昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

佐藤二葉『アンナ・コムネナ』

『アンナ・コムネナ』(21~)
は、中世ビザンツ帝国
皇女であり、歴史家でも
あった実在の人物アンナを
描いた歴史四コマ漫画です。

語り口はコミカルでほのぼの。
「強気で自信家の皇女様と
有能でおっとり優しい夫」
とのラブコメでもあります。

アンナの結婚は12歳。
相手のニケフォロスは16歳。

政略結婚ですが
仲睦まじい夫婦です。

宮廷の連中に「手綱をしっかり
握れ」「猛獣の扱いは初めが
肝心だぞ」と軽口を叩かれた時

「アンナ殿は馬や獣では
ありません。
芯が強い人を揶揄するのは
良くない事です」

この台詞でニケフォロスの
真面目で誠実な人柄が伝わります。

物陰から聞いていたアンナ母
だけでなく、アンナに厳しい
ことを言ってた侍女まで

(認める……)と涙ぐんでる
のがいい……。

女が書き物をするなど
はしたないとされる時代に

ニケフォロス「あなたには
才能がある」

当時は貴重な筆記具を
くれたり、彼女が話したことを
小さな本にまとめて戦場へ
持って行ったり……(ほっこり)

平和な時代ならほのぼのな
エピソードだけで済みますが
アンナの結婚は1096年。

セルジューク・トルコ
近隣諸国を荒らしまわり、

西ヨーロッパでは十字軍が
結成された年です。

しかもビザンツ帝国
帝位争いで身内で殺し合う
事件が絶えません。

アンナ祖母から事件の概要を
聞いてるニケフォロスの

(関係者が多すぎる)

このモノローグに
共感します。

説明されても複雑怪奇!

また、アンナは帝位を目指して
いるのですが、それには弟で
長子のヨハネスが邪魔になります

子供時代の今から不仲なのも
気になるフラグです。

ヨハネスは異民族を
蛮族と忌み嫌ったり
性格悪いし……。

「美しく装わないと
女は女とみなされない」

「でも美しい女もまた
戦利品となり 人間とは
みなされない」

前皇后マリアが評した
そんな過酷な時代に
アンナはどう立ち向かうのか
気になると同時に

アンナとニケフォロスを
心から応援したくなる
作品です。

フルカラーなのあもって
ビザンツ文化の華やかな
美しさも堪能できますよ。