロサ・キネンシス)が三年生の水野蓉子

その「妹」が二年生の小笠原祥子
紅薔薇のつぼみ」(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン

更にその「妹」の一年生(主人公)福沢裕巳は

紅薔薇のつぼみの妹」
ロサ・キネンシス・アンブゥトンプティ・スール

……ここまで来ると呪文みたいですね。

直接名前を呼ぶのではなく、あだ名をつける、
それも「~の君」とかとても日本的で
私は好きです。

今の感覚だと、呼ぶほうも呼ばれる方も
大人になった頃枕に顔をうずめて転がりそうですけど。

キャンディ・キャンディ
「丘の上の王子様」もそうですね。

もうタイトルすら知らないって人も
多いかも……。