『さんすくみ』(10~)は
宮司の一人息子・恭太郎と
寺の長男・孝仁(たかひと)、
牧師の長男の工(たくみ)の
三人を主人公にした日常
ドタバタコメディもの。
三人は同い年の24歳。
恭太郎は気弱で、強烈な
母親に頭が上がらず。
トラブルにみまわれがちな
大の甘党。
両親が留守の間に自由を
楽しむ=ファストフードを
買ってきてもらうって
ほっこりすればいいのか
若い男としてどうかと
心配すればいいのか……。
孝仁は真面目なメガネ青年。
心霊体質でお化けが怖い。
妹に翻弄されています。
たまに幽霊を見ますが
周囲に信じてもらえない……。
工はオカルト好きで
ホラー映画マニア。
いつもにこやかですが
一切空気を読まない。
例:丑の刻詣りを発見された
女性が恭太郎母に叱られ、
反省してる最中に
「やり方が違う」と乱入、
詳細に化粧や服装を説明して
やり直そうと言い出す。
(そして他人様に喋ったと
叱られる恭太郎)
恭太郎と孝仁は跡取りとして
親からこき使われていますが
工は教会を手伝いはしても
「世襲じゃないから」と
気楽なもの。
※プロテスタント(牧師)は
妻帯可です。念のため。
その代り学生なので、実習や
論文など別の苦労があります。
神社やお寺、教会に勤める
人が普段何をしてるのかが
描かれる希少な作品です。
御朱印の紙を鹿に食べられて
大慌てで(その場に居た
孝仁が)書く羽目に、とか
工の実習先のスペイン人牧師が
フラメンコを教えたがるので
孝仁、恭太郎も巻き込んだら
その後恭太郎の笙(お神楽用の笛)の
メロディがおかしくなったとか
ミサ用の赤ワインは
ノンアルコールのはずが
(恭太郎と孝仁のミスで)
工のとっておきの赤ワインを
入れてしまい、下戸の工父が
酔って倒れてしまったりと
トラブルの内容が
独特すぎて面白い。
3人ともお年頃なので恋愛にも
異性にも興味はありますが、
恋愛フラグが立てるそばから
消えていく……。
教訓:厄を祓うアイテムに
願い事を書いてはいけない。
ドタバタと書きましたが
テンション自体は淡々としてるのが
味わい深い作品です。