昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『仮面ライダーエグゼイド』檀黎斗(だん くろと)

本日9月6日は黎斗(くろと)の日です!
というわけで10時に合わせてエグゼイド話を。

仮面ライダーエグゼイド』は平成18作目の
仮面ライダーで、

実体化したゲームウィルス「バグスター」
により人間が「ゲーム病」に罹患、
ライダーに変身したドクターが戦うという
物語でした。

 

ドクターライダーたちは「ガシャット」と
いうアイテムをドライバー(=変身ベルト)に
挿して変身するのですが

檀黎斗(だん くろと)はドライバー
ガシャット製作者兼ゲーム会社の社長として
ライダーたちの協力者を装いつつも
実はバグスターとも共犯関係にあり、

5人目のライダー「ゲンム」として
彼らの邪魔をしていたことが明かされます。

当初から檀黎斗を疑っていた4号ライダー
「レーザー」を消滅に追い込んだ辺りから
どんどん暴走していく様は

「檀黎斗劇場」と呼ばれ、
作品をとてつもなく盛り上げました。

 

22話に至っては突然のガサ入れに
動揺するところから始まり

捕まるのを恐れて自分でゲーム病に罹患、
主人公永夢(えむ)に「助けてくれ!死にたくない」

 入院させてもらったのに時間稼ぎがすんだら
さっさとネタ晴らし。

「君は最高のモルモットだァ!」
真冬の港で上半身裸で高笑いするのでした。

 22話だけでいろんなことが起きすぎ……!

 

結局23話で、新フォームで倒されてしまい
味方のはずのバグスター、パラドに裏切られ

「私は……不滅だーーーー!!」
叫びながら消滅します。

しかし30話で今度はバグスターとして復活。

一切改心も反省もしないまま
ドクターライダーたちと共闘し、

クライマックスに向けて重くなりがちな展開を
ありとあらゆる形で引っ掻き回すのでした。

 

これでも何度となく世界の危機を
救っているので(だいたいの元凶でもある)

「私は神だーーー!!」という主張も
間違ってないのが凄いところ。

ここまで書いても、まだ神の偉業の
半分も語っていない……!!

エグゼイドは大好きすぎるので、
またそのうちに。

 

 

昭和の学園マンガあるある3 妙に熱心な新聞部

昭和のマンガでは、よくカメラ片手に学校の内外を
うろついて特ダネを探す新聞部キャラがいました。

悪役としてなら主人公のプライバシーを嗅ぎまわったり、
捏造記事まで作って貶めます。

味方なら皆のためになる情報を掴んだりと
様々な役割を担っていました。

一条ゆかり『ママン・レーヌに首ったけ』(76年)の
主人公マシューは人気投票一位になったせいで
新聞部に張りつかれ、

校内新聞にマザコンだのゲイだの
あることないこと書かれてしまったため
彼女を作ることが困難に。

宮原ナオ『三軍神参上!』だと京助が新聞部部長・
新島亜矢子に好きな人の敵かもしれない、と誤解されて
悪意ある捏造記事を出されたことがありました。

『ガクエン情報部H.I.P』では
主人公・泊桃太郎と仲間の遊子さんが
不順異性交遊の関係だとでっち上げられますが、
実は遊子さんの方で売り込んでいたオチでした。

『聖アリス帝国』でも常に特ダネを探す新聞部員
八木沼くんがいました。

生徒会副会長たちが不正な金を稼ぐ際、
隠語として使っていた「黄色いリンゴ」の
ことを最初に聞いたのは彼でした。

また、主人公が新聞部に所属する
パターンもあります。

柿崎普美『悪魔は眠らない』(81年)の
ヒロイン一美(ひとみ)と親友、

『悪魔の花嫁』のヒロイン・美奈子も

榛野なな恵Papa told meの知世ちゃんも新聞部です。

普段接点のない人に出会ったり、
未知の場所に行く理由になるので
便利な設定なのでしょう。

新聞部でなく、写真部がその役割の
場合もあります。

キャッツ・アイ序盤で、逃走中のキャッツアイの
写真を偶然撮った写真部の女の子のエピソードがありました。

大騒ぎして写真は影だけというオチ。

なお『BEASTRES』の新聞部は
校内の世論を代表するような立場です。

 

