昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『動物戦隊ジュウオウジャー』その1

動物戦隊ジュウオウジャー(16~)は
40番目のスーパー戦隊です。

生物をより苦しめた上で惑星を滅ぼすのを
競う「ブラッドゲーム」で99の星を滅亡させた、
ジニス率いる悪人集団「デスガリアン」に
地球を守るジュウオウジャーが立ち向かうお話です。

この作品内では人間の住む世界とは別に
「ジューランド」という異世界が存在し
「ジューマン」という動物の頭を持つ
種族が住んでいます。

ジューマンの中でも選ばれた戦士が持つ
「王者の資格」は、変身能力兼人間の姿に
化けられる便利なアイテム。

ある日ジューランドに迷い込んできた人間、
風切大和(かぜきり やまと)が王者の資格を
持っていたことから泥棒扱いされて捕まりますが
彼はある人から貰ったと主張します。

そんな中、デスガリアンが現れ
4人のジューマンと大和は一緒に変身して
戦うことになるのでした。

最初からスムーズに仲間になるのではなく、
ジュウオウエレファント(緑)のタスクは
思慮深い性格だけに当初は大和のことを
なかなか信じなかったり、

人間界でフリーダムに振る舞う
ジューマン3人にキレた大和が

首輪とリードをつけて
連行したりと、
序盤は結構前途多難。

大和はスーパー戦隊の中でも常識人で
温和なキャラですが、怒ると怖いというのは
この辺りのエピソードから来ています。

中盤はバングレイにじっくりと精神攻撃されて
気の毒な目に……。

よくひねくれた視聴者が「変身前にヒーローを
倒せば、簡単に勝てるのに」とか言いますが

ジュウオウジャー』では
ラスボスであるジニスを楽しませることが
目的なので、ジニスが気に入らない作戦は
却下です。

常にグラスを片手にゲームを悠然と眺めていて
自ら作戦を立てる時は、容赦なく残酷な
手を使ってくる恐るべきラスボスでした。

でも正体は意外と(秘密)

今現在、スーパー戦隊特別編で大和が出てるの
ですが、観てて大和もジュウオウジャー
大好きだなってしみじみと思います。

語り足りないのでまた近いうちに。
特にみっちゃん!!

動物戦隊ジュウオウジャー 全曲集

動物戦隊ジュウオウジャー 全曲集

 

 

動物戦隊ジュウオウジャー写真集 本能覚醒! (DNAメディアブックス)

動物戦隊ジュウオウジャー写真集 本能覚醒! (DNAメディアブックス)

 

 

 

北条司『CAT’EYE』その2

このお話の基本的なフォーマットは

1:キャッツアイが予告状を出し
警察側が必死に警備するが盗まれる。

(どうやって盗むか?という怪盗側の事情や
警察側視点で描かれたりもします)

2:正体がバレそうになり
ハラハラドキドキの展開

3:瞳と俊夫の間を、浅谷さんや神谷などが
引っ掻き回すドタバタラブコメ

なおキャッツアイの目的は、行方不明の父親
ミケール・ハインツの絵やコレクションを
取り戻すこと。

そして予告状のキャッツカードは
父ハインツへの招待状でもあった、

という事情は大分後になって明かされます。

猫目石は彼女たちの母が好きな宝石で、
同じ名前のカクテルを父が好んでいたことも)

序盤はコミカルなドタバタやラブコメも多く、
一話完結です。

その後、絵の中の金髪美女に瞳が変装するなど
「キャッツアイ」が顔を晒して俊夫の前に
登場するようになります。

写真の金髪をマジックで塗りつぶして
「瞳!?」と驚く俊夫さんに
(その前にわかれよ!!)と当時でも
ツッコんだ記憶。

その時は瞳と変装した泪さんが同時に
登場しておさまりますが

俊夫さんがキャッツアイに心魅かれはじめたりと
三角関係のようなそうでないような
ややこしい事態に。

後半は父親の手がかりを探したり
敵「クラナッフ」との命がけの対決など
かなりシリアスになります。

ラストはあえて言いませんが、子供の頃読んだ時より

大人になってから読むと、俊夫さんが捨てた
ものの重さを推しはかることができて、
より胸に沁みます

リアルタイムだと田舎の小学生でしたので、
この作品の持つ「喫茶店」「カクテル」
「カジノ」「別荘」「クルーザー」
「ホテルのプールを貸し切る」

なんてエピソードが都会の大人の世界を覗いて
いるようで憧れたものです。

(大人になってもカジノや別荘とは
無縁ですけども)

