昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

獣木野生『PALM』シリーズその5(「星の歴史」─殺人衝動─)

久々なので解説すると
PALM』シリーズは80年代の
ロサンゼルスを舞台にした、

時にシリアスで時にコミカルな
アクションありのヒューマン
ドラマ。

主人公は3人。

元医者で探偵のカーター、
その助手で子供時代に
誘拐された壮絶な過去を持つ
ジェームスに

カーターの親戚で、アフリカ
育ちの青年アンディ。

7~10巻にあたる
「星の歴史─殺人衝動─」の
章はシリアス+アクションが主体。

6巻までの集大成でもあります。

 一言で説明すると

ジェームスを子供時代から
狙っていた、ストーカー兼
CIA兼連続殺人鬼サロニーとの
全面対決。

今回はジェームスの刑務所
時代の仲間で黒人の青年
ボアズの視点が多く、

彼の成長と変化が描かれるので
この章の彼が主役と言っても
過言ではありません。

荒んだ環境で生まれ育ち、
犯罪者になった青年が

刑務所で心を許せる親友
(ジェームス)と出会う。

あるきっかけから
知識欲に目覚め、

子供時代好きだった
音楽への興味を取り戻し、
プロになる夢を抱きはじめる。

しかし出所した親友は殺人鬼に
狙われ、彼をおびき寄せるため
自分も拉致されてしまう……。

と書くと本当に昔の
ハリウッド映画のようですね。

敵がCIAの殺し屋だし……。

  ボアズの姉が刑務所に
差し入れてくれた詩集の
タイトルが「星の歴史」。

 最初はろくに読めなかったのに
ジェームスに朗読+解説して
もらって以来、知識欲に
目覚めていきます。

序盤のカーターとジェームスの
印象的な出会いの場面が、

7巻ではボアズの成長を
示すエピソードも兼ねていたと
わかるのがいい。

ジェームスの出所が決まった際、
カーターを紹介した弁護士
(カーターの友人でもある)が
ボアズと話をするシーンで

長いので要約しますが

「長いこと自分をクズだと
思い込んでいたけど

ジェームスは相手が何でも
当たり前のように受け入れる」

ボアズ「クズだって飛び上がって
人間にならねえわけには
いかねぇぜ!」

そう言って笑ってから
ジェームスがいなくなる
ことを泣くシーンは
何度読んでも目が潤みます。

続きます。