昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

浦沢直樹『YAWARA!』その4

ソウルオリンピックの前に
全日本選手権があります。

柔と対決するはずが、準決勝で
左足を痛めてしまい
棄権する羽目になった
さやかさん。

無理に出ようとするのを
風祭さんがキスして止める、
という少女漫画的な
解決法で収めます。

そのせいでもう完全に
恋愛フラグ確定された感が……。

柔と松田さんも突然の
雨の中、電話ボックスで
雨宿りという甘酢っぱい
恋のエピソードがあります。

今や電話ボックス自体が
街から消え、雨宿りできる
場所もどこにでもあるように
なったので

昭和限定の話に
なってしまいました。
(遠い目)

ソウルオリンピックでは
試合と並行して、柔父・
虎慈郎さん探しも
行われます。

松田さんの視点を通して
読者はここで虎慈郎の
本心を知りますが、

メタ的に柔が知ったら
葛藤がなくなってしまうので
柔に届くことはないのでした……。

 48キロ以下級の試合では
さやかさんが決勝で韓国の
選手に時間切れの敗北。

悔しがるさやかさんを
励ます慈悟郎おじいちゃん
とのシーンがいい。

慈悟郎「もっともっと
強くなって戻ってこい!

柔の最強の
ライバルとしてな!!」

さやか「当然ですわ!!」

ひきつった顔でなお
強気なさやかさん、
大好き……!

無差別級で出た柔が初戦で
大柄な選手をぶん投げる
シーンは、漫画として
素晴らしすぎる。

誰一人台詞を発してないのに
驚きや喜び、称賛など
各キャラごとに違う表情で

(すごい……!!!)
と感じてるのが伝わります。

 結構シンプルな絵なのに
表情豊かですよね……。

ジョディやテレシコワは
オリンピック前から
様々なエピソードがあり

柔との関係性が深く
描かれてましたが、

ライバルの中では今一つ
関係性が薄かったのが
スイスのベルッケンス。

試合内容も柔の強さに
逃げ腰だった印象。

(即座に投げられて
ない=それだけ強い証
でもある)

しかし試合後、引退を
表明する際にはなんか
じんと来ました。

「女王の涙だ……」

「美しい……」

このシーンでいつもモブと
一緒に涙ぐんでしまう、
不思議なキャラです。

続きはまたそのうちに。