なお先日公開された『CITY HUNTER』劇場版で
海坊主さんと美樹さんの経営する同名の喫茶店
大家さんが、来生姉妹だと判明しました。

劇場版CHも良かったですよ……。

 

 

北条司『CAT’EYE』その1

『CAT’ EYE』(81~)は美術品専門の
美人三姉妹怪盗「CAT' EYE」の次女・
来生瞳と、それを追う刑事・内海俊夫との
恋物語を描いた作品です。

※瞳は俊夫が刑事だと知っていますが
俊夫は瞳が怪盗であることを知りません。

83年にアニメ化しました。

「レオタード姿の美人姉妹怪盗」
「刑事と泥棒の禁断の恋」

今、別の作品で描いても「キャッツアイ展開」と
言われてしまうほど
この作品の残したインパクトは大きく

先日終了した『ルパパト』にもオマージュが
多数使われていました。

来生(きすぎ)三姉妹の表の顔は
茶店「CAT' EYE」経営。

俊夫たち刑事側は常連として通っている
こともあり、情報は筒抜けでした。

※今ほど機密保持にうるさくない時代ですが
流石に盗聴を警戒するエピソードもあります。

長女の泪(るい)と次女の瞳がお店をやっていて
三女の愛は高校生です。
(ちなみに全員目に関係のある名前)

色っぽいお姉さまで、世話好きな泪さん。
セクシー担当。

快活で気が強く、優しいけど時にやきもち焼きの瞳。
スタイル抜群の健康美。

ボーイッシュなボクっ娘の愛ちゃん。
怪盗には欠かせない便利アイテムの発明者でもある。

「世話好き」「快活」「やきもち焼き」
「ボーイッシュ」「勝気」3人の属性を合わせると
『CITY HUNTER』の香になりますね。

彼女たちを支援する年配の紳士「永石さん」も
いますが、たまにしか登場しません。

俊夫さんは興奮すると博多弁が出る熱血刑事で
ドジなところもあるけど
真面目で優しい人でした。

キャッツには逃げられてばかりとはいえ、
別件で手柄を立てることもありました。

(実は三姉妹の父に似ているらしい……)

最初に「キャッツアイ」の正体に気づいた
女刑事の浅谷さんや、

俊夫とは長い付き合いの上司の課長さん、

(アニメには登場してないけど)
同僚の平野・竹内や、怪盗「ねずみ」こと
ルポライターの神谷など、皆いいキャラでした。

語り切れないので続きは次回。 

キャッツ・アイ オリジナル・サウンド・トラック

キャッツ・アイ オリジナル・サウンド・トラック

 

 

 

須藤真澄『アクアリウム』

アクアリウム(92~)は魚と話せる少女・
杢子(もくこ)と、叔母のしずかをはじめとする
周囲の人々や魚との交流を描いた、コミカルで
ほのぼのとしたファンタジーです。

