昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

浦沢直樹『YAWARA!』その1

YAWARA!(86~)は柔道の
英才教育を受けた天才少女にして
普通の女の子・猪熊柔を主人公に
した柔道マンガです。

89年にアニメ化しました。
OP「ミラクル・ガール
「雨にキッスの花束を」など
名曲揃い。

劇場アニメや実写版も
作られました。

あらすじを大雑把に言うと

スポーツ新聞記者の松田は
ある日、町なかでひったくりを
見事な巴投げで退治する
少女を目撃し、記事にする。

写真を撮った位置からは
顔は見えず、松田は制服を
頼りに「猪熊柔」という
少女を見つける。

しかし柔は柔道こそ祖父・
慈悟郎のお墨付きの天才だが
試合に出て誰かと競うより
おしゃれや恋に興味が向いていた。

慈悟郎もそのことには頭を
悩ませていたが、結局松田の記事で
柔の強さは広く知られることになり
彼女は人前で柔道を始める……。

この作品のメイン視点であり、
第二の主人公と言えるのが
松田記者。

柔をスターにする=人前に
出すため必死にお膳立てします。

柔は嫌がりますが、様々な
事情が重なって何度も試合に
出ることに……。

私はアニメから入ったので、
松田さんをずっと応援して
きましたが

(だって声、関俊彦さんだし)

柔視点で考えると、嫌いじゃないに
してもあまり大声で言えない
特技が広まってしまい、

大勢に注目され、マスコミに
追い回されるって当初は相当な
苦痛だったろうな……。

しかしポジティブな視点で見ると
柔は自分が「普通と違う」ことに
劣等感を抱いていていました。

柔「中学に入った頃から
なんか変だなって思ってたの」

「柔道は嫌いじゃないわ
でもあたしは普通の子で
いいの!!普通の子で……」

彼女がおしゃれや恋に憧れ、
料理好きで家庭的な子で
あることは確かですが
それは個性の半分でしかない。

柔道が強いという個性も含め、
ありのままの彼女でいられる
世界に強引に連れ出した、とも
言えますね。

ありのままの姿で、自分が
得意なことで評価されて
ハッピーエンドなのは

80~90年代の価値観と
合ったテーマだったのかも。

 続きます。

YAWARA! Blu-ray BOX1

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  • 発売日: 2014/08/20
  • メディア: Blu-ray