昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

鯨庭『言葉の獣』その4(第2巻感想2)

本作の魅力は徹底した
言葉の意味の追及。

なので言葉にこだわりが
あって、本作の解釈に
同意できる人には
強烈に刺さる作品です。

「寂しい」の獣は
胸に開いた穴を
通り抜けていく→
ふと寂しいと思う。

獣は二人の心の穴はふわりと
軽やかに通り抜けてますが

「誹謗中傷」の獣は
心の穴を通り抜けられる時、

無理に押し入られて
強い苦痛を感じている
ように描かれます。

孤独を自覚する時、
ものすごくネガティブな
気分になるか、

あっさりと受け入れるかは
人それぞれということですね。

やっけんの「孤独」の獣は
子犬っぽくて可愛らしい。

彼女が孤独をポジティブに
捕えている証です。

今回、誹謗中傷の獣は
やっけんが彼(?)の
絵から

好きなゲームを当てて
話題にすると、話に
乗ってきます。

楽しそうに話すうちに
悪意を囁き続ける

「するい」の獣の
声に耳を貸さなく
なります。

愛は悪意より強い(確信)

自分から下手くそな
絵を見せて上機嫌に
なったものの

孤独の獣に胸の穴を
通り抜けられて痛みに泣き、

多少穏やかになったら
別の「誹謗中傷」から
攻撃されるというのが
なんとも哀れです。

しかし結局は
これが真理ですね。

やっけん「どんな生き方をしても
誰かを傷つけていい
特権は与えられない」

立ち去る彼(?)にそれでも
涙するやっけんは優しい……。

獣は個人な時もあり、
イメージでもあるので
彼(?)がどうなるかは
わかりませんが

何か変化があれば
いいですね。

「ずるい」の獣は反省なんか
しないんだろうな……。

宇宙刑事ギャバン』OPの二番、
「悪い奴らは天使の顔して
心で爪をといでるものさ♪」
が、奴を見て脳内再生されました。

第9話の冒頭、授業で
ラスコー壁画の画像と共に
「文字がなかった頃の
記録」と説明されます。

やっけん「記録って
なんだ?」

という前フリから二人が
離れた場所で別々の獣を
見る→

その場にいない人に伝える
ために絵を描く、という
流れから

記録の大切さと、互いの
認識の違いを実感する二人。

同時に現れた二体の
獣の名前は……?

続きも楽しみです!!