今はネット環境があれば誰でも情報発信者になれますが、
当時は新聞・雑誌など情報は一方的に与えられるものでした。

だからこそ新聞部も張り切っていたのでしょうね。

昭和の学園マンガあるある2 特権階級

生徒会=特権階級のマンガも多いですが、
それ以外にも理事長の娘とか
資産家や権力者の子弟のパターンがあります。

『聖アリス帝国』では成績優秀者や
多額な寄付金を出した生徒は「貴族」と呼ばれます。

※正式名称は「特優生」

他の生徒を顎でこき使ったり、校則違反の
アクセサリーも風紀委員は黙認してました。

貴族として選ばれてたのに
「自分たちを何様だと思ってるんだ!思い上がるな!」と

女王陛下もとい生徒会長にケンカを売るキッドは男の中の男。

池田理代子おにいさまへ……』(74年連載)では
名門女子高の特権階級「ソロリティ」が登場します。

大雑把に説明すると、容姿端麗や成績優秀とかの
選ばれし生徒を集めた社交サークル。

生徒たちは皆ソロリティに憧れており、

目に留めてもらうために、唇をずっと噛んで
色をつけるなんて生徒がいるほどでした。

市東亮子やじきた学園道中記(日光編)の
「姫御前」は“光徳学園で絶対的権力を持つ存在”と
言われていて、学園内に専用の部屋や場所を持っています。

奥日光の妖怪変化の異名を持ち、口調もまた
時代劇っぽい。そして実にキャラが濃い。

(御簾ごしの対応は礼を欠いてると言われ)

「こなたの言わしゃるとおりじゃ。
ほんにこれはわらわの不調法。あやまりまする」

ただし一般生徒たちはその世界には巻き込まれず、
「高貴なお方っつーのは常識的には
プッツンだからな」なんて冷静に話しています。

高階良子ピアノソナタ殺人事件』(79年)は
理事長の娘で専用の音楽室「聖子様のサロン」を
持つ女王様キャラが殺害される話でした。

みやすのんきやるっきゃ騎士(ナイト)』(84年連載)でも
財閥令嬢の美崎静香を会長とする、女生徒のみで
構成された「自治クラブ」が女尊男卑思想で
学園を支配していました。

まさか2015年に実写映画化するなんて……。

この手の特権階級はお嬢様キャラが大半で、

お坊ちゃんの集まりは花より男子のF4くらい
でしょうか。

昭和の学園マンガあるある1 最高権力者は生徒会長

学園モノには今も昔も欠かせないキャラが生徒会長ですが
役割はだいぶ変わりました。

70~80年代前半だと、生徒会長イコール
学園の支配者のような設定が多く、

美内すずえ『聖アリス帝国』の大和火美子
「女王陛下……もとい生徒会長」と毎回のように
生徒が言い直すシーンがあり、

喋り方もそれっぽく「おしい男よの……」とか
時代劇っぽい。

『コーターローまかりとおる!』の鱈子一郎こと

タラコ唇とダジャレでおなじみの生徒会長は、

巧太郎への私怨から運動部に
あるルールを定めます。

詳細は省きますが、そのせいで全く無関係な
柔道部の伊賀くんまで全国レベルの技量を持ちながら
ずっと無名のままでした。

80年代も後半になると、生徒会長の描かれ方も
「権力者」から「優等生」「人気者」へと
リアル寄りになってきます。

『究極超人あ~る』の生徒会長・西園寺まりい

 本人は真面目に頑張ってるのに空回り気味で、
周りから引かれたり突っ込まれたりもします。

ここはグリーン・ウッド』の手塚忍の
会長設定は「誰もが知る優等生」とイコールの扱いです。

フルーツバスケット』の草摩由希もそんな感じ。

兄の綾女も生徒会長でしたが、優等生というよりは
人気者としての扱いですね。

 

