昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

D・キッサン『ゆり子には内緒』(短編集)

『ゆり子には内緒』は同作者の
SF、ファンタジー、ラブコメ
ほのぼのギャグなどを集めた
短編集。

短編集としては
二作目です。

この方の持ち味は

淡々として奇想天外。

ほのぼのコミカルな
味わいながら時々
泣かされる作風。

イデアやオチが秀逸なので
ネタバレしない程度に語ります。

「ゆり子には内緒」=SF

明治時代(?)のオペラ
好き少年・フクローはある日、
彼の憧れの女優・蘭子に会わせて
やると言われるが

その際「ゆり子には内緒」以外の
言葉を口にしてはならないと
条件が付けられる……。

実はフクロー以下、主要人物には
ある共通点がありました。

一風変わったSFですが
何がどう変ってるかは
ぜひ読んで確かめてください。

「外天の暁」=ファンタジー

中東っぽい国から中華系の国に
嫁いできた姫様は、人形のような
物言わぬ人々にかしずかれる日々に
不安を覚えていたが、

ある日顔も見せない「誰か」の
言葉で意を決して変化を……。

「文字屋かわほり」もそうですが
特殊な設定ながら

「あることをきっかけに、
主人公が勇気を出して行動に
移す」話になっています。

「ENGIメーカー」和風ファンタジー

実在の人物で室町時代の公家・
三条西実隆が主人公。

神社に頼まれて奉ってある
神様の縁起を捏造していたら
本物が現れて……。

コミカルな話です。

「不器用の作法」=学園コメディ

男子高校生・内藤くんは
マナーの授業が苦手で……。

脇役ほどキャラが濃いのも
作者の特徴。

190センチ、歌劇団
男役出身、男子校勤めの
着物姿の女性マナー講師って

短編にチラッと出して終わるのは
勿体なくない……?

コミカルな話ばかりではなく、
ダーク寄りな物語もあります。

「四年目」=中華風時代劇

ある資産家の家に拾われた娘は
やがて使用人を経て妻に迎え
入れられる。

しかし娘の正体は……。

個人的に「こゆび姫」の
ヤクザと小さなお姫様の
会話で成り立つ話が
シュールで好きです。

1冊で完結してるので
読みやすくておススメです。

最新作は紫式部が主役のコメディ!
もっと広まってほしい!!