以下、作中で呼ばれる「もっこ」で語ります。

序盤、赤ん坊のもっこが水槽の中の金魚を
じっと見ているのですが

別の世界では、少女の姿のもっこ
仙人のような長いヒゲの老人、
「おじいちゃん」と水中で話していました。

老人は向こうの世界に馴染めば
しずかのように「目が固まり」
こちらの世界は見えなくなると言います。

しかし絵を描いていたしずかが突然水中の
世界に現れ、何事かと混乱すると

老人「おまえはどうやら 
おもしろいかたちで
目が固まってるらしいなぁ」

そしてもっこもまた、もう一つの
世界が見えるまま成長します。

正確には「魚と」ではなく、魚などに宿る
もっこからはヒトの姿に見える)
魂と会話しているようです。

人と違う能力を持つゆえに迫害されるとかは
ありませんが、

寿命の短い魚は、当然お別れも多く経験します。

金魚が死んで「おじいちゃん」が一度
消えますが、水族館でまた会えたり

しずかの絵を通して「おじいちゃん」と
話ができたり

イルカのキューちゃんとお話しできたのに
次に行った時は死んだと聞かされたり

実はキューちゃんが身近な人に
生まれ変わっていたり……。

切ないエピソードも結構ありますが

それでも世界は不思議で素敵に
満ちているという気分になるお話です。

須藤真澄作品はだいたい
・動物やモノなどの声が聞こえるなど
不思議な能力を持つ少女

・そんな彼女を理解し、見守る周囲の人々

・特に優しいじいちゃんばあちゃん

・突飛な現象も起きるが、皆受け入れる

・切ないエピソードもあるけど
基本的に優しい世界

というのがキーワードになっています。

短編が多いので、どれから読んでもいいですが
個人的には一番好きなので『アクアリウム』を
お勧めします。

それにしてもシンプルな絵なのに
ものすごく表情豊かに見えるのが不思議……。

アクアリウム

アクアリウム

 

 

藤田和日郎『うしおととら』その2

潮ととらの関係性が変化していく要因として
潮の決して諦めない強さと真っ直ぐさ、

自分がどんなに傷ついても他者を救おうとする
限りない優しさがあります。

自分を殺す気満々だったとらを差し出した後、
実は違うと正直に謝り、行き場のない怒りを
爆発させるヒョウさんから殴られたり、

父親の怨霊に取り憑かれ、他人を巻き込まないために
死にたがっていた少女・羽生礼子のために体を張り

潮「礼子さんは生きながら死んでんだぜ、
わかってんのかよ!?

ともだちも よろこびも……

笑いガオもとったら……
女の子にゃ骨だけしか
残らねぇじゃないか!!」

潮の真っ直ぐさと人となりを現す名台詞です。

直後怒った父親から礼子とその幼なじみの間崎
共々、絵の中に取り込まれそうになり

とら「泣いて助けてくれて言やぁ、
助けてやってもいいぜぇ!!」

と言うとらの言葉も無視したので
かえってとらが意地になって
潮を引っ張りますが

残る二人を掴んで離さないため
とらが絵の中に入って攻撃、結果的に
潮たちを助けることになります。

こういうエピソードを積み重ねるうちに
とらもほだされていくのですが

ツンデレなのでなかなか素直に
言動に現してはくれません。

この後、潮は妖怪「海座頭」の言葉から
母親が生きていて、妖怪と関わりがあることを
知ります。

父親に問いただし、北海道へ行くことを
指示される潮。

しかし飛行機が空飛ぶ妖怪・衾(ふすま)のせいで
墜落、後は陸路になります。

(この衾のデザインがトラウマレベルの怖さ。
アニメだと緑色で不気味さが更に強調されていました)

飛行機の中で勇、遠野で鎌鼬かまいたち)兄妹、
オマモリサマ&小夜と出会い……

行く先々で妖怪退治&人(良い妖怪)助けを
しながらの旅は……長い!!!

でも一つ一つのエピソードが泣かずには
いられない傑作なのです。

特にかまいたち兄妹の辺りは
当時ファンロードでも話題になっていて
それが読むきっかけだった記憶。

まだまだ語り足りないので、続きはそのうちに。

 

藤田和日郎『うしおととら』その1

うしおととら(90~)は妖怪を退治する槍
「獣の槍」を引き抜いてしまった主人公・蒼月潮
(あおつき うしお)と、

槍に刺されたまま封印されていた妖怪・とらの
コンビが最強最悪の大妖怪「白面の者」を倒す
熱きホラーアクションものです。

通称は「うしとら」

92年にはOVA化、
2015年にはテレビアニメ化しました。

序盤、潮は自宅(お寺)の蔵の掃除を父親から
言いつけられた際、蔵の床に扉があることに
気がつきます。

その扉を開けて入った地下には、500年間
槍に縫いとめられていた妖怪「とら」がいました。

(※とらと名付けたのは潮)