また特殊な例として

少女革命ウテナ』の生徒会長・桐生冬芽

住んでいる専用の寮が「ホワイトハウス」と呼ばれていました。
(※コミカライズ版に登場)

きんぎょ注意報!』の
藤ノ宮千歳の生徒会長兼理事長や

監獄学園(プリズンスクール)』の
裏生徒会も、本来生徒が囚人と看守役とか
ありえないですが、

この3作のように浮世離れした設定のマンガだと
パロディ的に「生徒会長=最高権力者」
設定がまだ使えるのでしょうね。

ぶっ飛んだ設定は大好物ですので
リアリティとか気にせず、唯一無二のインパクトの
作品が増えればいいと思っています。

 

美内すずえ『聖アリス帝国』

『聖(セント)アリス帝国』(76年~)は
主人公・花木桃子の視点で特殊な高校
「聖アリス学園」を描いた作品です。

桃子自身は“元気な普通の子”
くらいのキャラですが、
周りのキャラや学校の設定が猛烈に濃い。

・別名「女王陛下」と呼ばれる生徒会長。

・「貴族」と呼ばれる特権階級が他の
一般生徒たちより露骨に優遇される。

・それに反発し「貴族」だけを相手に盗みを働く
仮面に黒マントの「怪盗ゼロ」が生徒たちに大人気。

・同じく「貴族」の部活に殴り込んでは
優勝カップなどを奪っていく「海賊キッド」

現代日本の高校の話です。

教師よりも権力のある生徒会に
教師より厳しい風紀委員、

特ダネを狙って学校をうろつく新聞部、

「~じゃよ」なんて語尾であだ名は「おばば」
占いの達人なんていう無駄にキャラ立ちした生徒、

反抗的な生徒は地下牢で拷問、

演劇部の美人部長「薫の君」が靴箱を開けると
ラブレターが雪崩のように落ちてくる……。

このザ・昭和な感じ、もはや愛おしいと言うほかない!!

この話のメインは怪盗ゼロで、彼の正体や秘密
桃子との恋愛フラグなどが描かれますが、
私のお気に入りは「海賊キッド」

ガラスの仮面の速水さんや桜小路くん
『妖鬼妃伝』の九曜さんなど、

美内作品の男性キャラは
物静かとか、大人しいタイプが多いのに、
キッドは珍しくワイルドな二枚目です。

常に眼帯、シャツは思い切り前を開け、
首にスカーフを巻いてフェンシングの剣を持ち、
子分たちから「頭(かしら)」と呼ばれてる。

勿論キッドの方でも「やろうども!」ですよ。

数年後に床を転げまわりそうなほどいい感じに
こじらせてますね!

ちなみに本名は木戸次郎です。

全四話なんですが、伏線をたっぷり残して終わってます。
もっと読みたかったな……。

 

この作品発表時、既にガラスの仮面
連載がはじまっています。

ツッコミどころ満載なのに、読者を強引に引き込む
強烈なエネルギーの塊ですよね、昭和のマンガって。

 

 

 

