昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

獣木野生『PALM』シリーズ その8(「オールスター・プロジェクト」) 

本作では「レビンへの大規模詐欺」と
「CIAがジェームスを捕まえる」
二つの計画が同時進行します。

前半はレビンに金を出させる
ための仕掛け。ドタバタ
コメディのノリです。

1:借金でレビンの手下に
なっていたカーターのはとこ、
シンを使って興味を引く。

出て来るたびにトラブルを起こす
シンですが、後半素晴らしい
活躍を見せます。

2:原作小説を熱烈に支持する
若者たちと、弾圧する大人たちが
対立していると印象付けるための
デモを捏造。

アンディ&アンジェラの学校の
先生や生徒たち、PTAにまで
協力を取りつけ、騒いでもらいます。

他にも彼らの人脈フル活用で
まさにタイトル通りの
オールスター・プロジェクトです。

3:実際に映画撮影も進行。

主役はアンディ、美人女優の
役にはカーターの元愛人・
ビアトリスを起用。

繊細で守ってあげたくなる女性を
演じ、レビンを夢中にさせます。

計画では途中で映画撮影を
邪魔する勢力が殺し屋を派遣、

主要関係者は殺害され、
映画は白紙になる予定でした。

しかしその計画に乗じて
警察が踏み込んでジェームスを
捕えます。

後半はシリアス展開に。

CIAの狙いはサロニーが殺人鬼と
承知の上で雇ったと知られないよう
ジェームス以下、関係者の証言力を
失わせること。

ジェームスが11歳の頃に
誘拐された際、犯人を殺害した
件を蒸し返そうとします。

(正当防衛ですが、彼がマフィアの
ボスの養子だったことなどを合わせて
糾弾すれば、評判は落とせる)

皆を巻き込まないよう
ジェームスは一人で去ろうとし、
カーターたちはそれを追います。

またCIAのやり方に不審を抱いた
FBIのフロスト警部は独自に動いて
サロニーの息子・エティアスに
辿り着きます。

死後にどんどん人間味が
出て来るサロニー……。

重要なキーマンになるのが
新キャラ、ロス市警の新任警部、
アダムス・フロイド。

最終的には彼がジェームスの
味方につくと決めたことが
勝敗を分けます。

軽妙なやり取りといい
ストーリー運びといい
映画を一本見たような
気になる名作です。

続きはまたそのうちに。