この漫画がすごいのは
柔道という古風で硬派な
イメージのあるジャンルを
キャッチ―でとっつきやすく
料理したところ。
いくつか例を挙げると
1:ラブコメ要素
松田さん、柔、風祭さん、
さやかさんの四角関係。
(後に松田さんを慕う
カメラマン・邦子も参戦)
花園くんと富士子さんの
フラグからデキ婚へ。など
本作で印象が強いのが
ラブコメ部分。
柔道のルールは知らなくても
恋の行方は気になったという
読者も多いことでしょう。
風祭さんはアニメでは声・
神谷明さんで、ハイスペックなのに
わりと抜けてるところが
(同じ掲載誌だった)
『めぞん一刻』の三鷹さんとあえて
重ねてるところもあるでしょうね。
2:コミカルな人情モノ。
冒頭で柔は全く勝てない柔道部に
偶然関わることになります。
欠員が出て試合に出ることに
なったり、せめて一勝できるよう
コーチしたり……。
柔に絡むチンピラとして
登場し、部員となった
須藤くんが大ケガした際に
須藤「柔ちゃんと約束したんだよ。
ケンカには絶対使わねェって。
柔道……」
ベタだけど好きです、
こういうエピソード。
大真面目にやると熱血スポ根に
なりますが、ドタバタやギャグの
ノリでやるのが読みやすくていい。
3:強烈なキャラクター
恋愛関係も人情モノも、
魅力あるキャラが揃ってこそ
成立するもの。
慈悟郎おじいちゃんなんか
「~ぢゃっ!!」の語尾だけで
即座に脳裏に顔が浮かぶほどの
キャラ立ちの良さです。
故・永井一郎さんの声もハマってましたね。
4:格闘マンガとしての凄さ
初期エピソードでジョディが
慈悟郎おじいちゃんと対峙するシーン、
最初は相手にする気もなく
肩をすくめていたジョディが
ふとおじいちゃんの強さに気づき、
表情が険しくなる→
本気でかかって行こうとして
ビクッと足が止まる。
組んでもいないのに
「マイリマシタ!」と負けを認める。
解説も、派手なアクションも
一切ないのにおじいちゃんの
凄さが伝わる、マンガとして
すごいシーンです。
続きはまたそのうちに。
今読み返すと当時らしい
元気さに溢れています……。