にわのまこと『THE MOMOTAROH』

ザ・モモタロウ(87年連載開始)は
桃太郎の子孫のプロレスラー、ザ・モモタロウ
活躍するコメディ多めの格闘マンガです。

メインキャラには

金太郎頭でコスチュームに○に金の字がデカデカと
書かれてる「サカタ・ザ・ゴージャス・キンタロウ」こと
通称キンちゃん。

「牛若丸」モチーフのギャグキャラ牛バカ丸と
その忠臣にして渋いパワーファイター、
ザ・グレート・ベンケー。

浦島太郎の子孫でムー帝国王子、ウラシマ・まりん。

序盤の敵としてアカオニ・トム&アオオニ・マイクの
バカオニ兄弟などおとぎ話・昔話モチーフの
魅力的なキャラが多数出てきます。

いつも思うけど、キンちゃんのあの頭とコス、
まりんちゃんのちょんまげヘルメットでも
イケメンに見えるのは本当に不思議……。

ジャンプ作品、しかもプロレスものなので
基本戦ってばかりですが

試合の合間にもハイテンションなギャグが
テンポよく挟まれるのがこの作品の特徴。

個人的にバカオニ兄弟VSモモキンズ(第二話)

キンちゃんの頭で回るブレイクダンス状態の蹴り技、
アシガラ・スピンキックからの

モモ「かくも不思議な人間ゴマでございますっ!」

(中略)

キン「何が北京ダックさん(28)だっ!!」

の流れは神がかってるとしか言いようがない。

「何てこった、こいつは伝説になるぜ……!」
(BYホウオウソルジャー)
と思った瞬間でした。

モモタロウのギャグ状態(?)謎生物もんがーとか

ギャグ担当牛バカ&キンちゃんパパの
話の腰を折りまくる怒涛のギャグとか、

80年代後半、特に濃厚かつ伝説クラスの
作品が並ぶジャンプに相応しい、
素晴らしい作品でした。

 

先日『仮面ライダービルド』とプロレスが
コラボしてる番組がありまして、
今、プロレスブームなんだそうです。

ならば今こそモモタロウのアニメ化を!!

「おしーり ふーりふーり もんがもんがー♪」を
音声と動きつきで観てみたい…………ッ!!

七尺兄弟の「ワンツー・ハイ」も!!

切に切に願っております(懇願

 

 

 

上原きみ子『カプリの真珠』

『カプリの真珠』(72年連載開始)は
イタリアの美しい観光地・
カプリ島を舞台に繰り広げられる、

ホテル王シェル家の令嬢
おてんば娘のシンシアと
両親のいない少年ロメオとの
恋の行方を描いた少女漫画です。

身分違いの男女の許されない恋……と書くと
何だか悲しげな展開を想像しますが

初登場からロメオのひく観光馬車を
いきなり乗っ取ろうとするフリーダムっぷりを
発揮するシンシアのこと、

妨害も意地悪も、泣きはしつつも決してくじけない。

タフでパワフルで天衣無縫。そしてとてもお人よし。

そんなシンシアを応援せずにはいられない漫画です。

意地悪なキャラも、完全に悪人ではなく
時には主人公を励ましたり、

退き時を心得てたりで憎めないキャラ造形に
なっているので後味もいいです。

またこの話のバックストーリーには、

10年前家出して行方不明のシンシアの異母姉と

ロメオと幼い弟妹を養ってくれている
優しい牧場主アントニオ

この二人の「結ばれなかった恋」の物語が
隠れており、シンシアとロメオの恋の行方を
ややこしくしています。

(ロメオORシンシアが周囲に詳しい事情を
説明すれば、すごくスムーズに終わる話だよな……)
というツッコミをする間もない勢いでドラマは展開します。

乙女のロマンと怒涛の超展開を惜しみなく詰め込み
決してくじけぬ強いヒロイン、

70年代特有のキラキラした大きな瞳と作風、
特有のノリは人を選ぶかもしれませんが

一度ハマるとクセになるのが上原きみ子作品です。

 

私くらいの年代の人は、小学館の「小学○年生」で
この方のバレエ漫画「マリちゃんシリーズ」
読んだことがある人も多いのではないでしょうか。

タイトルは作品によって少し違いますが、
とりあえず「まりちゃん」という女の子が
バレリーナを目指すお話です。

※だいたい記憶喪失のママとか出てくる。

舞子の詩(うた)』なども含め、昭和の少女が
初めてバレエに触れたのは上原きみ子作品と
言っても過言ではないかも……。