昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

岩明均『ヒストリエ』その5

カイロネイアの戦い(史実)で
戦場のアレクサンドロス
化け物じみた姿が描かれます。

生物の群れの少し先の動きが
わかるという特殊能力を
持つアレクサンドロス

(ただし毎回発動する
わけではないらしい)

味方の兵士たちを置いて単身
敵のど真ん中に突っ込むと、

呆気に取られる敵兵たちを
次々に死体の山に変えていきます。

大量殺戮シーンなのに淡々と
してるのがこの作品らしいと
いうか……。

確かにこんな超人なら、
前人未到の世界制覇を
成し遂げたのもわかります。

その後、まだ殺伐としてる戦場で
何気なく敵兵の冑をかぶって
味方に斬りつけられ、

笑って済ますという危うくも
無邪気なシーンで人間味が
一気に戻ってくる演出が
また素晴らしい。

エウメネスは書記官として
傍観者の立場で王の傍にいますが

この時は距離が遠いため
詳細は分かっていません。

しかし本来、息子の雄姿を喜ぶはずなのに
父王「いっそこの場で死んで
くれれば……」

という呟きを聞き、
冗談だと受け流します。

優秀な王子ですが王にするには
ネガティブ材料が多すぎると
思われてるようですね。

二重人格とか母親とか
母親とか……!

王の思惑はどうあれ、周囲からは
次代の王で確定している
アレクサンドロスから

(将来の王の左腕として)

「きみならいけると思うぞ!?」

と太鼓判押されるエウメネス……。

当然、周囲の反応も喜ぶ者、
面白がる者、反発する者と
分かれます。

今までもちょくちょく王と王子
周辺の人々は描かれてしましたが

この辺りから徐々にバック
グラウンド含めてキャラが深掘り
されるようになります。

特に11巻から登場の、アレクサンドロス
よく似た青年・パウサニアスの回想を
中心に、

彼視点で故郷・オレスティス出身の
人々が描かれます。

そのうちの二人、ペルディッカスと
レオンナトスがアレクサンドロス
学友です。

ペルディッカスは序盤、カルディアに
戻るエウメネスが口八丁で城門を
開けさせた場にいた指揮官ですね。

子供時代からいい奴なんだな……。

続きはまたそのうちに。

ヒストリエ(10) (アフタヌーンコミックス)