昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

榛野なな恵『Papa told me』その26(12巻感想3)

3話目にあたるお話は
「フラワー・ティペット」

※ティペットは首や
肩を飾る小物のこと。

今回は知世ちゃんは
脇役。話のきっかけを
作る役割です。

冒頭、70%オフ+
更に半額と表示された
大きな福袋を見つけて
大喜びする知世ちゃん。

お父さんがやんわり
止めるのも聞かず、
買ってしまいます。

一方、作家の宇佐見さんは
近所のギャラリーの
女性店主、小林さんが

「しばらく休業します」
の貼り紙をしてる
ところを目撃。

やり取りの中で彼女が
「離婚が決まったので

色んな手続きに時間を
取られそうで……」と
説明します。

宇佐見「何かお手伝い
できることがあったら
言ってください」

→宇佐見さんが開いてる
子どもカフェに区立
美術館のポスターを
貼らせてもらうことに。

宇佐見さんの秘書、
潮田さんは事情通で

小林さんの離婚原因が
子供が出来なかったことで
婚家からのプレッシャーが
すごかったらしいと解説。

寂しげにパン屋さんの
幼い子供を見つめる
小林さんがの姿が
描かれます。

その頃知世ちゃんが
福袋を開けると
中には大量の毛糸玉。

持て余した知世ちゃんは
宇佐見さんの子ども
カフェに置いてもらい、
欲しい人にあげることに。

ポスターを貼りに
やってくる小林さんが
毛糸玉を見つけます。

知世ちゃんや宇佐見
さんとの会話で

小林さんが学生時代
手芸部で、一時期
編み物に熱中してたと
判明。

指が覚えてるかなぁ、と
試しに小さな花を
編んでみると

知世ちゃん以外にも
見物の子が増え、
いつの間にか編み物
教室に。

時間を忘れて編み物に
夢中になってる
小林さんを

閉店時間まで
そっとしておいて
くれる宇佐見さんは
優しい……。

毛糸玉は子供たちが
持って帰ったと
話しながら

宇佐見「ここが
あんなに静かだった
こと ないんじゃ
ないかな」

小林「そう
編み物って静かな……」

昔、何故あんなに熱中
してたのか、話すうちに
気づきます。

「“時間”が毛糸の中に
編み目としてきれいに
並んで見えるような
気がして

心がとても
静かになるの」

詩的な表現だ……。

小林さん、知世ちゃんの
それぞれのオチもいい。

続きます。