危険な妖怪だと知った潮はそのままにしようと
決意しますが、扉から漏れたとらの妖気が
別の妖怪を呼び寄せてしまいます。

巻き込まれた幼なじみたちを救うため
潮はとらを解放、

しかしとらは「助けてやる」という
約束を守ろうとしなかったので

怒った潮が槍を握りしめたところ
髪が長く伸び「獣の槍」を使えるように
なるのでした。

こうして潮はとらを監視するために
とらは潮をいつか喰ってやるために
奇妙な同居生活が始まります。

最初の頃は隙あらば喰おうと襲いかかっては
槍で殴られたり、潮の顔半分にくっきりと爪痕を
残すなど本気で殺意を向けていました。

潮も何か怪しい事件があればすぐにとらを疑い、
退治されればいいと、似た妖怪を仇として探していた
ヒョウさんに差し出したこともありました。

(金編に票ですが字が出ないのでカタカナにします)

殺伐とした間柄が徐々に、お互いなくてはならない
相棒に変わっていくのも見どころの一つです。

長い物語ではあるのですが、ラストのとらの台詞は
思い出すだけでも涙が……。

個人的に作者は
妖怪・涙ドロボウだと思っています。

読者の涙を貪って、あのエネルギーに
満ち満ちた作品を描いてるに違いない!!

先日、原画展に行ってきたのですがもう素晴らしいを
通り越して「凄まじい」絵でした。
込められた迫力がね……。

語り足りないので次回へ続きます。

 

『ユリ熊嵐』

ユリ熊嵐(15~)は『少女革命ウテナ』の
幾原監督のオリジナルアニメで
クマがヒトに化けて、人間の少女との恋を貫く
摩訶不思議な学園百合ファンタジーです。

このアニメを観る前に一言アドバイスすると
「考えるな感じろ」

「ユリ裁判」だの「排除の儀」だの
意味ありげな演出や台詞が山ほど出てきますが
特にラストまで説明されず、

キャラや不思議世界そのものを楽しむ
作品だというのも『ウテナ』を彷彿とさせます。

諸事情は省きますが、この世界ではクマが人を
食べるようになったため、両者は「断絶の壁」で
隔てられるようになりました。

しかし壁を越え、ヒトの姿に化けて
人間を襲う危険なクマが時折出るのです。

クマと言ってもリアルタッチではなく
ぬいぐるみっぽくデフォルメされた
一見可愛らしいクマ。

「クマショーック♪」の音声と共に、
丸々とした手と鋭い爪が振り下ろされるのは
なかなかシュールです。

メインキャラは3人。人間の姿に化けているクマ
「百合城銀子(ゆりしろ ぎんこ)」と
銀子のことが大好きなクマ「百合ヶ咲るる」

そして銀子が想いを寄せる、クマを憎む
人間の少女「椿輝紅羽(つばき くれは)」

彼女の母親も親友もクマに
喰われてしまったからです。

第一話は、銀子とるるが「嵐が丘学園」に
転入して来るところから始まります。

紅羽はSNS学園裁判こと「透明な嵐」
混じらなかったのが理由で疎外されていました。

「クマに食べられないため」という大義名分の
もとに、集団の中に溶け込む=透明な存在に
なれという同調圧力

従わないものは悪として排除すると
いうのは、今時のいじめ事情を
イメージしているのでしょう。

この作品では何度も「スキ」という言葉が
キーワードとして出てきます。

排除されても、断絶も、全てを乗り越えるのが
「スキ」の力だと言わんばかりに。

何となくこの話は「人魚姫」の
熊&百合バージョンではないかと
思っています。

シュールで可愛くて切ないという
言葉で説明するより、一度観てほしい
作品です。

ユリ熊嵐 公式完全ガイドブック

ユリ熊嵐 公式完全ガイドブック