『聖アリス帝国』で変化薫がくつ箱を開けた途端、
雪崩のように落ちてくるラブレターの山に
猛烈に懐かしい気分になりました。
くつ箱にラブレターは昭和の定番のようですが、
シブガキ隊の「NAI NAI 16(シックスティーン)」
の歌詞で
「笑わせるぜくつ箱にラブレターなんて
乙女チックなマンガでもまず見当たらないね」
とあるので、
少なくともこの歌が発表された82年には
古い表現とみなされていたことになります。
とはいえ『あいつがHERO!』(82年~)で
ヒロイン・若菜のくつ箱にラブレターが入って
ましたけども。
このラブレターは竜の印象を良くしようと
ジョーが書いたもので、結果は逆効果に。
原ちえ子『くせっ毛ララバイ』(83年~)では
ぽっちゃり少女のかな子が、親友に頼まれて
モテ男の石倉くんにラブレターを渡そうとしますが
彼が好きなのはかな子だと分かり
親友との仲が危うくなる話があります。
『やじきた学園道中記』でも、かつ姫こと桂丸
(美少年)を「姫御前」と勘違いした小次郎の
ラブレターが本物の姫御前に届いてしまい、
姫御前に桂丸共々イタズラをしかけられることに。
『悪魔は眠らない』でもいじめられっ子が
持っていたラブレターを人前に晒され、
逃げ出した先で悪魔マリアに遭遇。
マリアの力で怪物になった少年は、
いじめっ子たちに復讐を始めるのでした。
たかが一通の手紙があらゆるトラブルや
死亡フラグまで招くという恐ろしさ。
しかしラブレターを貰う=「そのキャラは
モテる」という描写になるので
創作には非常に便利な代物とも言えます。
『電磁戦隊メガレンジャー』(97年~)OPで
メガブルーがラブレターを貰っています。
この辺りからメールやSNSに手紙文化
そのものが取って替わられた印象ですね。
さすがに最近は見ないと思ってたら
あだち充『MIX』でヒロインのモテ描写として
登場。
個人的にはこのご時世に手書きの手紙は
粋だと思うので、なくなってほしくないなー。